唯一無二の人間らしさを探究してみよう: Learn by Creation 2023の冒険レポート 第1話
Chat GPT の登場で日本でもお馴染みとなってきた人工知能(Artificial Intelligence = AI)。毎週の様に新しいプロダクトや機能改善が発表されています。3-5年後には AI 同士で交渉をしたり、一人一つ以上の AI パーソナルアシスタントがスーパー秘書、コーチ、セラピストや家庭教師として活躍してくれる時代が訪れそうな昨今、「AI と人間の知性の境界線とは?」「AIに使われるのではなく、手伝ってもらう付き合い方とは?」、「AI時代の豊かな人生とはどういうあり方なんだろう?」といった前人未到のモヤモヤが頭をよぎる日もあるのではないでしょうか?
製造業や倉庫などでは既にAIロボットは大活躍しています。また今やロボットタクシーはサンフランシスコ市街地での商用化も始まり、自動運転やロボット手術といった高度な実社会での利用も始まっています。さらに、創造性やクリエイティビティといった、人間ならではだと考えられていた分野においても楽曲・画像作成、小説作成など作品を数々生み出され、法的な課題もこれから増える事でしょう。もはや、AI が関わらない業界は考えられないところまできました。
この様な人類歴史における大きな転換点に差し掛かったいま、AI の利活用やリスクについては様々な方面で議論がされている一方で、未曾有の環境で生きていく子どもや大人たち、我々一人ひとりへ焦点を当てて考える機会はまだまだ少ないと感じています。そこで「唯一無二の人間らしさ」に気づき育む、という視点でヒトの学び、成長やウェルビーイングを考えてみたいという思いで、2023年の Learn by Creation は企画されました。置き換えると、AI に縛られるのではなく、AI がインフラの一つとしてある前提で、自由に生きる技法としてのリベラルアーツ*を考える1日だったとも言えます。
まだまだマニアックなテーマとはいえ、当日は台風が通過しきれていないにも関わらず、全国から180名を超える方にご参加いただきました。Learn by Creation らしく、お子さんから大人まで、様々な立場な方がフラットな関係性で混じり、交流する一日でした。
趣旨にご賛同頂いた講師の皆様やボランティアスタッフと参加者側の垣根も低く、時には運営、時には参加者といった形で全員が楽しみながら学びを持ち帰ることのできるイベントとなりました。15の上映会やワークショップに3つの展示・デモコーナーはどの企画も盛り上がり、参加者からの事後アンケートでは、5段階評価で67.5%の方から最高段階の「とても満足」、そして残りの32.5%の回答者からは「満足」の評価をいただきました。また82.5%のアンケート回答者の皆様は参加を通じて自身の「変化・成長を感じた」とのことで、我々の、行動や変化につながる1日にしたいという思いが多くの方に伝わった手応えを感じることができました。
当日のアルバムから、参加者や講師・スタッフの皆さんが楽しまれている様子が伝わります。参加者の方からも、あったかいけどエネルギーに溢れた1日だったと伺うことができました!
新幹線が静岡で停車となり、イベント終了間際に駆けつけてくださった方もいらっしゃり、唯一無二のイベントとしてご来場いただいた皆様には感謝の限りです。当日参加が叶わなかった皆様にも当日の内容を少しでも知って頂けることを願い、全てのプログラムのイベントレポートを連載していきます。明日は、展示コーナーにご参加いただいた、まさに AI 時代ならではのウェルビーイングを自己管理できるアプリ、muute さんの展示レポートをご紹介します。
* 子どものためのリベラルアーツを詳しく知りたい方は、Learn by Creation コアメンバー、井上まきこさんによる「家庭にリベラルアーツのエッセンスを」連載記事をご参考ください。
Learn by Creation 2023 公式サイト:https://tokyo.learnx.jp/
文責:竹村詠美