つばめLOVE
今住んでいる町に引っ越したとき
燕が多いところだなあ、と思いました。
町に田んぼがあるので、食べ物にこまらないのでしょう。
春もたけなわの頃は、田植え前の泥の田へひっきりなしに下りて来ます。
細見綾子さんのあの句を思い出します。
つばめつばめ泥が好きなる燕かな 細見綾子
僭越ながら、本歌取りを。
つばめつばめ風の澄みたる町に越し 梨鱗
細見さんも、泥遊びする燕をかわいらしいと思ったに違いありません。
ということで、今回は僕の「燕愛特集」(あちゃー)です。
泥遊びと言いましたが、産卵のため巣の材料を集めています。
4月ごろに卵を生めば、雛が巣立つのは初夏。
美しきもの見る眸でわれを燕の子
子燕は空この手よりたつやうに
空行く様は「夏燕」と呼ばれる時季に重なります。
早引けの頬の後より夏燕
そんなふうに身近で暮らしていた燕にも、
ふっつりと見かけなくなる時が来ます。
秋になると南へ帰ります。
渡り鳥となって群れ帰る姿を見た訳ではないので、
もう南下したのかな、と推察するしかありません。
身を絞り一羽の帰燕太陽へ
燕さん、
また来年、会いましょう。
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つけたし。
今日(10/18)河原に行ったら、いつもならたくさん飛び交っている燕がいませんでした。先週はまだ飛んでいたので、この一週間のあいだで帰って行ったのですね。