#05 孤独にはじめたKindle出版
転々・転機は突然に(パートⅡ)(2023年1月)
突然のスペース(X上の音声配信)登壇と、コミュニティ参加って、あなたは考えられる?
ある夜、執筆に疲れた私はスマホでXを起動した。
そこで、たまたま「Kindle」と冠するスペースが開かれていた。
スペースとは、X上で繰り広げられる音声配信だ。
そこでお話をしていたのは、Kindle作家さん達。
私がKindle本のレビューをしたいわば「有名Kindle作家さん達」がそこにいた。
当時の私からすれば、スター作家。
黎明期である2021年からKindle出版をはじめた、この界隈を牽引する作家さん達が楽し気にお話をしていたのだ。
私は羨望を抱きつつ、何気なく、そのスペースを聞いていた。
「あぁ……、いつかは私もこの人達みたいに有名になりたいな……」
そんな叶うかもわからない想いを馳せ、執筆をしながら耳をそばだてていた。
すると……。
「あ、白明さん! 上がって! 話そう!!」
……戦慄である。
超有名なKindle作家さんからご指名を受けたのだ。
先日、その方のご著書をレビューしたばかりだった。
タイプする指が震え、初冬であるにも関わらず、額から汗が流れる。
手を止め、恐る恐るスピーカーボタンを押す。
有名Kindleコミュニティのリーダーに名指しされ、はじめてのスペース登壇。
もう、スペース中は必死で、緊張で声が震え、何を話したのかさえ覚えていない。
ただ、聞かれたことに必死だった。
話し終えた後、私は放心状態だった。
当時、今をときめく有名Kindle作家さんと話せたのだ。
興奮が冷めやらず、翌日の出勤に響いたことは言うまでもない。
翌日、出勤中の電車の中でXを開く。
なんと、有名作家さんからDMが送られてきており、有名Kindleコミュニティへの招待状が届いていた。
迷わず、コミュニティに入会。
そこには今をトキメク作家さんが大勢在籍し、多くの有料情報が飛び交う。
新参者であっても優しくしてくれる雰囲気がそこにはあった。
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出逢いと、きっかけは、突然に。
それが、このSNSの特徴なのだろう。
そんなことがあって、私は今、まだ、ここにいる。
何が起こるかわからない。
そして、翌週には私の出版したKindle本は今までにないくらいの売り上げを上げた。