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LINE公式アカウントの運用を「成功」させるための企画の立て方

LINE Frontlinerの野尻猛です。
日頃よりマーケティングのプロとして、LINE公式アカウントのプロとして、色々なメディアやSNSで活動をさせていただいております。

私は、株式会社CRMマーケティングという会社を立ち上げて、色々なメーカーさん、企業さん、各店舗やチェーン店本部さんから、小さな1店舗まで、様々なLINE公式アカウントの有効活用支援をやっております。

前回の連載では、「運用失敗の最大の理由の撃退方法」をお話ししました。かなりのコメントを頂きました。ありがとうございます。
それと同時に、「運用失敗しないための企画の立て方」の質問も多数いただきました。

今回は、その点を詳しく書かせていただきます。最後まで、しっかりと読んで、ぜひ自店の運用の参考にして下さい。

☆① なぜ企画を立てる必要があるのか?

なぜだと思いますか? なぜかの答えに達するために、質問を変えます。

自店のLINE公式アカウントを、お客様やお客様候補の方とどのような「繋がりの場」にしたいですか?それが決まっていない状態では、お客様に、このLINE公式アカウントの意図が伝わるわけないですよね?

まずは、自店のLINE公式アカウントをどう使って欲しいのか。
このLINE公式アカウントで、自店のどのような課題を解決したいのか?
そこをはっきりさせましょう。

その指針を基に、色々な施策やキャンペーンの骨子などを決めていきましょう。そのための企画です。では、例を出すので、一緒に考えていきましょう。

先日ある企業から私のもとに、LINE公式アカウント運用のコンサルティングの相談が入りました。そのお店は、売り上げが安定していませんでした。売り上げが安定していないので

① 一人当たりの売り上げ単価
② 1回目の来店客のリピート率

を上げていく戦略を取ろうということでまず考え、でも、新規の売り上げを上げていくフェーズなので、露骨な目標だと、うまく進まないので、ファンを増やしながら、

①’ 買上点数を上げる
②’ 新規客の2回目リピート率を上げる。

という目標にしました。

この企業は、この先1年間、この①’と②’の達成に向けて進んでいくことになります。LINE公式アカウントのプロフィールで並ぶ画像も、買上点数を上げるために、画像は全て複数個の商品画像にしたり、イベントやキャンペーンも、◯◯円以上というキャンペーンでなく、◯◯個以上買ってくれたらとしたり、、、この話の続きは、後半でお話しします。

☆② コロナ時代のお店の戦い方

居酒屋も、アパレルも、物販も、どの店舗業種にも同じことが言えると思いますが、コロナになった以降でも、勝っている企業の共通点が何個かあると思います。皆さんも気づいていると思いますが、その大きな一つは、

「自店のファンをちゃんと囲い込めているかどうか」

これに尽きると思います。

ファンというのは、このお店に行きたいなと思ってくれている人のことを指し、お客様とは少し違った意味で使っています。お客様だとフラッと入店される方も入ってきますしね。

自店のファンをちゃんと囲い込めている企業は、このコロナ禍で売上も会員組織規模も上げてきています。逆に、自店のファンをちゃんと囲い込めていない企業は、たとえコロナ前に売り上げ規模が潤沢だったとしても、このコロナで売り上げが激減しました。

コロナが広がってどの企業も、顧客やファンの囲い込みの重要性を感じていると思います。

私のところにも、LINE公式アカウントの開設相談も一気に増えました。「今からでも間に合うでしょうか?」との相談もありますが、もちろんです!遅いということなんてありません。この連載を読んだ今日からだって、遅くありません。

自店の顧客とファンを、ちゃんと見える形で囲い込みましょう。コロナ禍で浮き彫りとなった「自店のファン作りの重要性」。今こそしっかりと前に進めるべきですね。

☆③ 企画の具体的な実例をお話しします。

先日ある企業から私のもとに、LINE公式アカウント運用のコンサルティングの相談が入りました。そのお店は、売り上げが安定していませんでした。売り上げが安定していないので

① 一人当たりの売り上げ単価
② 1回目の来店客のリピート率

を上げていく戦略を取ろうということでまず考え、でも、新規の売り上げを上げていくフェーズなので、露骨な表現をもっと柔らかくし、ファンを増やしながら、

①’ 買上点数を上げる
②’ 新規客の2回目リピート率を上げる。

という目標にしました。このように、売り上げを上げるという目標は、露骨な表現であるので、もう一段ブレイクダウンして、買上点数アップとか、来店頻度を上げるとかに置き換えた方が良いと思います。(ここから先は、パン屋さんを想定しながら読んでください。)

今回のケースは、まず「買上点数アップ」「2回目リピート率アップ」!!

◯ 友だち登録特典は、「3個以上買った時に使える100円引きクーポン」になりました。

ただの100円引きではなく、あくまでも買上点数を上げるための企画だという部分に立ち返って、企画が決まりました。

◯ リッチメニューのボタンの一つに、「今週のオススメ4点セット」が見れるボタンを用意し、そのボタンを押すとカードタイプメッセージで、毎週変わる、4種類のオススメのパンが紹介されるようにしました。

そのカードタイプメッセージの最後には、そのセットを購入する際に使えるクーポン券(50円分)をつけました。ちなみに、一番使われた時で、配信数の4%ものクーポン利用がありました。今現在は、ショップカードの次に客単価を上げている企画にまで育ちました。

◯ メッセージ配信は、毎週1回配信で、リッチメッセージには白バックでパンを数個積んで写真を撮り、その写真に手書きのような感じでパンの名前と特徴を書き込んでいきました。

リッチメッセージを押すと、当時のタイムラインに飛び、そこで詳細の説明はしていたのですが、まだ店舗力があまりなく、押してもらえない事も考えて、押さなくても見てて楽しいリッチメッセージに工夫しました。

そして、最大のヒット企画となったのが、ショップカードです。

◯ ショップカードは、そのブランドの店舗、全店同じ企画にしたかったので、苦労しました。

ほとんどのお店が、買上点数が平均2.5個だったので、ショップカードでスタンプが貯まる条件を、パン3個以上買ってくれるとスタンプ1個もらえる設定にしました。

5個満点のスタンプカードにしましたが、新規顧客の2回目リピート率も上げたかったので、2個目のスタンプが貯まった時も、クーポンがもらえる設定にしました。

実はもらえるクーポンに工夫があり、売上の高いお店もあれば、レジが3台あるお店もあり、平日と休日で5倍程度の売上の差があったり、その逆で、休日はほぼ売れないオフィス街のお店もあったり、そんなチェーン店の全店にとって、お客様が喜び、スタッフも負荷は少ないし、店舗ならではの企画もできるクーポンにしました。

このLINEショップカードも、めちゃくちゃ当たり、LINE公式アカウントをやる前とやった後で、売り上げが200%以上になったお店も出てきました。

ちなみに、このチェーン店は、LINE公式アカウントの企画後、平均買上点数2.5点でしたが、企画開始してから5ヶ月後には、平均で3.2点となり、2回目リピート率も大幅に改善されました。

なんとなくLINE公式アカウントをやるより、自店のどんな課題を解決したいのかを明確にして、企画をスタートした方が、その課題解決のためのクーポン、その課題解決のためのショップカードというように、全ての企画が繋がります。

ちなみに、LINE公式アカウントのプロフィールやリッチメニューのテイストも、全部この目的や企画からの流れで組んでいます。

☆④ プラスアルファのノウハウも公開

ここまでは、必須で考え、必須でやりましょう。さらにもっと頑張れるぞというお店に関しては、企画に関してのABテストもやっていきましょう。

先程はパン屋さんの例でお話ししていたので、そのままの流れでパン屋さんでお話しすると、20代女性と30代女性と40代女性では、購入するパンの量とパンの種類が変わります。それに合わせた形で、メッセージ配信しましょう。「そんなにそこにパワーをかけれないよ」と思っている方、下記を参照してください。

20代女性 2,500人 クーポン反応率 0.7% 単価620円
30代女性 4,000人 クーポン反応率 0.4% 単価880円
40代女性 3,200人 クーポン反応率 0.6% 単価1,140円
これはある企業の、ターゲティング配信をする前の状態です。

20代女性でいくと、
2,500人 X 0.7% X @620 = 10,850円
クーポンでの売上は10,850円となります。

同様に30代女性で、14,080円。40代女性で、21,926円なので、合計で、46,856円 となります。

そして、

20代女性に好まれるメニューの中から、20代女性向けのクーポンを1種類。
30代女性に好まれるメニューの中から、30代女性向けのクーポンを2種類
40代女性に好まれるメニューの中から、40代女性向けのクーポンを3種類
と、各年代に向けてセグメント配信をしました。

各年代に響くであろうパンの種類でクーポンを作成し、クーポンを送ったところ、

20代女性 2,500人 クーポン反応率 0.9% 単価710円
30代女性 4,000人 クーポン反応率 2.1% 単価1,100円
40代女性 3,200人 クーポン反応率 1.8% 単価1,190円

と、各年代とも、反応率が上がりました。先ほどと同じように、各世代の売上をたすと、176,919円なので、ターゲティングをするとしないでは、277%もの差が出たことになります。

このクーポンは、2日間しか使えないクーポンのある店舗での実例でしたが、別日で実行した「1週間使えるクーポン」で、全店でターゲティングした際は、350万円以上の売上の差が出ました。

ちなみに1クーポンの利益では、250万円を超えていました。これでも、ここにパワーがかけれませんか?かけれますよね?

この部分は、手間をかければかけただけ成果が上がります。(上限はありますが、)上級者は、ぜひこの「ターケティング配信」もやってみましょう。やり方がわからない方は、いつでもご相談お待ちしております。

☆⑤ 企画や戦略は、店舗の利益を育てます。

企画をしっかり作り込む、戦略をしっかりと立てる。その大事さが少しでも伝わったのではないでしょうか。各店各店、スタッフも違えば、これまでの歴史も違うし、客単価も客層も違います。どこかの店舗の真似をすればいい。という事はないのです。

それぞれが、このLINE公式アカウントを通じて、実現させたい未来をしっかりと描き、そのための企画と戦略を立ててください。

今日は、どうやって企画や戦略を立てるかのヒントとなるような部分を少しだけ共有いたしました。ぜひこれからの店舗経営・店舗運営に役立てていただければ幸いです。

もちろん今日お話ししたこの話は、一例です。ぜひ、このあと各店舗で活発な議論となることを期待しております。何かわからないことがあれば、野尻まで相談ください。

「LINE Frontliner」は、LINEへの高い知識レベルと豊富な経験を備えたLINEの認定講師です。日本国内に、わずか9名しか存在しません。
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