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日本近代化の父、小栗上野介(録画有り)

序章と結論

幕末の閣僚、小栗上野介をご存じでしょうか?
同時代の西郷隆盛や勝海舟、或いは薩長の連中に比較し
知名度はイマイチですが
間違いなく日本近代化を成し遂げた人物です。

アメリカ渡航で名を上げる小栗

小栗が幕府内で名を上げたのは、アメリカ渡航からでしょうか?

ペリーの来航で、アメリカ人と接していた経験を持つ彼は
とても落ち着いて交渉していたため
相手側のアメリカは、小栗を代表者と見間違えるほど。

そんななかで、彼は
日米修好通商条約で決められた通貨の交換比率が不適当という事で
通貨の交換比率見直しを交渉しました。
結果として改定までは至らなかったものの
その彼の論理性に
アメリカの新聞は大絶賛したと言う話も残っています。

帰国後、小栗の功績は認められ
外国奉行に就任します。

なお、渡米で小栗は自らの評価を激上げする事となりますが
同様に渡米し、評価を下げた人物がおります。
後ほど語ります。

日本近代化の父、小栗上野介

幕府官僚としての小栗は前出のアメリカ渡航だけではなく
その後も
外国奉行として
ロシア軍官対馬占領事件海軍力強化などに尽力する事になります。

もっとも大きな貢献は
製鉄、軍備、鉄道の、富国強兵に欠かせない
横須賀製鉄所、後の横須賀海軍工廠の建設です

小栗は、アメリカ渡航にてこれらの重要性を実感したんでしょうね。
小栗は鉄道にて大西洋に移動し
ワシントン海軍工廠を見学し、その事を実感したと考えられます。

小栗の日本近代化案は勝海舟や西郷隆盛などに
数百年掛かっても無理と言われましたが
その後の明治維新での躍進は、皆様ご存じのとおりですね。
その明治維新の躍進の功績は、新政府の物ではなく
小栗の物です。

ことごとく小栗の功績を自分のものとした新政府閣僚。
控え目に言って反吐が出る思いです。

そしてその功績は、日清日露戦争の勝利だけでなく
日本をアジア初の一等国に押し上げました。

なんでそんな小栗が評価されてないのか?
不思議です。

嫌になったら辞ーめたっ(笑)

日本近代化への貢献は半端ない小栗氏でも、嫌になったらすぐに『やーめた』と
お役を降りる人。

17歳の初登城から重職に任ぜられますが
度々役職変えられるも、その才能故に戻される事の繰り返し。

それは、幕府の閣僚になっても変わらず
遣米使節目付の功績により任ぜられた外国奉行を
ロシア軍艦対馬占領事件後の老中の対応に不満覚えて
辞任。
その後、勘定奉行、軍艦奉行に就任。
途中で放り出す人ですが、その才能故にすぐに重責を与えられる方です。

率直な人柄ゆえに、恨まれてたというのもあるのでしょうか?

時の将軍、徳川慶喜に新政府軍への抗戦を直訴の際、袴の裾を掴み
『お待ちくだされ、ご決断を』
と訴え、お役御免となった、最初で最後の人でもありました。

このあたりは2003年のNHKドラマ
『またも辞めたか亭主殿〜幕末の名奉行・小栗上野介〜』
俳優の岸谷五朗さんにて演じられネタにされてますね。

奥方役である女優の稲森いずみさんが、小栗の残した横須賀の海軍工廠で見せた淡々とした佇まいが今も印象に残っております。

勝海舟との微妙な関係

アメリカ渡航で大きく評価されることになった小栗上野介
対して勝海舟はそのアメリカ渡航で大きく株を下げる事となります。

咸臨丸のアメリカ渡航は勝の功績となっていますが、実際には乗艦したアメリカ大尉とクルーの功績。
勝は海軍の長なのに個室から一切出てこないと言う体たらく。
同乗した福沢諭吉などからも蔑まれております。

そしてその後も
恭順派の勝と主戦派の小栗は、幕府内でお互いにグループ形成し争う事となります。

勝との争いに負けた小栗は
江戸を離れて知行地である上州権田村(群馬県高崎市倉渕町)に向かいますが
前出の通り、家族を含む少数の一行で追っ手の官軍を退けますが
そこで、新政府や勝から恐れられることになる。

これが、小栗上野介斬首の隠された理由と見ております。

勝海舟の小栗への評価です。

「眼中ただ徳川氏あるのみにして、大局達観の明なし」
「小栗上野介は幕末の一人物だよ。あの人は精力が人にすぐれて、計略に富み、世界の情勢にも通じて、しかも誠忠無比の徳川武士で、先祖の小栗又一によく似ていたよ。あれは三河武士の長所と短所とを両方具えておったのよ。しかし度量の狭かったのは、あの人のためには惜しかった」

要するに、小栗を評価していないとの内容ですね。
褒めてけなしているし。
勝海舟さん、喋り過ぎてませんかね。
恐れや憎しみ持つ人の態度と見ています。

恭順派として官軍と関係深かった勝海舟。
勝海舟こそが、小栗の死を最も望んでいたかも知れません。

キャスでもやってます

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