総務省のデジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会(第三回)について
株式会社リュディアです。総務省のデジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会(第三回)の内容が話題になっています。
特に話題になっているのは多賀谷一照千葉大学名誉教授の以下の資料です。以下、多賀谷名誉教授と記載します。
多賀谷名誉教授の詳細な経歴が掲載されているページもつけておきます。東京大学大学院の法学政治学研究科を満期退学され、その後は千葉大学に移動されたようです。途中で NHK の経営委員会委員にも就任されておられます。
この検討会に関する資料へのリンクで最初にある飯塚構成員資料は可もなく不可もなくの海外の事例を集めたものです。
その次が話題になっている多賀谷名誉教授の資料です。
テキストだけのシンプルな資料なのですがなかなかはっきりとものを言っています。この資料に記載されている内容の私の解釈は「いろいろ改革案とか言ってるけど、どれも現実性がない、NHKも含めTV放送自体がもう持たない。当然ながら NHK の受信料モデルも成り立たない。これは自明である。」です。官庁主催の会議でこういう報告もできる時代になったのですね。順に見ていきましょう。
最初の章はハードソフト一致体制の維持困難性です。放送局というモデル自体が成立しなくなっており、従来の広告モデルも成り立たなくなっていることが指摘されています。ここには NHK の受信料モデルも成り立たなくなるであろうことが指摘されています。
第2章は放送サービスの今後のあり方です。冒頭に「60代-70代以上、死ぬまでTVを見続ける」という記載があってドキッとします。60代以上と40代以下で TVというか動画に対するニーズやアクセスの方法が大きく異なっていることを指摘しています。
その後で新しい NHK の受信料モデルを提言しています。NHK を2分割してスリム化した公共放送とドラマなどのコンテンツに分けるというものです。スリム化した公共放送のみにして義務的な受信料を大幅に低下させ、コンテンツ担当部は見たい人がお金を払えばよいというものです。理にかなっていますが、実際、どの部分がスリム化した公共放送なのか、という利権が発生しそうな気もします。ニュース、天気予報、国会放送、政見放送などはわかりやすいですね。でもグレーな番組っていっぱいありそうなので実際に運用するとなるとすぐにできるものでもないと思います。
第3, 4章も具体的です。いずれにしろ今のまま遅々とした改革や変革ではそのうち総倒れになるぞ、と厳しく提言されているように見えます。実際、TV局は平均年齢が高いという報道はされています。以下のページで見るとキー局平均で45歳くらいですかね。
こうなってくると後15年生き延びれたら自分は大丈夫という経営層、管理層の延命方策を採用することが多くなるので根本的な解消は難しいかもしれないですね。
実際、家庭の子供たちを見ていてもTVの放送を見るのは1日に0時間であることも多いと思います。また食事のときに何となくつけているだけで、番組を積極的に見ている方も少ないのではと思います。
今後、どのように変化していくのか、私たちも見守りたいと思います。
では、ごきげんよう。