【言葉の響き】日本語とアメリカの州名、それぞれ3つのカテゴリーに分ける
多分、作詞をしていなければこんなに気にすることはないので…作詞の副産物とでも考えよう。言葉の響きを、最近ものすごく気にしていると思う。どういうことかというと、耳とか頭の中で日本語をあの3つに分けているのだ。
日本語の3つのカテゴリー
普段使っている日本語は、だいたい3つに分けられるはず。外来語、和語、漢語。
外来語は、カタカナで表記される言葉。最近はアジェンダだの、ルーテイーンだの、英語をカタカナにする場合が多い。でも英語以外にも、カステラとかクロワッサンとか、オランダ・フランスといった諸外国から取り入れた言葉(と文化)はたくさんある。カタカナ…便利な表記を作ったものだ。
現在から考えれば、外来語はカタカナで表記している言葉だけど、それ以前に輸入し、「外来語」という認識すらされていない日本語がある。それが漢語。いわゆる漢字の音読みで、文字を持たぬ和語(日本古来の言葉)を表記するために拝借した漢字と、一緒についてきた中国での漢字の読み方。音読みは本来の中国での読み方で、訓読みは和語としての読み方。長い年月をかけて言葉の使い方は変わっただろうけれど、やっぱり和語と漢語では音の響きが違う。これがちょくちょく気になるわけだ。
響きの違いが顕著に表れるのが熟語。湯桶読みとか重箱読みとか、試験対策で習ったものは置いておいて、音読み熟語は響きが強い。絶対とか、衝動とか、私がよく作詞で使う言葉。作詞をしていても「ああ、ここ音読み熟語欲しい~」なんてことをよくやっている。
こうやって言葉の響きを気にするようになったのは、いつからなんだろう?と振り返ると、やはり作詞を始めてからというのが妥当だ。でも、もしかしたらその前に、いや時を同じくして?英語でも納得したことがあった。英語でもあの3つに分けていることがある。
アメリカの州の名前に関する3つのカテゴリー
アメリカが50の州から成り立つ、合衆国であるというのはみんさん知っているだろう。もともとはネイティブアメリカン(いわゆるインディアン)が住んでいたけれど、ヨーロッパ人で初めてコロンブスがアメリカ大陸を発見し、その後ヨーロッパからたくさんの人が移住したアメリカ。このアメリカが最終的に50州に分かれるまでも紆余曲折なのだけれど、とにかく今は50州ある。そしてこの50州の名前だけど、決してすべてが英語というわけではない。
ニューヨーク、カリフォルニア、ハワイ…このあたりはよく聞く名前だろう。ニューヨークは純粋に英語だ。ニュージャージーとか、ニューハンプシャーなどは、イギリスの人名や地名を使っているので英語。基本的にアメリカは東から州が成立しているので、東は英語の名前も多い。
ではカリフォルニアは?カリフォルニアはスペイン語に影響をうけた言葉。私が住んでいるネバダ州のように、そのままスペイン語(ネバダ=雪をかぶったという意味)という場合もあるし、スペイン語から英語になまったような言葉もある。カリフォルニアもCalifiaというスペインの地名からきているし、フロリダもスペイン語由来。当時の大国スペインは、アメリカではなくメキシコを植民地化していたけれど、そこからアメリカへ勢力を伸ばしつつあったので、アメリカの西側はスペイン語由来の地名も多い。
私は個人的にスペイン語やイタリア語の響きが好きだ。英語にはないすがすがしい響きを持っていると感じている。カリフォルニアやネバダがスペイン語由来で、英語ではないというのはすごく腑に落ちる。
しかし、50州のうち約半分の州名は、英語でもスペイン語でもない。ネイティブアメリカンの言葉なのだ。ネイティブアメリカンも500以上の部族が存在して、それぞれに言語が違う。その土地のネイティブアメリカンが使っていた地名が、そのまま州の名前になったところが多い。例えばオハイオ、(サウス・ノース)ダコタ、オクラホマなど。
ネイティブアメリカンの言葉は全く知らないけれど、よくナバホ族の人たちは「日本語とナバホの言葉は似ている」と言っていた。意味は違うけれど「ヤッテ」とか、日本語に近い響きの言葉があるのは事実。ただしそのナバホの言葉は、第二次世界大戦中、敵国日本に無線を傍受されないよう、アメリカ軍が無線をするときに用いた言葉というのが、なんとも皮肉。
そんなわけで、アメリカ50州の名前も英語、スペイン語、ネイティブアメリカン言語の3つに分けられると知って、すごく納得したのを覚えている。オハイオなんて、日本語の「おはよう」に似てるといわれてきたけれど、結局英語じゃない。ネイティブアメリカンの言葉というわけだ。やはり、英語と日本語はとことん違う響きだなと思った。
ということで、作詞家、言葉の響きを日々気にするという回でした。言葉って本当に不思議で、奥が深い。これからもうまく楽しく、付き合って行けたらなあ。