スピッツ歌詞考察(第104回)アパート
【基本情報】
アパート
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗 編曲:スピッツ
3分12秒
<リリース日>
1992年9月26日(3rdオリジナルアルバム「惑星のかけら」)
<収録アルバム>
惑星のかけら(1992年9月26日リリース 3rdオリジナルアルバム)
【MUSIC VIDEO】
【歌詞】
歌詞は下記のサイトでご確認いただけます。
【考察】
君のアパートは今はもうない だけど僕は夢から覚めちゃいない
一人きりさ 窓の外は朝だよ 壊れた季節の中で
“君”が住んでいたアパートは、今はもうない。
だけど“僕”は、まだ“君”がそこに住んでいるかのように感じている。
“僕”は一人きりになった。
その頃のことを思い出すと夜も眠れず、窓の外はもう朝になっていた。
二人の関係が壊れてから、いくつもの季節を過ごしてきた。
誰の目にも似合いの二人 そして違う未来を見てた二人
小さな箱に君を閉じ込めていた 壊れた季節の中で
友人やご近所さんから、お似合いのカップルだと言われていた二人。
でも実際は、足並みがそろっていなかった二人。
“君”のことを束縛して、自由を与えていなかった。
二人の関係が壊れてから、いくつもの季節を過ごしてきた。
そう 恋をしてたのは 僕のほうだよ 枯れていく花は置き去りにして
いつも わがまま 無い物ねだり わけも解らず 青の時は流れて
そうさ、最後まで恋をしていたのは“僕”のほうだよ。
いつもわがままを言って、“君”への配慮が足りなかった。
なのに“君”のことを必要としていた。
なぜ“君”が去ったのか、理解できなかった。
そんな未熟だった“僕”も、時は流れて今なら解る。
そう 恋をしてたのは 僕のほうだよ 枯れていく花は置き去りにして
いつも わがまま 無い物ねだり わけも解らず 青の時は流れて
君のアパートは今はもうない だけど僕は夢から覚めちゃいない
一人きりさ 窓の外は朝だよ 壊れた季節の中で
登場人物は、“僕”と“君”です。
二人は誰の目から見てもお似合いなくらい仲睦まじいカップルでしたが、徐々に関係が壊れていきます。
“僕”は“君”に恋していて、もちろん“君”も“僕”に恋していますが、“僕”の気持ちが重くなっていくにつれて束縛や要求が激しくなり、“君”の気持ちを蔑ろにすることが増えてきました。
“君”はこのまま“僕”と結婚することも視野に入れていましたが、“僕”のわがままで身勝手で無い物ねだりな性格を垣間見るうちに、徐々に気持ちが離れていきます。
こうして二人の間に温度差が生じることになるのですが、“僕”はまだ未熟だったが故に、“君”が夢から覚めていっていることに気づきませんでした。
何度も足を運んだ思い出のアパート。
“僕”はまだこの街で一人ぼっちの生活をしているので、アパートのあった場所を通ることがあります。
そこにはもう“君”がいませんが、“僕”はいまだに“君”と過ごしたいくつもの季節を忘れられずにいます。
青春時代の切ない恋の歌で、テーマは「性」と「死」と「生」でありながらも、「性」と「死」と「生」ではないような感じもします。
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