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児童養護施設ってどんなところ?

1.児童養護施設とは

児童養護施設については、この動画をいていただければ、わかりやすく解説しています。

要するに、「親元で生活できないと判断された児童が、生活する場所」ということです。少年院みたいに、子ども自身が悪事を働いて教育されるような場所ではありません。あくまで、生活の場なのです。

ここで重要なのは、児童養護施設に入所している子どもは、子ども自身に原因はなく、親が原因で施設入所しているという点です。児童養護施設で生活する子どもは、好き好んで施設を選んでいるわけではありません。「本当は家族と一緒にいたいけど、しょうがない。」「あんな親の元にいるくらいなら、施設の方がよっぽどいいや。」と感じている子どもがほとんどです。


2.児童養護施設に入る原因

主に、以下のような原因があります

・虐待(暴力、育児放棄、家族による性被害など)

・家庭の貧困

・親権者不在(死亡、失踪、収監、入院など)

・家庭内での親子関係の悪化

細かいことを言えば、家庭によって原因は様々ですが、わかりやすいものではこんな感じです。「子どもの居場所が、家庭になく、親族等で引き取りが困難である」ことが原因といえるでしょう。

3.制度面では充実している

児童養護施設では、衣食住が確保されており、家庭に経済的な力がなくても生活することが出来ます。最近では、家庭的養育を目標に、ユニットを小さくして、なるべく家庭に近い形で支援する施設も増えています。

また、就職や進学についても、金銭的な支援制度は多くあり、ある程度資金を調達したうえで社会に出ることが出来ます。また、児童養護施設等に入所している児童を対象とした奨学金(返済不要、無利子)が多数あり、それを使いながら大学や専門学校に行けたり資格を取ったりすることが出来るのです。

施設によっては、自立する前に一人暮らしを体験させることができる場所を持っています。それによって、独り立ちのトレーニングをすることができます。社会の要請に合わせた支援を実施している施設が増えてきています。

このように、家庭でできない支援が沢山あります。ただし、制度を知って、「支援してほしい!」と声をあげないと、支援してもらえないものがほとんどです。


課題はまだまだあるのが現状

児童養護施設には、まだまだ現状として様々な問題があります。

・集団生活をしなければならず、子どもが施設不適応を起こす可能性がある

・子どもの安全確保のため、外出など制限が多い

・発達障害などの児童が多く、専門的なケアの需要が高い

・施設職員の離職率が高い

・巣立った子どものアフターケアが不十分

・地域や施設によって格差がある

実は、子どもの数は減っているのに、児童養護施設の需要は、いまだに高いのです。それには様々な理由がありますが、今の日本では、社会的養護を必要としている児童はまだまだいることは確実です。現状、全国に児童養護施設は500以上あり、3万人以上の子どもを預けることが出来る能力があるながら、施設入所を打診しても、満床であることも少なくありません。


児童養護施設への入所が必要な子どもは、まだまだ内在している

児童養護施設に入所した子どもは、何らかの形で行政が察知して、救いの手に拾われた子どもです。ですが、虐待を受け、誰からも助けられずに育ち大人になった「アダルト・チルドレン」もたくさんいるのです。現在も、家庭で、親から虐待を受けている子どもや、家庭の貧困で苦しんでいる子どもも大勢います。しかし、行政の目に触れられなければ、児童養護施設に入ることはできません。厚労省のデータ以上に、家族のことで悩んでいる子どもはたくさんいるのです。


子どもは社会の宝

子どもは、将来、私達大人を支えてくれる存在です。社会を回していくためには人手が必要です。将来の社会の担い手を育てる意味でも、子育てや教育について学び、目の前にいる子どもは、我が子でなくても大切にしなければなりません。

日本が発展していくためには、子どもを育てることが、長い目で見て有効な手段なのです。だから、政府には、子どもを育てるための政策、とりわけ、教育と児童福祉に投資をしていただきたいと思います。


では、今回はこの辺で。


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