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自動化に相性合う、合わない業務

こんにちは。LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社の運営DX開発パートに所属している永井です。

バリューマネジメント部には、運営DX推進と運営DX開発の2チームが分かれていて、オペレーション業務の効率化と高度化を支援しています。
日々の業務効率化に取り組む中で、私は特に自動化の可能性に注目しています。

この記事では、自動化に向いている業務とそうでない業務について、私の経験をもとにお話しします。少しでも皆様の参考になれば幸いです。


自動化に相性の良い業務

まず、自動化が効果を発揮するのは、繰り返しの多いタスクです。例えば、データ入力や在庫管理などは、自動化によって大幅に効率化できます。
ルールベースのプロセスも自動化が容易で、請求書の発行や支払い処理がその典型です。大量のデータ処理が必要な業務も、AIを活用することで精度と速度が向上します。
また、24時間稼働が求められる業務では、自動化によってサービスの質を向上させることができます。私たちのチームが対応してきた事例をいくつかご紹介します。

①繰り返しの多いタスクを自動化した事例

■業務:運営業務やPR業務では多数の外部企業にむけてメールで連絡を行っていて、取引先企業毎に件名や本文を修正して個別にメールを作成して送信するため手間がかかる

■導入ツール概要:送信対象企業に対して企業毎にメールを自動作成し下書き保存するツールを構築
作成するメールはファイルの添付まで行い、送信前のチェック作業のみ人が行う

②ルールベースのプロセスを自動化した事例

■業務:プロダクト利用ユーザー向けに、定期的に利用状況などのアンケートを実施している
取得したアンケート情報をもとに、担当者が質問内容をもとにクロス集計処理を行っていたが、クロス集計のかけ方が複雑で集計担当者に作業が属人化してしまっていた

■導入ツール概要:担当者の集計する処理フローのうち、よく利用されるもの・汎用的に利用できそうな組み合わせをワンクリックで自動出力できるようにツール化
集計時の項目カスタムなどは設定ファイルからユーザー側で任意に変更できるようにし、属人化を解消した

③24時間稼働が求められる業務を自動化した事例

■業務:アプリのモニタリングを24時間365日で実施しており、異常なアプリの挙動を検知したら、いち早く状況を関係者に共有する必要がある
全てを人力で対応すると、大きく工数がかかってしまうため、自動でアプリを操作し、問題があった場合に通知を出すような仕組みを構築したいと考えていた
また、24時間365日で動いている自動化環境に問題が発生した場合、修正に時間がかかるとその分業務影響が大きくなるため、プログラミングができない人でも簡単に修正が行える仕組みを作りたかった

■導入ツール概要:社内で利用されているローコードツールを利用してスマートフォンアプリが正常に利用できているかを確認するためのシナリオを作り、定期的に自動実行させるようにした
上記のフローで自動実行が正常に行えなかった場合、社内チャットチャンネルにエラー通知を飛ばして異常検知できるようになった

ローコードツール:ローコードツールとは、プログラミングの知識があまりなくても簡単に動くシステムを作れるツールのことです。

自動化に相性の悪い業務

一方で、創造性が求められるタスクは自動化が難しいです。新しいアイデアを生み出すことやデザイン、戦略立案などは、人間の感性が重要です。
また、高度な判断力が必要な業務、例えば医療や法律の分野では、人間の判断が不可欠です。対人コミュニケーションが中心の業務も同様で、
共感や柔軟な対応が求められるため、人間の介在が必要です。さらに、変化の多い環境での業務は、柔軟な対応が求められるため、自動化が難しいです。

上記のような要素が含まれる場合、LINEヤフーコミュニケーションズでは業務フローそのものを確認させてもらった上で、自動で実施するべきところ・人で実施すべきところで切り分けを行って、半自動化のご提案をさせていただいています。

自動化と人間のチェックを混ぜて運用を行っている事例

■業務:ユーザーからのお問い合わせに対し、オペレーターは内部確認が必要なお問い合わせを集約してリーダーにエスカレーションを行い、確認を行った上で返答を行っていた
リーダーにエスカレーションを行う案件は、一つのExcelファイルにまとめた上で報告するようになっており、複数人が1つのエスカレーションファイルに対し、データ更新を手動で行うことになっていた
複数サイトの情報をもとにファイル更新を行うため、operationミスが発生しやすくなっていた

■導入ツール概要:オペレーターがリーダーへ報告が必要と判断したお問い合わせは、自動化ツールに報告に必要な項目を収集させて、個人別報告書ファイルに結果を出力する
個人別に出力しておいたファイルを夜間にリーダー向け報告書へ集約して更新する
夜間に集約されたデータをリーダーに報告するまでを自動化し、リーダーによる問い合わせ内容への返答判断は機械では実施できないため、人力での作業を残し、機械と人間の得意なタスクを分離して効率化を行った

進め方のステップ

自動化を進める際のステップとして、まずは小規模な事例作りから始めることをお勧めします。実際に試すことで具体的な精度や手順、コストを把握しやすくなります。
その後、社内での発信や評価を通じて、価値が出やすいターゲットを選別します。プロジェクト化できれば、実績を作り、プロセスを明確化することで効率化を図ります。

具体的に私たちがどのようなステップで自動化を推進しているか、例をあげて説明させていただきます。

設計方針検討
実装

まとめ

自動化は、業務の特性を理解し、適切に導入することで大きな効果をもたらします。自動化と人間の力を組み合わせて、より効果的な業務プロセスを構築していきましょう。


この記事が皆様のヒントになれば幸いです。
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