画像生成AI絡みのスタンス
新しいおもちゃ
前々から趣味でゲームを作って無料でバラ撒いているわけですが、その為の新たなツールとして画像生成AIが選択肢に入るようになりました。
自分は使える玩具は全て使い倒す気質で、また収益無しでやっている以上は無料で使える道具がある点もありがたいので、試用も兼ねて触り始めています。
MicrosoftのCopilotが非営利なら普段から使ってるアカウントでそのまま利用できたので、これで生成した画像をGIMP(昔からある無料の画像エディタ)で調整して使用しています。
絵があまり描けない(3歳~中学生ぐらいの間にノートに怪獣やモンスターを描いてた程度の経験しかない、発達障害の影響で先天的にすごく不器用、等が理由)ので今まで画像まわりはフリー素材や実写画像の加工調整で賄う事が多く、従ってRPGツクール2000の低解像度に合わせて作るのがスタイルとして合っていたわけですが、高解像度である程度自由に画像を作る無料の手段を獲得した事で、主にツール面のデザイン領域が大きく増す事になりました。
まあ現状どうしても実際に人間が描いた絵と比べれば違和感のようなものは出てくるわけですが(プロンプトで指定できる限界もあり、多少の画像合成も必要になるのでなおさら)、今作っているゲームの内容は「人間の姿に化ける武器共をやっつけて手に入れて、それで主人公を強化しラスボスを倒す」と言うものであり、「非人間非生物の武器が人間や生き物を真似た姿」を表現するうえで生成AI画像の違和感がちょうどいいスパイスとして機能してくれています。
と言うかそもそも自分が元より人外系デザイン大好きなタイプなので、違和感をチャームポイントぐらいにしか感じない気質を最初から備えていると言うのもあります。
今回それなりに有用性を実感しており、(無料ツール範囲内での)技術の進歩があれば今後の別の作品にも活かしていけそうです。
さて、画像生成AIと言えばアンチ活動が熱心である事もご存知のことだと思います。
法律上は問題無いですし、今後の法改正がありえるか言えば政府の方針的に完全に違法化する事はほぼ無さそうですが、何かしらメスが入る事はあるかも知れません。
そんなゴタゴタがある中で画像生成AIを利用する事についてどう考えているのか、いくらか自分の考えを書いていこうと思います。
そもそもどういうものか理解してるの?
正直そんなに熱心に勉強しているわけではないので、画像生成AIについて「なんか大量の画像から特徴を覚え、それを元に画像を(i2iでない場合は)ゼロから作ってる。とりあえずコラージュとかとは全く別の技術」ぐらいの浅い理解しか無いです。
既存の絵に似たものが生成される事はあり得るものの、全く同じものは意図しなければそう出てこないようなので(それこそ普通に描いた絵のデザインが誰かの絵とたまたま被るようなもの)、悪意ある利用以外については特に問題がないと考えています。
なんか問題あるんじゃないの?
画像生成AIについて著作権的な問題を挙げている人がいますが、現行法で問題ないなら気にしなくていいと思っています。
「法で裁けぬ悪」みたいに言い張ってる人もいますが、肯定してる側がそれなりに筋の通った理屈を並べ立てられてるようなので、ほとんどの政治的なあれこれと同じで肯定も否定もポジショントークでしか無いように感じてます。
それならば尚の事、「今の法でどうか」が重要になると考えています。
学習元の画像の無断使用がどうだみたいな話もありますが、最終成果物に元データがそのまま使われていない以上、人間が誰かの絵を見て勉強し10年後自分で絵を描くのと大差なく、特に問題ないように感じてます。
創作に悪影響とか出るんじゃないの?
自分は常々、「クリエイターとして真に尊敬できるのはヘンリー・ダーガーやその他名前を知られず死んでいった人たちだけ」とのたまっています。
あくまで自分の中の衝動を元に排泄的に創作する事がクリエイターとしての本懐であり、そのような立場からすれば他所の誰かがAIに限らず何かせこい手段を使った所で、何も問題になりません。
「◯◯生成AIのせいで困る」と言う意見は概ね誰かに対して発表なり販売なりする事を前提としている立場のものであり、自分に言わせればクリエイターと言うよりもセールスマンに近い人間の意見です。
とは言えセールスマンもセールスマンで世の中の役に立つ職業であり、一定の敬意を払われるべき存在ではあります。
それでも彼らの「仕事」は世の需要に答える事であり、自分の稼ぎを守る為に世の需要の方を曲げてしまおうとするのはやり過ぎているように感じます。
自分自身プログラマをやっているので、そう遠くない将来自動プログラミングAIに職を奪われる可能性は十二分にありますが、まあそうなったらそうなったで堂々と生活保護でも受ければいいやぐらいに考えてます。
悪意ある利用がされやすいのは問題では?
よく言われているように、画像生成AIを使った盗作等の犯罪行為(迷惑行為とは呼ばないでおきます)は現行法で十分裁けるものです。
誰かの絵をパクるような行為は、画像生成AIを使ってようが使ってなかろうが権利者の判断で然るべき形で処理されるでしょう。
まあ実際以前より悪意ある画像の作成がやりやすくはなるので「銃とか毒は悪用すると人が死ぬから違法にしろ」理論で問題視する気持ちもわからないではないですが、所詮はただの便利な画材で直接的に人の命を奪うものでもありませんから、問題が発生したら都度裁判でもなんでもやってく方が禁止するより妥当だと思っています。
創作のパクりパクられについて
そもそも誰かの絵柄や技術を真似するのは人間もよくやっている事で、よく教育の場でも「学ぶの語源は真似るだ」なんて言われています(本当かどうかは知りませんが)
一昔前の話で言うと「石恵塗り」の誕生とパクリによってエロ漫画や普通の漫画・イラスト全体がひとつ先のステージに進んだりもしました。
ゲームの世界では「◯◯をパクった作品」を「◯◯ライク」なんて呼んで肯定的に扱う事も常々です。
我々が今日の生活を送れているのも、かつての偉大な学者やらなんやらが一生かけて作り上げた技術や理論を丸パクリしているからです(まあ間違いなく著作権は切れてますが)
何なら会話できている事すら誰かが作った「言語」をパクっているからであり、日本語も中国語を大幅にパクっています。
こう言った動きはイラストや創作に限らずあらゆる技術開発で行われるものであり、ある程度は健全な働きだと受け入れるべきだと考えています。
創作より広い視野での話
画像生成AIと言うのは、つまり人間が求めている画像を作り出す技術であり、これは将来的に創作以外の分野にも応用される事が考えられます。
また、機械が人間の求める画像を作れると言う事は画像から人間の求める要素を抽出できると言う事であり、既に画像からプロンプトを逆算するような技術も出来ています。
例えば医療分野に応用されれば、将来的に自動あるいは補助的に人間の体の疾患を画像や動画から見抜くプログラムの開発に繋げられると考えられ、万単位で人命を救う可能性があります。
画像以外のAIも同様に、今のような自由な市場の中で成長する事でやがて大きな利益を齎す可能性を秘めています。
そう言った将来性を鑑みれば、現在発生しているリスクが許容範囲のように見てしまうのです(もちろん現状の問題に苦しんでいる人を見捨てろとは言いません、現行法にある対抗手段である程度なんとかなりますし、アクセスしにくいならその分は改善された方が良さそうです)
何にせよ知っとかないと
基本的に、技術と言うものは良いにせよ悪いにせよ勉強しないと始まりません。
将来それが違法になったとしても、その勉強自体が無駄になる事もそうありません。
調べるうちに抵抗感が無くなる人も、知った事で問題をより正確に理解できる人もいるでしょう。
何にせよやってみない事にはわかりません、できるのはわかった気になる事だけです。
てか自分自身正直まだそんな状態の気もします、そこまで論文読み漁ったり有料ツール使ったりしたわけでもないですし。
ただこの前AIに関するパブリックコメントが公開されて笑いものにされた件(https://togetter.com/li/2324604)で、何も知らない状態でする意見の虚しさを痛感する事にはなりました。
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