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「毛玉だらけのニット帽子」

 金山亜衣、30代スーパーで、日用品部門で働いて
ます。仕事は短時間なのに、仕事が多くて、
20歳上の安藤さんに、いつも、助けてもらってます。


「安藤さーん、商品発注してたら、機械また、おかしくなっちゃって。どうしたら、いいの?」


仕方ないという顔をしながらも、

「はい。どこか、変なところ押したんだと、
思うよ。こういうときは、元に戻すを押して、
  通りにしていけば、いいから。」


アナログ人間の私は、正直、機械を触って、故障させないかと、不安ばかりだ。しかも、パソコン作業も
苦手で、安藤さんに甘えてしまう。

 お客様から商品の場所を聞かれたり、そういうのは、楽しいんだよなぁ。

 日用品部門は、4人でやってるが、各々細かく分かれてる。

 その中で唯一、プライベートでもお互い、休みが合うと、安藤さんとは、ショッピングしたり、お茶したりと、仲良くさせてもらってる。

 そして、これからも、そんな日々が続くと、思ってた。

 しばらくして、彼女が病院に通院してることを
聞かされた。病名は、癌だった。


 度々、休むこともあったが、副作用で、髪の毛が
薄くなり、明らかにカツラだと分かるものを被って出勤するようになってきた。

 その頃には、一緒に遊びに行くと、スキンヘッドにニット帽子を被ってて、前より暗い表情が増えてきた。

 たまに、職場の人に、
「カツラ被ってまで、仕事に来るなんて」と、ヒソヒソと、言われると、悲しげに言ってきた事がある。

 なるべく、休みの合う度に、嫌な事を忘れて欲しくて、遊んだ。

 毎回被ってくる毛玉だらけの白いニット帽子、
私の好きな服屋さんで、熱心に、様々なニット帽子を吟味している彼女に、
  「買わないの?」と聞いたら、
  「今回は、辞めとこうかなぁ。」と、言った。

明らかに気に入ってるのを、何度も被ってる姿を見てたから、隙を見てサプライズする事にした。

 カフェでランチする時に、タイミングを見計らって、帽子をプレゼントしたら、とても喜んでくれた。

 それから、しばらく経って、長期の入院する為、
仕事を休むと上司から聞いた。


そこから、出来るだけ、お見舞いにも行った。
働いてた人達で、仲が良かった人も誰も病院に来ないと、寂しそうに、言ってた事もあったが、私が行くと、とても、喜んでくれた。


 しばらくそんな日々が続いて、仕事でヘトヘトで、明日休みだから、お見舞いに行く事を彼女に電話
した。

 今日は、本当は病院に行きたいが、身体が動かない。明日行くって約束したから。

 昨日体調悪そうだったけど、大丈夫なのかなあ?と、10時過ぎに、病室に、なのに、ベットの布団は、
畳まれていて、本人もいない。

 嫌な予感がして、看護師さんに聞いたら、昨日の夜遅く亡くなったと、言われた。

 前日、私が病院に行ってたら?と、何度も後悔しながら、泣いた。


その足で、働いてるスーパーで、割と話す薬剤師の
伊藤さんの前で、
 「安藤さん、昨日亡くなったんだって、今日、病院に
  行ったら、何にもなくてね…」
話してる間に、また、涙がぽつりぽつりとでて、
泣いていた。


 仕事場では、どんなに辛くても泣かないと決めていたのに…彼女の具合が悪いと感じたあの日、病院に 行っていれば、
後悔が何度も何度も、押し寄せてくる。

 伊藤さんは、「そうかぁ。亡くなったんだね。」
と、それ以上何も言わなかった。

 せっかくの休みなのに、プライベートで、毎回、
私の買ってあげたニット帽子を被って、微笑む笑顔が
思い出される。


 しばらく、誰とも会いたくないのに、明日から仕事かぁ。ここまで、仲良くなった人いなかったから…

 空虚感が押し寄せる。それでも、空元気ながら、
明るく振るまいながら、日々を過ごした。

 しばらく経った頃、1人で、アウトレットに何気に
行きたくなった。買い物は、楽しいけど、2人で過ごした日は、もっと、楽しかったなぁ。と、…

 あるお店で、彼女にあげた似たニット帽子を見つ 
けた。何色かあったんだけど、普段選ばない同じ
白色を気がつけば、購入してた。


 今、着ている服に似合ってたから。それに、身近に彼女の存在が近くに感じて、ほっこりとした気持ちになった。


 大丈夫だよ。君の分まで生きるから。
心の中には、いつも、笑顔の君がいる。


強く胸を張って、どんな時も歯を食いしばって笑ってやるからね。心で呟きながら、空を眺めた。


 ※ 自分の体験談も含め、小説をnoteに書きました
  た。癌で亡くなった人とは、死に目に会えなく
  て、後悔しました。

  悔いの残らないように、行動してほしいと、
  小説もどきを書きました。

 彼女は、私にとって、特別な存在だった。
永遠はないかもしれないけど、心には思い出が、
焼きついている。

 アイブのウォニョン、K-POPアイドル、完璧主義の彼女、アンチも多いけど、プロ意識の高い人です。
この歌は、作詞作曲彼女が手がけたものです。
 光には、影が必ずある。それでも、夢を与えてくれる彼女に、感謝を伝えたいです。





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