半導体のグレーマーケット
リュディアです。日経ビジネスに運が良ければ一晩で億万長者-中国で半導体のグレーマーケット急拡大という報道がありました。
半導体不足と言われるようになって久しいです。実際、トヨタは半導体不足の影響で22年度の生産計画を引き下げするとの報道がありました。
半導体のグレーマーケットとは正規のルートではない方法で半導体が流通するマーケットを言うようです。大きくは2つあると思います。
半導体の世界にも転売ヤーと呼ばれる人が多数いて、いろいろな機器に使いまわし可能な汎用半導体を事前に買占め、それを転売する場合。
半導体メーカーがスペックを満たさないと判断して本来であれば破棄する必要のあるものが流通してしまう場合。
1 の場合は本来の商流に転売ヤーが入るだけなので半導体自体のスペック不足という問題は無い場合が多いです。2の場合はスペックを満たさない半導体で製造された最終製品が流通する可能性があります。また 2 のスペック不足の半導体を転売ヤーが流通させる組合せもあると思います。
いずれにしろ、単なる民生品であればすぐに壊れたという程度で済むのですが、自動車、鉄道システム、航空機や航空システム、医療機器のような人命に影響を与える分野で動作不良が発生すると大きな問題になります。また携帯電話網、電力、ガスなどのインフラで動作不良が発生してもその損害は膨大なものになります。
一部の悪意のある人たちが本来流れてはダメな半導体部品を流通させている影響で、もしかしたら今後10年くらいの間に大きな問題が発生する可能性があります。半導体サプライヤーも少なくとも不良品の破棄までは責任をもって流通しないようにする必要がありますね。
実際、今は大手企業に半導体を納品する場合は半導体の製造から納品までどのような経路を辿ったか、またその辿ったことを保証する書面が必要になることが多いです。中国でも大手企業はしっかりと対応していますが中小企業が対応していない可能性はあります。
ちなみにタイトルにあるグレーマーケットという単語ですが、これはグレーなんですかね?個人的には黒 = ブラックだと思うのですが、皆さんはどう思われますか?日本語で言うと闇市(やみいち)をイメージすればいいのかな、と思いました。
では、ごきげんよう。