G検定 / 統計検定 確率 #4
株式会社リュディアです。引き続き確率についてまとめていきます。
過去の G検定 / 統計検定 確率についてのまとめは以下を参照してください。
条件付き確率の具体例を見て考え方に慣れていきましょう。条件付き確率を求めるための公式はありますが、当てはめているだけではダメです。今回は COVID-19 の PCR検査のデータを使ってさらに具体的なイメージをもってもらえたらと思います。
たとえば皆さんが PCR検査を受けて陽性であった場合、本当に罹患している確率はどれくらいなのか?という条件付き確率を求めてみます。メディアで PCR検査件数を増やすべき、という提案に対し PCR 検査件数のみを増やしても仕方ない、という論理はこの条件付き確率に基づくものです。
まず条件付き確率を計算するための情報を集めます。PCR検査での混同行列の情報は以下を参考にしました。
上記を参考にして以下の混同行列を使います。
この表を文章で記載すると以下のようになります。
本当は陽性で検査でも陽性:70/100 = 70%
本当は陽性で検査では陰性:30%
本当は陰性で検査では陽性:9/900 = 1%
本当は陰性で検査でも陰性:99%
混同行列について詳しく知りたい方は過去にまとめた以下の記事をごらんください。
次に人口10万人あたりの罹患率の情報です。以下を参考しました。
この記事をまとめた日が 7/4 でしたので 7/3 までの情報の集計結果を使います。人口10万人あたりの罹患率は全国平均で 8.7人、東京都で 28.5人、大阪府で 8.2人となっています。ここでは東京都と大阪府の情報を使います。
では東京都と大阪府を想定して条件付き確率を計算してみましょう。事象 A, B は以下のように設定します。
事象 A : 自分のPCR検査結果が陽性
事象B : 自分は罹患者
これは何を示しているかというとPCR検査対象をランダムに選び PCR 検査を実施し陽性と判定されても本当に罹患している人は東京とでは 1.9% 、大阪府では 0.6% であると言っています。あくまで PCR 検査対象をランダムに選んで検査を実施した場合ということに注意してください。
例えば ランダムではなく濃厚接触者に限定したり、何らかの症状が出ている方に限定するとこんなに低くはありません。あくまでランダムに選んだ場合は PCR検査結果が陽性であっても、罹患している可能性は非常に低いということが重要です。
では、ごきげんよう。
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