日本酒の甘口・辛口の違いとは
日本酒には甘口のお酒、辛口のお酒があるのをご存じでしょうか。日本酒のラベルを見ると日本酒度と表記されていますが、これが日本酒の甘口辛口の指標となる数字です。ただこの数字だけで判断するのはまだ早いです。
他にも様々な要素がありますので、解説していきたいと思います。
甘口辛口は単純に甘い、辛いというわけではない
文字通りの解釈をすれば甘口は糖分の甘さがある、辛口はピリッと辛みがあるとなりますが、実際は少し違います。日本酒度を測る際には日本酒度計を使うのですが、日本酒度計は比重を計る道具です。
日本酒作りの過程で、酵母が糖を分解してアルコールに変えていきます。アルコールは水より軽い物質なので、糖がアルコールに変わっていくにつれて、日本酒の比重は小さくなります。糖が減り、甘味が少ないということは辛口の酒だということで、比重が小さい日本酒は辛口だという見解になります。
日本酒度の数値
日本酒度のラベル記載は-2.0や+3.0などと表記されています。比重の数値なので上限はありませんが清酒ではマイナスは100度以上、プラスは20以上のものもあります。
-1.5~+1.5は普通、プラスが大きければ大きいほど辛口(+6以上は大辛口)マイナスが大きければ大きいほど甘口(-6以上は大甘口)となります。
酸度とは
日本酒度と同様ラベルには酸度が記載されたものもあります。
これは日本酒味に酸味や旨味をもたらす有機酸(乳酸、コハク酸、リンゴ酸など)の量を示す数値です。一般的には0.5度~3.0度の範囲内でおさまります。数値が高いほど濃醇に、低いと淡麗に感じます。
アミノ酸度とは
酒のコクや旨味のもとになるアミノ酸の量をあらわす数値です。一般的には1.0度~2.0度付近におさまります。数値が高いと旨みが増してコクが生まれ、数値が低いと淡麗な酒質ということになります。
数値(スペック)がすべてではない
ある程度日本酒に詳しい人であれば日本酒度、酸度、アミノ酸度、精米歩合などのスペックがわかれば、ある程度の味わいの想像は出来てしまいます。
しかし日本酒度-4度の日本酒は必ずしも甘口というわけではありません。
香りや口当たり、飲む温度帯、合わせる料理、あるいは体調によっても味わいは変わってきますし、ひとそれぞれ感じ方は違います。(カレーの何辛を想像するとわかりやすいです)
スペックで決めつけるのではなく、自分なりの基準も必要かもしれません。
まとめ
日本酒の甘口辛口は基本的には日本酒度という数値で計ることが出来ます。
しかしその他の要素(酸、アミノ酸、香り、温度帯など)により大きく変化します。特に吟醸酒などは香りも強く、甘く感じることがあるかもしれませんが、実際の日本酒度は5度なんてこともしばしば。
そもそもスペックなどは気にせず、その時のシーンに合った日本酒を選んでみるのが良いのかもしれません。