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【エッセイ】#44 組織で、強要したり、私物化したら、オワコン

 よっしゃ~!!終わった~!!
 実は忙しい中、マンションの管理組合理事を行っていた。

 マンション管理組合とは、マンションの修繕・定期清掃・補修委託などを管理委託会社と一緒に勧める役割だ。
 私のマンションでは、これを輪番で行い、約15年に1回その役が回てくる。任期は1年間で、4名が「理事」「副理事」「会計」「監事」を行う。
 1カ月に1回、理事会が設けられ、管理会社からの報告事項や修繕の是非等を問われるのだ。

 マンションに住む場合、お互いに助け合い、ときに我慢をしながら生活をしていく必要がある。その塩梅は、いい大人だからわかると思う。

 さて、この理事会に問題児がいる場合、さまざまな仕事がうまく進まなくなる。それがある程度の年齢を召しているのであれば、余計にこれが面倒くさい。
 いわゆる「老害」というやつだ。

 今期、私が理事会として一緒にお仕事をすることの中にこの「老害」がいた。噂には聞いていたのだが、相当の難敵だった。
 いや。
 難敵ではなく、「ヤバい老害」だった。

 ヤバい老害のステータスを少し紹介しよう。
 ・大学を卒業後、会社に勤めるも、5年で病休開始
 ・ありとあらゆる方法を使い、病休のまま定年を迎える
 ・年金を受取りながら、役所などに文句をいいさまざまな手当てをむしり取る
 ・子どもなし。夫婦2人の生活。齢70を超える
 ・マンションの共用スペースで遊ぶ子どもたちに「うるさい!」と怒鳴り散らすのが日常
 ・マンションのラウンジを我がもの顔で使うが、掃除をしない
 ・管理人さんを無理矢理、自分の家の掃除や修繕に連れ込む
 ・偉そうに意見をいうが薄っぺらい
 ・自分は人のために尽くしていると勘違いしている

 などなど、少し書いただけでもヤバそうなのがわかるだろう。
 この「老害」が理事会に居たのだ。
 
 もちろん理事長をやらせてしまったら、どうなることかわからない。
 だから、私が理事長を買って出たのだ。
 この「老害」はどうやら理事長をやりたかったらしく、渋々副理事長の席に収まっていた。

 と、思っていた。
 ここから、「老害」の暴走がはじまる。

 ・管理組合費から「防災のため」といって、大量の水、防災テント、緊急トイレの購入(承認なし)
 ・それらを私の家に送りつけてくる(承認なし)
 ・災害時はトイレを流すなと強要する(承認なし)
 ・災害時は自分の部屋を尊重しろという規約を作ろうとする(承認なし)
 ・黙ってマンション管理規約を変えようとする(承認なし)
 ・理事会で話されたウラ話という怪文書を流す(承認なし)
 ・マンションの防風林を勝手に業者に切らせる(承認なし)
 ・管理人の就業時間を勝手に変更する(承認なし)
 ・ラウンジで子どもたちが遊ぶのを禁止する規約を作ろうとする(承認なし)

 など、おかしなくらいに勝手に話を進めるのだ。
 私も都度、コトバを強く指導したのだが、聞く耳を持たない。
 ここまでヒドイ年齢の重ね方をしてきた「老害」には出会ったことが無かったので、正直驚いた。

 私だけではない。
 マンション居住者たちの多くは、不審におもっていた。

 最終的には、私(理事)の知らないところで、マンション居住者に対し、さまざまなことを居住し、「理事会の決定だから~」と嘘八百を述べ、スキ勝手に行う始末だった。

 本日、1年の総括である管理組合の総会。
 その「老害」は、なおも自分に都合のいいようにするための議案を3本用意していた。

 私だって、黙ってみているわけはない。
 数週間かけ、多くの居住者に話をし、本当の気持ちを聞いていた。
 総会がはじまると、その「老害」は当然のようにふんぞり返り、あたかも自分が理事長のようにふるまっていた。


 総会の議決が下る。
 「老害」の議決は3本とも否決。
 さらに今後、「老害」が理事会に関わることを禁止することを「承認」した。
 マンション居住者の総意である。

 挙動不審の「老害」は、受け入れられないといったようだったが、渋々、総会が行われているラウンジを後にした。

 どんな組織においても、その立場をりようして、他者を強要・強迫することは許されない。
 さらにその組織を私物化すると、いつの日にかしっぺ返しを食らうのは必然だ。

 組織は何のためにあるのか?
 それをしっかりと考えなければ、オワコンだ。

 あなたの所属する組織はどうだろうか?
 そして、あなた自身はどうだろうか? 

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