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テクノロジーによる国民の監視は幸福を呼ぶか?

Yahoo!ニュースで目にした昨日のBBCの以下の記事
「「1メートル離れて」、ロボット犬が混雑状況を監視 シンガポールで実証実験」
にあった動画を観て、戦慄を覚えるとともに複雑な気分になった。

Boston Dynamics社が開発し続けているロボット群の中で
ここ最近の動画によく登場するSpot Dogだ。
これがまたコミカルな動きを見せて愛嬌を振りまいているが
市街地で監視活動を行っている姿はそれとはかけ離れている。

※画像をクリックするとBBCの当該記事が別ウィンドウで開きます。

私自身が職業エンジニアということもあって
Boston Dynamics社の動向には時折気を付けて観ていたし
パルクール(空中バク転など)をやる人型ロボットの姿なども
何度も動画で観ながら技術力の高さに驚嘆していた。
が同時にこれらがどのような運用に使用されるかを考えると
不気味さを感じずにはいられなかった。

実際、動画の中にはロバスト性を実験する場面があり
そこでは荷物を抱えているロバ型のロボットの脇腹あたりを
実験担当者が強く足蹴りしてよろめかせたりしたりする。
また道なき山登りを行わせたりしているところなども含まれ
その姿の延長には軍事目的の運用がちらつく。

実は日本でも一時はロボット開発が脚光を浴びていたが
ここ最近は目立ったニュースを見ることはない。そうした状況が
世界の開発競争から日本が遅れを取っていると視る向きもある。

さて、ロボットから少し離れて
今度は監視社会について少し触れてみたい。

実は日本も相当数の監視カメラの設置が増え続けている。
コンビニやJRなど人の往来の多い場所に設置されているが
導入時に謳われるのは”防犯”なのだ。

そこへこうした監視カメラの映像がひとたび犯罪現場を
映し出すとメディアはこぞってこの映像効果を喧伝し始める。
しかしこの監視カメラそのものの効能については何も触れず
暗に監視カメラの設置の正当性をミスリードしているとも
言われている。

しかし一方でこうした監視カメラ網で撮影された映像がネットを
通してビッグデータとしてAIに送られたのちに意味づけや解析
が特に中国では行なわれるという。そこで行われたアンケートでは

テクノロジーによる監視に質問回答者の9割以上が幸福感を得ている
とも言われているのだ。

ICT(情報コミュニケーション技術)が5G時代の到来によってさらに
猛烈は速度と膨大なデータ容量の伝送を実現しつつある現在において
従来からの人手による不確実な手段から、テクノロジーによる確実性の
高い手段への移行は社会や経済の発展性を考えると喫緊の課題であり
市民社会と公益・公共性とのバランスについて議論を深める必要がある。

今回のBoston Dynamics社のSpot Dogによる監視についても同様だ。
ソーシャル・ディスタンスを人が意識して行動できるようになるまでには
まだまだ時間がかかることでもある。

そして人による監視では新型コロナのクラスター感染リスクも伴うことは
自明の理である。
これらを考慮すると確実に安全な方法で国民へ啓蒙していくためには
テクノロジーに頼ることが最も合理的だ。

ロボットにせよAIにせよ監視カメラにせよ
透明性を担保したテクノロジーを基盤とした構想や計画が必要なこと。
そしてそれを国民が信頼・信用できるように啓蒙されることが何より
テクノロジーによる監視社会を国民にとって幸福に繋がるものにする
には不可欠であるだろうことを学ぶキッカケになった。

と以上で話を結ぼうとも思ったのだが
監視社会をテーマにしているアニメ「PSYCHO-PASS」を思い出した。
考えてみれば現在進行している社会情勢はこのアニメで語っている。
実はこうした映像作品は新たな社会への適応を促進させる役割を
与えられているのではないか?と勘ぐってしまう。
何せ現実化した時に受ける衝撃(ショック)を和らげる効果があるし
何より受け入れさせる準備を観たものにさせておけるわけだ。
一種のプロパガンダといっても差し支えないように思える。

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makefrontier
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