登録日本語教員試験対策 / 日本語教育の参照枠 #4

リュディアです。日本語教育の参照枠を見ていきます。今回は多様な評価の在り方と事例についてです。

試験

ある教育プログラムにおける試験では、ある期間内に扱った学習目標の到達度を測る試験と、学習した教育プログラムの構成やカリキュラム、教材にかかわらず、その時点で何ができるかという熟達度を測る試験があります。いずれの試験においても日本語能力判定試験に望まれる要素は以下の6つです。

有用性(usefulness)
妥当性(validity)
測定目的とした能力や特性(一般化して「構成概念」と呼ばれる)を確かに測定している程度を表す概念
真正性(authenticity)
目標言語使用領域における現実の課題をどの程度反映しているかの度合い
信頼性(reliability)
試験の測定結果、すなわち、得点に含まれる測定誤差が小さいほど、その試験の信頼性が高い
実行可能性(feasibility)
問題開発、試験実施(採点、結果の通知)、試験の分析など試験の実施及び結果の検証などに関する一連の流れを継続的に実行可能かどうか
波及効果(washback effect)
試験の内容が受験者や教師、教育機関、企業、それら関係者を含む社会に与える影響

パフォーマンス評価

学習者に例えばロールプレイやエッセイなどの言語的な課題を与え、その遂行の度合いを評価することをいいます。ルーブリックを使う場合もあります。

自己評価

言語能力記述文のリストで構成された自己評価表などを用いて、自身の言語熟達度を把握することのほか、学習に対する振り返りを記述し学習の過程で読み返したりすることを通して、自律的な学習能力を育成することを目的とした評価活動のことを指します。

相互(ピア)評価

学習者とその周りの人が相互に評価を行うことである。クラスメートや家族、就労場面であれば職場の人などから、日本語の使用についてのコメントを得ることで、自分の熟達度を多面的に把握することができます。

ポートフォリオによる評価

言語学習におけるポートフォリオは、筆記試験の結果、パフォーマンス評価で使用したルーブリック、自己評価チェックリスト、相互(ピア)評価で行った、他の学習者からのコメントシートをファイル等に格納することができ、学習者や教師をはじめとする学習者の周りの人々は適宜これらの評価結果を参照することで、総合的な評価を行うことができます。

では、ごきげんよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?