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スピッツ歌詞考察(第71回)YM71D


【基本情報】

YM71D
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗 編曲:スピッツ&亀田誠治
4分7秒

<リリース日>
2019年10月9日(16thオリジナルアルバム「見っけ」)

<収録アルバム>
見っけ(2019年10月9日リリース 16thオリジナルアルバム)

【MUSIC VIDEO】

【歌詞】

歌詞は下記のサイトでご確認いただけます。

【考察】

誰かと一緒にいたいけど 誰でもいいわけじゃなく
演じてた君に恋して 素の君に惚れ直して

誰かと一緒にいたいけど、誰でもいいわけじゃない。
人前で見せる“君”の姿に恋をして、素の“君”を知ってさらに惚れた。

平和だと困る街 駆け抜け
新しいヨロコビが ここにある

騒がしくあってほしい街を駆け抜け、新しいヨロコビを感じている。

「ヨロコビ」がカタカナになっているのは、「喜び」「歓び」「悦び」のどれともとれるようにするためでしょう。
「喜び」は、一般的な嬉しい出来事があったときに使います。
「歓び」は、歓声を上げるような出来事があったときに使います。
「悦び」は、自分が嬉しいとき以外に、他人を喜ばせたときにも使います。
ここでは「悦び」がいちばんしっくりくるような気がします。

やめないで 僕らまだ 欠片すら 手に入れちゃいないさ
初めては 怖いけど 指と指 熱を混ぜ合わせよう
uh… uh…
この関係をやめないでほしい。
“僕ら”はまだ幸せの欠片すら手に入れていない。
何だって初めては怖いけど、指と指をからませて熱を感じよう。

反則の出会いなんだし 目立たぬようにしてたけど
きまじめで少しサディスティックな 社会の手ふりほどいた
出会ってはいけない二人だから隠れてコソコソとしてたけど、生真面目で少し厳しい社会の目にさらされてみた。

言霊を信じれば 開けるでしょ
王様は裸です!と 叫びたい夜

公言することで未来は開けるでしょ。
本当のことは堂々と叫びたい夜。

やめないで 長すぎた 下りから ジャンプ台にさしかかり
マグレにも 光あれ どこまでも 跳べるはずさ二人
uh… uh…
この関係をやめないでほしい。
長すぎた下り坂から今ようやくジャンプ台にさしかかり、上昇しようとしているところだから。
マグレでもいいから希望を持とう。
二人ならどこまでも幸せになれるはずだ。

平和だと困る街 駆け抜け
新しいヨロコビが ここにある
やめないで 僕らまだ 欠片すら 手に入れちゃいないさ
初めては 怖いけど 指と指 熱を混ぜ合わせよう
uh… uh…
騒がしくあってほしい街を駆け抜け、新しいヨロコビを感じている。
この関係をやめないでほしい。
“僕ら”はまだ幸せの欠片すら手に入れていない。
何だって初めては怖いけど、指と指をからませて熱を感じよう。

「反則の出会い」というワードから、どうやら二人は不倫関係にあるようです。
許されない恋であることを承知の上で“僕”が積極的に“君”を誘い、これからまさに事が始まろうとしている情景が浮かびます。
スピッツにしては珍しく淫靡なイメージが漂う、「性」がテーマの曲です。

街が「平和だと困る」のは、平穏であればあるほど、自分達の悪事がより目立つような気がして、罪悪感を抱えてしまうからです。
「きまじめで少しサディスティックな社会の手ふりほどいた」は、そんな罪悪感を振り払うため、厳しい批判を受けてもいいから堂々と交際宣言したいということでしょう。

草野マサムネ氏曰く、山下達郎の「SPARKLE」のような曲が作りたくて作った曲で、仮タイトルは山下達郎の頭文字を取って「Y&T」だったそうです。
また、タイトルの「YM71D」の読み方は、「ワイ・エム・ナナ・イチ・ディー」でも「やめないで」でもどちらでもいいとのこと。
まぁ、歌詞で「やめないで」と言っているので、「やめないで」なんでしょうけどね。

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