リンパ浮腫に関する保険改正がありました

速報

リンパ浮腫に関する保険改正がありました。

リンパ浮腫予防指導について

これまでは、算定要件には病名が限定列挙されていました。

次年度より骨盤内リンパ節、腋窩リンパ節、鼠径リンパ節を郭清した悪性腫瘍術後の方、原発性リンパ浮腫の方と、対象が拡大しました。

これまで泌尿器科腫瘍でも前立腺がん術後と限定されていましたが、前立腺がんよりリンパ浮腫発症率の高い膀胱がんや陰茎がん、消化器系でも骨盤内リンパ節郭清を行った方、メラノーマの術後の方などにも、リンパ浮腫の情報を得る機会があります。

リンパ浮腫治療管理料について

また治療管理料に関しても、リンパ浮腫予防指導に、準じて、病名ではなく、骨盤内、腋窩、鼠径のリンパ節郭清術を受けていること、原発性リンパ浮腫の方が対象となりました。

これまで原発性リンパ浮腫の方は保険による治療機会が無く、大変な思いをされていた方も多かったと思いますが、少しずつ治療環境が改善されてきていますね。

治療管理料を行うための施設基準の厳しさがあり、全ての医療機関が保険によるリンパ浮腫診療を行うには難しい事情があったり、乳がんのセンチネルリンパ節生検術後の方、頭頸部領域の方、肉腫の術後のリンパ浮腫の方は対象外?、病状が進行してリンパ節への転移や再発の方、放射線治療の後の方、弾性着衣の算定要件に入らない方はどうか?など気になる点も多々ありますが、このリンパ浮腫に関する保険制度が良い方向に育っていることがとても嬉しいです。

一日でも早く、日本全国に広がります様に。

追記 2020/02/07 14:42

重症の基準も変わりました。 

リンパ浮腫治療学会(日本癌治療学会HP)
現在は病期分類II後期以降の状態を重症とされています。
改正後は、病期分類II期以降の状態が重症とされます。

安静にしてもリンパ浮腫が改善しない状態(II期)はこれまで半年に一度の受診とされていましたが、次年度より医師の診断で、今より手厚い対応が必要と判断されれば、対応いただける機会が増えます。

全ての方にリンパドレナージが必要か?というのは、医師の診断や担当者、ご本人の状態にもよりますが、医療機関での対応を受けやすくなる様に思いますし、今より対応できる医療機関が増えていきます様に。

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2020年02月23日 リンパカフェ@おおさか

2020年05月23日 World Lymphedema Day2020