さよなら夏 2022
あまり物事に執着のない人間のようで
われながら、呆れます。
喜怒哀楽は、あるにはあるのですが
きのうまでそこにあった何かを失って
胸が詰まったり、歩くちからが抜けたり
するのですが、
はたしてその感覚が、
どれほど確かなのかと自分に訊いてみると
さいごには、あいまい、の一言に行き着きます。
ぼくというやつが、ここにいるということ。
もしかしたら、ぼくが思っている以上に
そんな現象に執着はないのかもしれません。
(ここってそもそも、どんな場処なのでしょう)
ダウナーですね。
夏ですからね。
消えていくものの輪郭が
最もくきやかに立つ季節でした。
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夏の一季節を俳句にしました。
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一頭の蝶斃れゆく夏初め
ひめぢよをん予感のとほりきみさりて
声やさし息つぎやさしさみだるる
今も空を跳べさうな脚蟻が曳く
爆撃がこわくて殺めました蝉
蟻もはやリングワンダリングの油照
花頭窓世は美しの百日紅
夏果てのひかりを食みて魚沈む
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