電気自動車メーカーの売上ランキング、7月28日, 2022
リュディアです。2022年7月28日の日本経済新聞一面に上期の世界EV販売、BYD2位 米4~6月はHVを上回るという報道が出ました。
有料記事なのですべてを見ることはできないので他の無料記事を参考にして電気自動車メーカーについて見ていきましょう。
この記事にはまず最初に BEV と PHEVの合計台数について 2022年第1四半期ランキングがあります。BEV が Battery Electric Vehicle でいわゆる電気自動車をイメージして問題ないです。PHEV は Plug-in Hybrid Electric Vehicle で外部からの充電も可能な電動モータ、ガソリンエンジンのハイブリッド車です。
皆さんはこの表をご覧になってどのような感想を持たれたでしょうか?1位の Tesla、4位の VWグループはわかるとして他は初めて見たという方も多いのではないでしょうか。順に見ていきましょう。
2位の BYD は厳密には BYD Auto のことです。BYD が親会社で、その自動車部門が BYD Auto / 比亜迪汽車です。世界の製造業の中心地である中国の深圳に拠点があり2003年設立の新しい会社です。もともと BYD はIT部品に強い会社で、特にリチウムイオンバッテリーの供給では世界上位です。スマートフォン向けリチウムイオンバッテリーの供給では世界1位です。バッテリー技術を元にして電気自動車市場で急激に売り上げを伸ばしています。日経ビジネスに次のような記事もあります。
3位の SAIC は上海汽車のことで中国の大手自動車メーカーです。以前の英語社名Shanghai Automotive Industry Corporationの頭文字をとった SAIC に社名が変更されています。SAIC は1958年創業の自動車メーカーです。
ちなみに中国の3大自動車メーカーは上海汽車、第一汽車、東風汽車のことで、これに長安汽車、奇瑞汽車を加えたものが5大自動車メーカーと呼ばれています。
5位の Geely Volvo は Geely / 吉利汽車と Volvo の合弁会社でした。2021年8月に Volvo が完全子会社化しています。
このようにTesla と Volkswagen グループ以外のBEV, PHEV製造会社は中国メーカーが支配的なことがわかります。2022年7月21日に BYD Japan が日本でのEV乗用車発売の決定と新会社設立の記者発表会を開催したそうです。
いよいよ本格的に電気自動車時代が始まった感じです。充電ステーションなどのインフラが整うのが先か、電動自動車が普及するのが先かどうなるのでしょうか。ただ 2035年以降は日本でも電気自動車のみ販売可能とするとのことなので、これからますます電気自動車が支配的になりそうですね。
自動車産業は非常に裾野のひろい産業で550万人が従事していると言われます。労働者の 10%近い人数です。その業界が大きく変わろうとしています。
MUFGのレポートにも「 日本の自動車産業は550万人が従事する我が国を支える基幹産業だが、エンジンを不要とするEVにすべて置き換えられれば、自動車部品約3万点のうちエンジン部品に係る1万点は必然的に不要となり、従事者の約5分の1にあたる100万人もの雇用が失われる可能性がある等、EV一択の風潮を単純に歓迎できない状況にある」と書かれています。業界はどのように変わっていくのでしょうか?自動車産業や交通インフラの変化は今後10年に激しい変化に見舞われることになりますね。
では、ごきげんよう。