the dresscodes TOUR2024 "Honeymoon"各曲の思い出①
ドレスコーズ ハネムーンツアー
先ずはハネムーンツアー、お疲れ様でした。
バンドはもちろん、参加された全ての皆様も。
そして早速新たなツアーが発表され、また会えるかと思うともう待ち遠しいの一言に尽きる。
予想通りセットリストが公開された。
ドレスコーズの公式Xにて写真もあるが、誰かがこの投稿に触れた際に実際に聴いて欲しい!という思いがあるので、プレイリストを貼っておく。
01.ハッピートゥゲザー
Don't Trust Ryohei Shimaを彷彿とされるラジカセ演出。
最新曲から徐々に過去曲へと移り、歌い出しは1人、最後の方にメンバーがステージインして"現状"のドレスコーズとなる。
私は1度バスを降りた人間だ、毛皮のマリーズからドレスコーズになった時。
それでも少し先の止まってくれるか分からないバス停までヘロヘロ走っていき、ずっと乗っていた人で埋まったバスのサイドシートに座る事が出来た。
あの曲はライブハウスで聴くとより感慨深い。
ここに居るファンがみんなはどこかのタイミングでバスに乗り込んできたお客さんなんだと思う。私の行った名古屋公演はソールドアウトでそりゃもうパンパンだった。
もうサイドシートだけでは足りないくらいに、多くの人がバスに乗り込んできてるよ。
02.愛のテーマ
ここで泣いちゃったよね、なんて美しい流れなんだろうと。
収録は「TIN PAN ALLEY」、2011/1/19、日本コロムビアからの発売。
最初にこの曲を聴いた時、「毛皮のマリーズ、どこへ行きたいんだ?」と「志磨遼平のやりたい音楽ってこういうのなのか」と脳内ごちゃついた記憶がある。
この曲が収録されている「TIN PAN ALLEY」というアルバム自体が毛皮のマリーズとしては異色というか、実験作のように当時は思えたが、今にしてみれば志磨遼平の溢れる音楽への愛が詰まっているアルバムである。現に今はとても好きな1枚だ。
MVは今見てもハッピーが詰まっていて幸せな気持ちになれるんだよな、豪華な出演者にも驚く。
特にニューロティカのあっちゃんが出てくる所、好きです。
03.BOYS
「今日はみなさんに僕の半生をお見せします」
「こんばんは、毛皮のマリーズです」
私のマリーズメイニアとしての亡霊がようやく、ここで、成仏したのです。
収録は「戦争をしよう」、2006/9/20、DEKRECからの発売。
熱量がね、もう段違いだなこの帯の文章。
今更読み返して思ったわ。
(今回ステージに登場した志磨遼平はそのレコードの時より更に短いボブカットになっていたのだ!)
初期の毛皮のマリーズはとにかくイライラとモヤモヤ、全力の愛を爆音でぶつけて来る。
「BOYS」はこのアルバムの最後の曲なのだが、ずっとイライラしっぱなしだし、何をやってもつまんねーと歌っている。
同時にずっとイライラしっぱなしで何をやってもつまんねーという事は即ちそれを発散するために続く事も示唆してる気がする。
04.REBEL SONG
収録は「マイ・ネーム・イズ・ロマンス」、2007/12/5、DEKRECからの発売。
初期マリーズの中でもポップで入門しやすい曲調だけど、歌詞は相変わらず粗野ながら愛を歌っている1曲。
あの最初のベースとドラムの始まるぞ感、そのあとギターのジャガジャーンに歌い始めの爆発。いつ聴いてもゾクゾクする1曲だ。
05.クライベイビー
こちらも「マイ・ネーム・イズ・ロマンス」から。
ジョニー・サンダースやジョン・レノンという敬愛する人物も登場する。
このアルバムの中でも(怒りとか死とかの)攻撃力はなく、恋と愛と"男の子"特有の強がりが漏れ出る優しくて強い曲。
このアルバムについて少し……
私はアートワークフェチみたいな所があるんだけど、この歌詞カードが好きでして。
各曲のタイトルが志磨遼平の手書きで、一部の歌詞、恐らく曲のポイントとなるワードが手書きというちょっと変わったタイプ。
全部じゃなくて一部ってのがまた良い。
またこのアルバム以降鍵盤の音が入る曲が多くなるのだが、ソウル・フラワー・ユニオンの奥野真哉さんが参加している。(その後もライブ含めて何度も参加してくれている超大物)
また、シスターマンのコーラスではうつみようこ姐さん、盟友のおとぎ話の有馬くんも参加していたりと個人的に心高まる1枚。
ここでライブの思い出も1つ。
志磨遼平といえば観客の手を掴むパフォーマンスがあるが、仙台の今はなきennというライブハウスにて、アルバム収録曲「ガンマン、生きて帰れ」を演奏してた際に1曲ずっと手を握られた。
熱くて強く、繊細な手を今でもよく覚えている。
06.ジャーニー
収録は「Faust C.D.」、2008/5/14、DEKRECからの発売。
この頃の毛皮のマリーズからはイライラと焦燥感が強く感じる。この曲もそう。
というのが間違いないのを「ぼくだけはブルー」を読んで納得した。本のネタバレは避けたいので多くは言わないけど。
またアートワークの話を。
このアルバムの作りはちょっと変わっている。
ジャケット(裏面は歌詞カード)が剥き出しなのだ。故にしまう時に凄く神経を使う。
また、《4曲目の「非・生産的人間」の歌詞は許可が降りなかった為、掲載できません。ご了承下さい。》との記載がある。私は未だに半分も内容を聴き取れない。なんで駄目だったんだろう……
07.チャーチにて
「ここから半年、僕は家から出れなくなりました」
収録は「Gloomy」、2009/4/8、イエス・レコードからの発売。
止まると死ぬと言っていた男の止まった辺りの曲。
怒りとともに彼自身の個人的(というより最早プライベートともいえる)愛が産み落としたアルバムの1曲目。精神的にもう参っていて、いつか本当に、物理的にも消えてしまうかも知れないのがよく分かる。
今治りかけとはいえ参っている私にはちょっと響き過ぎて、また泣いた。感情が不安定なんだな。
「Gloomy」という言葉の意味は
正しくこのアルバムにピッタリのタイトルである。
と同時にここで全ての澱を発散したかのように毛皮のマリーズは次のステップへと進んでいくのだ。
個人的には毛皮のマリーズのアルバムの中でも最も聴いた1枚。
社会人に慣れ始めたお陰で世界や自分に怒りを感じてあらゆる場所に呪詛を撒き散らしていた時期だったし、初ライブもこの発売記念ツアーだったから尚更。
あと最後の「悪魔も憐れむ歌」にしれっとピーズのはるくんが口笛で参加してる。
同じスタジオにたまたまいた所でお願いしてレコーディングしたという逸話がある。
08.ビューティフル
収録は「ビューティフル/愛する or die」、2008/12/3、イエス・レコードからの発売。
いわずもがな毛皮のマリーズを代表する1曲であり、私のファーストコンタクトでもある。
2009年1月のいつだったか、タワレコに怒髪天の「労働CALLING」を買いに出かけた際にそれはそれは大プッシュされており、試聴した瞬間に、正しく雷にでも打たれたような衝撃だった。
あの声も歌詞も、今まで聴いたバンドと違い、ロマンチックと死が満載で、しかたった500円でこれ売って大丈夫なの?と即購入した。
で、今に至るって訳。
15年半にのぼる歴史の1ページ目はワンコインから始まったのだ。(税込価格だから本当にワンコイン!)
当時は現代の「リンダリンダ」とか「新たなるロックアンセム」なんて大きく取り上げられていたけど、私にとって「ビューティフル」は「ビューティフル」でしかなく、志磨遼平が作り出した傑作であり新たな世界への突破口であると考えている。
このCDは3曲入りで、ダブルA面の「愛する or die」も勢いと愛憎入り交じる最強の曲である。カラオケに行くと必ず歌う、気持ちがいいから。
もちろん「ビューティフル」が傑作であることには違いないんだけど、その後にくる「愛する or die」の対になるような"どちゃクソロックンロール"の流れが堪らないのだ。
私の持っているバンドTシャツの中でもかなり歴史深いのが、この歌詞が背面にプリントされた通称「ゲスT」。
2009年の「TOUR 2009 “毛皮のマリーズがやって来る ゲス!ゲス!ゲス!」にて購入したので14年間を共にしてきた。褪せてるとはいえ、物持ち良すぎない?
あまりのデザインの為、ライブ以外で活躍出来ない代物ではあるが、ドレスコーズのライブの時もたまに着る。後世大事に着続けていきたい。
書き連ねている内に文字数が大分増えてしまった。
得に初期マリーズに関しては思い出が多過ぎるのだ。2009年のMEGA★ROCKSのHooKで上手側のスピーカー前で耳死んだ話とか。
セットリスト後半の毛皮のマリーズデビュー〜ドレスコーズ編はまた明日まとめようと思う。