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スピッツ歌詞考察(第95回)砂漠の花
【基本情報】
砂漠の花
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗 編曲:スピッツ&亀田誠治
3分37秒
<リリース日>
2007年10月10日(12thオリジナルアルバム「さざなみCD」)
<収録アルバム>
さざなみCD(2007年10月10日リリース 12thオリジナルアルバム)
【MUSIC VIDEO】
【歌詞】
歌詞は下記のサイトでご確認いただけます。
【考察】
砂漠の花の 思い出は今も
僕の背中をなでる 生きていく力をくれたよ
心が渇ききった時に出会った“君”との思い出は、今も“僕”の背中をなでるように生きていく力を与えてくれたよ。
君と出会えなかったら
モノクロの世界の中
迷いもがいてたんだろう
『あたり前』にとらわれて
“君”と出会えていなかったら、今も彩りのないモノクロの人生を迷いもがいていただろう。
そしてそれが『あたり前』と感じていただろう。
はじめて長い 夢からハミ出す
考えてやるんじゃなくて 自然にまかせていける
“君”と出会ってはじめて、長い夢のような時間があふれ出した。
意識して考えるんじゃなく、自然体でいられる。
砂漠の花の 思い出は今も
僕の背中をなでる 生きていく力をくれたよ
心が渇ききった時に出会った“君”との思い出は、今も“僕”の背中をなでるように生きていく力を与えてくれたよ。
ずっと遠くまで 道が続いてる
終わりと思ってた壁も 新しい扉だった
砂漠の花の 思い出を抱いて
ひとり歩いていける まためぐり会う時まで
“僕”の人生はまだまだずっと続く。
もう終わりだと思ってた壁も、実は新しい扉だった。
“君”との思い出を抱いて、一人で生きていける。
また“君”とめぐり会う時まで。
登場人物は“僕”と“君”で、“僕”は“君”のことを“砂漠の花”と形容しています。
何の味気も色味もない人生を歩み、心が砂漠のように渇ききっていた“僕”が、“君”と出会ったおかげで華やかな人生に変わり、“僕”にとって砂漠に咲いた一輪の花だからです。
しかし「砂漠の花の思い出は今も」とあるので、“僕”にとって“君”は思い出の存在であることがわかります。
では、なぜ思い出なのか。
それは、“君”がこの世を去ったからです。
“君”の「死」で、“僕”の人生も終わるものだと思っていました。
しかし“君”との思い出は、“僕”の背中を優しくなでるように後押ししてくれて、生きていく力を与えてくれました。
そして“僕”はこう感じます。
行き止まりだと思っていた大きな壁も、実は新しい扉で、その先にまだ道が続いていた。
これからは一人で歩んでいく。
輪廻転生して、また“君”とめぐり会う時まで。
前回の「胸に咲いた黄色い花」と似た、「生」と「死」がテーマの曲でした。
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