会社員の社会保険料負担について #1

リュディアです。皆さんも給与明細で社会保険の金額を見てため息ばかりではないですか。私もそうです。毎年、少しずつあがっていくし、生かさぬよう殺さぬようみたいな感じで非常につらい。社会保険については社会保険労務士=社労士という専門の国家資格があるくらい複雑であり処理も独特です。また会社員といっても会社との契約形態により社会保険のある人、ない人などさらに複雑さを増しています。

同じ会社員であってもこの複雑さなわけですから、自営業の方を対象とする社会保険や、公務員を対象とする社会保険など種類があるのでもうわけがわかりません。メディアはこれらを一緒にして読者をわざと混乱させているとしか思えない報道をします。今回は会社員の社会保険負担について見てみます。負担額の大小は年収によって異なるので言及しません。

会社員の社会保険には個人負担事業主(会社)負担があることはよく知られていますがまずは個人負担を見てみましょう。自分の給与明細と照らし合わせてみてください。

すべての社会保険を記載し、従業員と経営者がそれぞれ個人負担すべきものを明記しています。ここで従業員とは会社と雇用契約を結んでいる人の中で特定の条件を満たしている人です。特定の条件と書いたのは雇用契約があっても、労働時間や日数が少ないために社会保険を受けていない方がおられるためです。また経営者は一般には社長や経営職と考えよいです。これらの方は事業を経営をしているのであって雇用されていませんので雇用保険は支払いません。雇用保険の負担がないということは、失業したときに失業手当を受けられないことを意味します。では次に事業主負担の社会保険を見てみましょう。

緑線で囲んだ部分が個人負担と異なる箇所なのですがどう思われますか?事業主=会社だけが負担しているので従業員の方は支払っている感じがしないのですよね。でも経営者から見るとこれらも従業員に必要なコストです。さらに社会保険は毎年少しずつあがっていますよね。

厚生年金は2004年から2017年まで毎年 0.354%ずつ引き上げられ、合計で5%弱の上昇がありました。

介護保険も当初は0.6%でしたが、今では1.82%、つまり3倍になっているわけです。

健康保険も1960年付近は6.3%でしたが今では10%です。

デフレの時代であったにも関わらず、従業員のコストは上昇し続け経営者の方々は大変な苦労をされていたことがわかります。社会保険料率の上昇は経営者の負担という側面から見ると従業員の給料をあげているのと変わらないわけです。

気づきにくいように少しずつ上昇させるのも卑劣だと思いますが、個人的に問題だと思うのは従業員に見えないように事業主が負担している社会保険があることです。多くの従業員は労災保険は何となく知っていても子ども子育て拠出金という社会保険は知らないのではないでしょうか。

会社で業務中に怪我をしたり移動中に事故にあったときに労災=労働災害という言葉を使いますが、あれは皆さんのために経営者が労災保険を負担しているから保証されるわけです。実際、従業員が病気や怪我で業務につけなくなると経営者も困るのでそのために保険に入ると思えば理屈はあっています。しかし子ども子育て拠出金はなぜ事業主負担なのでしょうか?なぜ個人=従業員に支払いを感じさせないようにする必要があるのでしょうか。

給与明細に事業主が負担している社会保険を併記してはならないのですかね?そうすれば自分の所属する組織が自分のために社会保険をどれだけ負担してくれているのか理解できると思いますし、制度がおかしいと思えば政治家に対して声をあげることもできると思うのです。しかし今は自分から知ろうと思わなければ知ることもできません。もしこれらの事業主負担がなければ皆さんの手取り上昇になったかもしれないわけです。また年金定期便にも個人負担の金額合計は書いていますが、事業主の負担した金額は含まれていませんよね。含むと皆さんの支払額と平均寿命までの拠出額の差が大きすぎて無茶苦茶になるわけです。

ほんとにひどいですね。言っても仕方ないのですが、事実としては皆さんにも知っておいてもらいたいと思います。

では、ごきげんよう。


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