人生初CDミスチル"Atomic Heart"を購入するまでの過程がもはや昔話な件
音楽の入り口というのは、育った環境による場合が多いと思う。兄や姉、年上のいとこ、または両親が音楽好きという人は、比較的早くに音楽と触れることができるだろう。私の場合、長子だし、両親もとくに音楽好きというわけでもなかったし、親戚はまわりにいなかったし、残念ながら音楽との接点があまりなかった。もちろん、日本中至る所で音楽は流れている。ここでいう音楽とは、いわゆる流行りの音楽やJPOPってこと。
もうひとつ音楽への入り口があるとすれば、それは友達。まわりに音楽好きな友達がいると、それも影響の一つになりうる。ところが、私の周りは、これまた特に音楽好きの友達がいなかった。中学生になってようやく、クラスメートたちがテレビの音楽番組の話をするようになって、私も少し興味を持ったくらい。まあ、音楽とは疎遠だったわけ。
さらに、私が十代の頃は、今と違ってテレビは一家に一台。スマホもタブレットもない時代。父が帰宅するとチャンネル権は父に委ねられ、流行りの番組を見ることもなかった。だから友達との、そういう会話にはついていけなかったな。
そんな私も中学生のとき、ついに音楽と出会う。出会いはテレビで見かけた15秒のCMだった。あるドラマのCMなのだけれど、そのドラマの主題歌も一緒に流れていた。「♪誰もが胸の奥に~」雷に打たれたかのようにしびれた。ほんの15秒で恋に落ちた瞬間である。
今でも本当に関心する。たった15秒で「なんだこれ!」という衝撃を受けた自分に。今はもう無理じゃないかな。やはり十代の感覚は素晴らしい。そのCMを一度耳にしたところから、誰が歌っているのか、何という曲のタイトルか、やっとの思いで辿り着いたバンド名。「Mr. Children」
曲名もバンド名も判明した!さあ、CDを買おう!とはまだならない。なぜなら、CDを買うという行為をしたことがないので、思考がそこに行きつかないのだ。ただ、あの曲が聴きたい!と思って、一生懸命に調べて、テレビで何度か聞いた。そして季節は流れ、Mr. Childrenは次のシングルをリリースする。これはもっと好きな歌だった。だからもっと聞きたいと思った。そうやって好きになっていくうちに、CDが欲しい!という欲求がようやく生まれるわけである。
しかし!すぐにCDを購入できない事情が、中学生にはある。なにせお小遣いをもらっていなかったので、CDを買うお金がない。お年玉をもらうまで待たなければならないのだ。だから私がCDを買うお金を手にしたころには、彼らはアルバムをリリースしていた。
ここでもう一つ、CDを購入する前にクリアーしなければならない問題があった。両親が音楽に興味がないということは、CDなど買わないということで、家にCDプレイヤーがなかったのだ。CDを買ったところで、聞けないという危機に直面する。なんということだ。CDプレイヤーの方が何倍も高くつく。だがしかし!私は救われた。この問題だけはすぐ解決したのだ。我が家にはCDプレイヤーはなかったが、パソコンがあった。まだWindowsもでていない頃だと思う。なにせパソコンを起動するとDOSモードだったから。でも大丈夫、CDは聞ける!
そうしてようやく、私は初めてのCDを購入した。Mr. Children「Atomic Heart」好きな曲が2曲も入っていて、その他にもたくさん曲が入っている。すべての曲をそらで歌えるほど、何度も何度も聞いたのは、言うまでもない。音楽の入り口にたった私は、そこから長い時を経て、曲がりなりにも作詞家にまでなっている。ああ、人生とは摩訶不思議。
さて、このお題。「はじめて買ったCD」私は90年代のことを話したけれど、けっこうな昔話である。だって今の子はストリーミングで音楽を聞くので、CDを買わないだろう。この話題で盛り上がれるのも、限られた世代になってくるのだろうねえ。
#音楽 #作詞 #MrChildren #ミスチル #AtomicHeart
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