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おさんぽ俳句「日傘」

小学館が刊行した豪華版歳時記、
『日本の歳時記』(2012年刊)によると
江戸時代は男性も日傘を差していたそうです。

僕は日傘を差しまーす!
紫外線アレルギーなので。
日傘男子という言葉が登場する前から、
人目を気にせず(いや気にしてる)差しています。

先日の日曜日のことです。
薄曇りのなか、日傘を差して散歩をしていました。
むこうから自転車で、ちびっこ男子が3人やってきます。
僕の傘を見てすれ違いざまに言いました。

「雨ふってる?」
「降ってなーい」

ちびっこ達は「ヘンなおじさんがいるぅ」と思ったことでしょう。
おじさんは心の中で答えましたよ。

「君たちも早く、日傘の良さが分るようになるとイイね」

ぷーん、だ。

江戸時代以降も、日傘男子の風習は若干残っていたようですよ。
武者小路実篤の小説「世間知らず」(明治45年)に次のような一文がありました。

自分は…(中略)…何時も粗末な傘を大事そうに持っている。日に頭をてらされると困る自分はそれを日傘にもつかっているのだ。そうして前こごみに歩いている。C子にいつか「一緒に歩いていると気まりがわるいだろう」と云ったら、「いいえちっとも」と言った。しかし自分は気まりがわるいはずだと思っている。


……ダサ系男子じゃん。


     白日傘ゆるされずして帰途長し     梨鱗


(なんか、すごく深刻な心理状態の句になっちゃった)


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