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海外生活に憧れますか?私はワタリドリに憧れます

 私は留学がきっかけでアメリカに来た。最初の2年半はアメリカに馴染めず、本当に早く帰りたかった。一日でも早く帰国するために、大学の授業を人よりかなり多く取り、早く卒業する計画を立てた。でも卒業半年前の冬休み、日本で1カ月のインターン就労を経験して、考えが変わった。外資系ホテルでインターンをさせて頂いたのだが…私が研修を受けさせていただいた部署の方々は皆さん良い方だったけど、違う部署に「え?いじめ?」ってくらい面倒くさい人がいた。折しも就職氷河期。まあ、職があればどこでもいっかあ。ということで、大学卒業後も在学中のアルバイト先でそのまま働いた。そこから、紆余曲折を経て今に至る。

 そこそこアメリカ生活も長くなったけれど、「海外に住んでいるなんていいですねえ」と言われることに違和感を覚えている。日本国外、つまり海外に住むことが羨ましい?この人はどこまで本気で言っているのだろうか?と疑い、だいたいは会話の流れだと理解している。けれど、やっぱり本気で憧れている人もいる。私は「海外っていいかな?」と毎回思っている。どこだって住めば都であることは間違いない。今、日本の若者は、日本が大好きで、国外に出たいという人は少ないらしい。従って若い人に言われるのではなく、だいたい自分より上の世代に言われることが多い。でも海外に住むのって、結構面倒くさいよ。

 海外旅行にでも行かなければ、一生縁のない手続きだと思うけれど、ビザって本当に面倒くさい。そしてお金がかかる。私だって今まで学生ビザ、研修ビザ、就労ビザ、永住権と、手間もお金もかけてきた。アメリカの場合、永住権は10年ごとの更新なので、そのたびに労力もお金もかかる。その手間が嫌で、アメリカ市民になる知人も多い。しかし残念ながら、どんなに憧れても、アメリカは今、本当に移住しづらい。手段が非常に限られている。だからアメリカよりは移住しやすいカナダにみんな行く。

 世界中たくさんの場所に旅行には行ける(コロナ禍の今は無理かもしれない)けれど、移住はやっかいだ。恐らくヨーロッパや北欧の方が、移住への道は開かれているはず。

 日本に生まれ育って、日本で一生を終えるなら、決して知り得なかった。ビザだの永住権だの、国籍という枷に、ときどきうんざりする。どこに生まれ落ちたか、それだけの問題じゃないの?私たちは誰も、生まれてくる場所を選べないのに。人間って、とても不自由だなあと思ってしまう。それでこの曲名がずっと頭のかたすみに残っているのだろう。いい歌だけど、今回は歌詞が気になっているのではないらしい。タイトルがずっと頭から離れない。ああ、でも。イントロがとても好きで、このイントロだけでどこかへ行けるような気になる。音楽は、いつも寄り添ってくれる存在。


#作詞家 #音楽 #エッセイ  # アメリカ #海外生活 #ワタリドリ



Image by Bettina Nørgaard from Pixabay

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