スピッツ歌詞考察(第84回)遥か
【基本情報】
遥か
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗 編曲:スピッツ&石田小吉
4分21秒
<リリース日>
2001年5月16日(23rdシングル)
<収録アルバム>
三日月ロック(2002年9月11日リリース 10thオリジナルアルバム)
※album mix
CYCLE HIT 1997-2005 Spitz Complete Single Collection(2006年3月25日リリース)
CYCLE HIT 1991-2017 Spitz Complete Single Collection -30th Anniversary BOX-(2017年7月5日リリース)
<タイアップ>
TBS系ドラマ 東芝日曜劇場『Love Story』主題歌(2001年4月15日~6月24日)
【MUSIC VIDEO】
【歌詞】
歌詞は下記のサイトでご確認いただけます。
【考察】
夏の色に憧れてた フツウの毎日
流されたり 逆らったり 続く細い道
開放的な夏の景色に憧れてた平凡な毎日。
流されたり逆らったりしながら地味に生きてきた。
君と巡り合って もう一度サナギになった
嘘と本当の狭間で 消えかけた僕が
理想と現実の狭間で自分らしさを見失っていた“僕”が、“君”と巡り合ってもう一度生まれ変わるチャンスをもらった。
登場人物は、“僕”と“君”です。
“僕”は夏になったら彼女と海に行ってピンクのまんまるを見たり、彼女と花火を見て浴衣の袖のあたりから漂う恋のリズムを味わったり、彼女とプールで夏蜘蛛になったりすることに憧れていました。
しかし現実にやってくるのは平凡な毎日で、自分を見失いそうになっていました。
そんな時に“君”と出逢い、イチからやり直すチャンスを手に入れます。
思い出からツギハギした 悲しいダイアリー
カギもかけず 旅立つのは 少し怖いけど
悲しい思い出をかきあつめた過去の記憶に、カギもかけず生きて行くのは少し不安だけど・・・
どうやら“僕”には、悲しい過去があるようです。
そしてそれを隠さずに生きて行くのは、少し怖いそうです。
ではいったい、どんな悲しい過去があるのでしょうか。
①大恋愛の末に彼女と別れた(あるいは妻と離婚した)
②彼女(あるいは妻)を亡くした
③未だに童貞
④多額の借金がある、前科持ち等、人には言えないような秘密がある
①と②の場合は、まだ未練が残っていて、純粋に“君”のことだけを見る自信がないという怖さです。
さらに、また同じようなことが起きて“君”を失うのではないかという怖さかもしれません。
③の場合は、恥ずかしさからくる怖さと、嫌われないかという怖さです。
④の場合は、単純にバレたらヤバいという怖さです。
丘の上に立って 大きく風を吸い込んで
今 心から言えるよ ニオイそうな I love you
丘の上に立って、大きく風を吸い込んで、今なら心からの「I love you」を言えるよ。
ニオイそうなくらいクサいセリフだけど。
①~④のどれかはわかりませんが、悲しい過去があったとしても、“君”となら隠すことなく生きて行ける。
そして、心から「愛してる」と言えるよ、ということです。
すぐに飛べそうな気がした背中
夢から醒めない翼
背中に翼が生えていて、すぐに飛べそうな気がした。
夢から醒めない限り、背中には翼が生えている。
時の余白 塗り潰した あくびの後で
「幸せ」とか 野暮な言葉 胸に抱いたままで
退屈を味わった後で、失われた時間を塗り潰すように記憶から消した。
「幸せになりたい」とかいう野暮ったい言葉を胸に抱いたままで。
崩れそうな未来を 裸足で駆け抜けるような
そんな裏ワザも無いけど 明日にはきっと…
崩れそうな未来をノープランで駆け抜けられるような、そんな裏ワザみたいな根性は持ってないけど、明日にはきっと手に入れてみせる。
僕らそれぞれ 仰ぎ見る空
夢から醒めない翼
“僕ら”それぞれ思い描く未来があり、その夢から醒めない限り、背中には翼が生えている。
飛べそうな気がした背中
夢から醒めない翼
背中に翼が生えていて、どこへでも飛べそうな気がした。
夢から醒めない限り、背中には翼が生えている。
それぞれ 仰ぎ見る空
夢から醒めない翼
それぞれ思い描く未来があり、その夢から醒めない限り、背中には翼が生えている。
遠い 遠い 遥かな場所へ
遠い、遠い、遥かな目標に向かって飛んで行く。
“僕”にとっての「遥かな場所」とは、“君”との未来です。
そして背中に「夢から醒めない翼」が生えていて、たとえどんなに「遠い遠い遥かな場所へ」でも「飛べそうな気がした」今なら、「ニオイそうな I love you」も“君”に届いてきっとうまくいくと感じています。
つまり「夢から醒めない」限り、「きっと今は自由に空も飛べるはず」ということですね。
いや、「醒めない」と「空も飛べるはず」やないかい!
というわけで、「死」からの「生」がテーマの曲でした。
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