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クラフトビール ~ピルスナー編~

はじめに

現在世界中には150種類以上のビアスタイルがあると言われています。
そんな中でも日本人が1番なじみ深いのがピルスナーではないでしょうか。
現在日本に流通しているビールの多くはピルスナーと言われるスタイルで、アサヒビール、キリンビールなど大手メーカーが発売している主力商品もピルスナータイプです。そんなピルスナーですが、どのようなビールなのか、どんな歴史があるのか、合わせると美味しい料理などを紹介していきたいと思います。

チェコの街並み

ピルスナーの発祥

ビール自体の発祥は今から3000年以上も前のことですが、ピルスナーと言われるスタイルが確立されたのは意外と最近。1842年、現在のチェコ共和国ボヘミア地方のピルゼン市で生まれました。ボヘミア地方は上質なホップの産地であり、ビール造りに熱心な醸造家が多かったこともあり、新たなビール造りも盛んに行われていました。そんな中から誕生したのが「ゴールデンラガー」それが「ピルスナー」としてヨーロッパ中に広がりました。

ピルスナーの特徴

ピルスナーの特徴としてはまず見た目。黄金色に輝く液体に白いキメ細やかな泡が特徴的です。飲み口は非常に爽やかで麦芽の香りとホップの苦みが程よく感じられる為、ゴクゴク飲めてしまいます。
エールビールに比べ、香りもそれほど強くないのでキンキンに冷やすと美味しく飲めます。

ビール工房

ピルスナーの造り方

ビールは基本的にエールビール(上面発酵)とラガービール(下面発酵)に分かれます。上面発酵ビールは、発酵が進むと麦汁の上部に酵母が浮き上がる性質の酵母を使ったビールです。ピルスナーは下面発酵に分類されます。「下面発酵」とは、発酵後に麦汁内の酵母がタンクの底に沈殿していくことから名づけられた醸造方法です。
下面発酵は低温で発酵するため、雑菌が繁殖しにくいが特徴で、一定の品質のビールを大量生産することに向いています。その点も世界に広まった理由のひとつです。

ピルスナーウルケル

最初に造られたピルスナーは今でも飲める!?

ピルスナーの始まりについても書きましたが、その時チェコで造られたビールが「ピルスナーウルケル」です。現在でもチェコのみで生産をしており、モラビア産の大麦、ザーツ産のホップ、ピルゼンの軟水で造られています。
180年以上経った今でも、当時と同じチェコ産の原料、同じ醸造所にこだわって造られています。
ピルスナーウルケルは一般的なピルスナーよりもコクがあり、ホップの苦みも強く感じられるのが特徴です。

ピルスナーはどうやって飲むのがいい?

前述した通りピルスナーは非常に口当たりがよいスタイルです。
その特徴を活かすには、グラスは直線的で背が高く、飲み口が狭い方が良いです。直線的であることで、まっすぐ口の中に入ってきます。そして背が高いことは泡を綺麗な状態で保ちます。最後に飲み口が狭いことで、炭酸抜けを最小限におさめます。
温度は6℃~8℃がおすすめ。冷やすぎると風味が飛びすぎてしまうこともあります。6℃~8℃が香りなども楽しめる最適な温度と言えます。
ここは好みもありますので一概には言えませんが・・・

ピルスナーに合う料理

すっきりした味わいのピルスナー。合わせる料理は中華料理など油を使った料理に良く合います。止渇剤の役割も果たす為、脂っこい口の中をすっきりリセットしてくれます。
そして焼肉と言えばビール、ビールと言えば焼肉。定番中の定番の組み合わせですが、焼肉にもピルスナーは最適と言えます。
そしてチェコと言えばソーセージも有名ですが、もちろんソーセージにもピルスナーはよく合います。
香りの強くないピルスナーはどんな料理にも合わせやすスタイルと言えるでしょう。

まとめ

今回は数あるスタイルの中でも世界で1番飲まれているスタイル「ピルスナー」を紹介しました。日本人なら1番馴染みのあるスタイルではあるものの、ビールの歴史から比べると比較的新しいスタイルではあります。
大量生産に向いている造り方というのもありますが、クセがなくて飲みやすい、そしてどんな料理にも合うという万能なスタイルだったことが最も飲まれる要因ではないでしょうか。
今回は一括りに「ピルスナー」としましたが、ピルスナーの中でもボヘミアンピルスナー、ジャーマンピルスナーなど細かく分かれています。
何より大事なのは美味しくビールを飲むということ。みなさんも是非お気に入りの1杯を見つけてみてください。