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日本の司法機関のだらしなさ

死因究明の不徹底という

日本の司法問題の深刻さを取り上げた

記事を朝日新聞のWeb版で拝見した。

https://webronza.asahi.com/judiciary/articles/2021112800001.html


日本のテレビドラマではこれまでも

法医学教室で遺体の検死解剖を通して

いかにして被害者が死に至ったのかを

探り当てる内容のものが数多く制作され

比較的馴染みの多いテーマだ。


しかし

現代日本で行われる司法解剖率は

事件全体の10%程度に留まることを

知っている人は多くはないはずだ。


そして

残りの90%は現場に臨場する捜査員ら

の手による『調査』で「事件性なし」と

判断されたものだ。


記事の中で問題視している点の一つ

としてこの『調査』(死体見分)と呼ぶ

状況証拠を挙げる手続きだけをもって

「事件性の有無」を決定することだ。


記事では次の3つの手続きについて

死体の取り扱い方で説明されているが

以下に司法の手続き内容に表現を変えると

調査:身元や現場状況から事件性の有無を見分ける

検視:死体にて事件の痕跡の有無を見分ける

実況見分:解剖を行い死因を特定する。

と表現することができる。


さて

先ほど『調査』で挙がった状況証拠のみで

事件性の有無を判断していると記したが

本来であれば

死体にこそ事件の直接的な痕跡(死因)が

遺されていると誰もが想い至ることであり

それすなわち

死体について詳細な調査がなされない

ばかりか

事案が起きた過程など残されることもなく

結果としてそこにある現場の状況だけで以て

事件性の有無を判断していることを意味する。


ここで過去に拝聴した刑事ドラマの

あるいち場面を思い出した。

主人公の刑事が被疑者の立件を急ぎ

逮捕状を請求しようにも状況証拠のみで

物的証拠探しに躍起になるシーンだ。


ここで焦点に当てたいのが

事件の被疑者を立件するには物的証拠が

不可欠だという点だ。


では翻って死体の事件性判断はどうか?

さきほどの説明の通りに状況証拠で

なされているのだ。


この二点を並べて比べると

司法のダブルスタンダードが見えてくる。


記事で触れられている通りに

たしかに法医や法医学教室が不足する

現況が司法解剖の機会を抑制するという

側面もあろうとは想う。


しかし

そもそもそうしたリソーセスを

今日まで拡充する機会を与えなかった

検視や解剖の判断を行ってきた

司法機関の活動や運営そのものにこそ

日本の司法機関の怠慢が認められ

司法判断にダブルスタンダードを

生んだ根本原因ではないだろうか。





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