スピッツ歌詞考察(第94回)胸に咲いた黄色い花
【基本情報】
胸に咲いた黄色い花
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗 編曲:スピッツ
3分24秒
<リリース日>
1991年11月25日(2ndオリジナルアルバム「名前をつけてやる」)
<収録アルバム>
名前をつけてやる(1991年11月25日リリース 2ndオリジナルアルバム)
【MUSIC VIDEO】
【歌詞】
歌詞は下記のサイトでご確認いただけます。
【考察】
月の光 差し込む部屋
きのうまでの砂漠の一人遊び
胸に咲いた黄色い花 君の心宿した花
月の光が差し込む部屋で、きのうまで“僕”の心は砂漠のように乾ききっていて、一人Hをしていた。
でも今の“僕”の胸の中には、幸福の黄色い花が咲いている。
それは“君”の心を宿した花。
このまま僕のそばにいてずっと
もう消えないでね
乾いて枯れかかった僕の胸に
このままずっと消えずに、“僕”のそばにいてね。
乾いて枯れかかった“僕”の胸の中で咲き続けていてね。
鉄の扉こじ開けたら
僕を変える何かがあると聞いた
君と笑う みんな捨てて
街の音にもまれながら
“僕”の頑固な性格を直せば、人生が変わるような出来事が起こるかもと言われた。
頑固さを捨てて、街に出て“君”と笑い合った。
このまま僕のそばにいてずっと
もう消えないでね
乾いて枯れかかった僕の胸に
このままずっと消えずに、“僕”のそばにいてね。
乾いて枯れかかった“僕”の胸の中で咲き続けていてね。
弱く輝いている 宵の螢のように
どこへ流されていく 黄色い花
宵の螢のように弱く輝いてる幸福の黄色い花は、どこへ流されていくのか。
時の淀み 行く手を知り
明日になればこの幻も終わる
胸に咲いた黄色い花 君の心宿した花
“君”の行く末を知り、時が止まった。
明日になれば、この幸せな時も終わってしまう。
でも“僕”の胸の中には、幸福の黄色い花が咲いている。
それは“君”の心を宿した花。
このまま僕のそばにいてずっと
もう消えないでね
乾いて枯れかかった僕の胸に
このままずっと消えずに、“僕”のそばにいてね。
乾いて枯れかかった“僕”の胸の中で咲き続けていてね。
登場人物は“僕”と“君”です。
“僕”の心は砂漠のように乾ききっていて、毎晩一人で慰める生活をしていました。
しかし“君”と出会ってからは毎日が楽しくて幸せで、胸に幸福の黄色い花が咲いたような気分でした。
“僕”は“君”に、このままずっと消えずにそばにいてほしいと願います。
時が経ち、“僕”は“君”の異変を感じます。
「弱く輝いている 宵の螢のように どこへ流されていく 黄色い花」
胸に咲いた黄色い花が、宵の螢のように輝きが弱くなっているように感じたのです。
“僕”は“君”がどこかへ流されているのではないかと不安になります。
そして物語は急展開を迎え、明日には“君”の命が尽きることを知ります。
そうなると、幸せな時も終わってしまいます。
「胸に咲いた黄色い花 君の心宿した花 このまま僕のそばにいてずっと
もう消えないでね」
この幻を終わりにしたくない“僕”は、せめて“君”の心を宿している幸福の黄色い花だけは消えないよう、胸に咲かせ続けたまま生きていくことを決意するのでした。
「死」と「生」がテーマで、ちょっぴり「性」の要素も入っている、初期のスピッツらしい曲でした。
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