K-POPはBLACKPINK TWICEだけじゃない③ ”DREAMCATCHER”の魅力
はじめに
現在K-POP女子アイドルで世界的な人気を誇るBLACKPINK、TWICEのほかにも魅力的なグループがたくさんあり、このシリーズではそれを読者の皆様にご紹介しています。(ちなみに筆者はONCEである)
これまで宇宙少女(WJSN)、GFRIENDをご紹介してきました。もしまだ知らない方、読んでいない方は是非読んでみてください!
(fromis_9、OH MY GIRLなども紹介しています!)
今回この記事でご紹介するのは、7人組ガールズグループDREAMCATCHERです。
DREAMCATCHERとは
DREAMCATCHER(ドリームキャッチャー, 드림캐쳐, トゥリムケチョ)は、7人組K-POPガールズグループ。元々2014年9月にデビューした5人組グループMINX(ミンス)にガヒョン、ハンドンを加え、音楽コンセプトもガラリと変えたうえで、2017年1月13日にDREAMCATCHERとして再編成しデビュー。
所属事務所はDreamcatcher Company(旧:Happyface Entertainment)。
なお韓国語読みでは「トゥリムケチョ」だが、「ドゥケ」と呼ばれることが多く、日本人のファンもこのように呼んでいる。
「悪夢を取り去ってくれる夢の妖精たち」というグループコンセプトを掲げている。メンバーにもそれぞれ担当悪夢というよくわからない設定がある。
ちなみに、ドリームキャッチャーとは元々、インディアン呪術品で、ベッドの上に掛けることで、眠っている子供を悪夢から守ってくれる魔除けのお守りのことである。下の画像が実物だが、チームのロゴマークのデザインにも用いられている。
DREAMCATCHERの強みは大きくこの3つ。
1.K-POPでは唯一無二の、メタルサウンドを中心とした楽曲
2.シヨンの圧倒的歌唱力
3.チームとしてのステージパフォーマンスの総合的な完成度の高さ
DREAMCATCHERの人気の源泉は、一言で表すと「希少性」である。
当時、ガールズグループでまだ誰も手がけていない「メタルロックサウンド」という領域を開拓し、似たようなアイドルグループが乱立するアイドル界で埋もれることなく、その狭い領域で圧倒的地位を確立した。
これはニッチ戦略という、実際にあるマーケティング手法の一つで、DREAMCATCHERは見事に市場の隙をつき、成功したグループといえる。
MINXからDREAMCATCHERへの転身は、ただのコンセプト変更ではなく、このような狙いがあったはずである。
DREAMCATCHERの代表曲
先にも述べたように、DREAMCATCHERは強烈なメタルロックサウンドと激しいダンスパフォーマンスが特徴で、ほかのグループでは例がない。イメージとしては、韓国版 BABYMETALもしくは韓国版 BiSHという表現が近い。
アニソンと言われることも多く、バンド音楽自体が少ない韓国での希少価値はかなり高い。アニソン、ロック、メタルが元々好きな人は、たとえアイドルが苦手であっても間違いなくDREAMCATCHERを好きになるだろう。
DREAMCATCHERの音楽を語る上でもう一つ欠かせない要素が、メインボーカルのシヨンの歌である。アニメの声優風の独特な声質で、力強く伸びを利かせる。特に高音域を歌う際にその才能がとことん光っており、普通の歌手やアイドルでは難しいであろう「悪夢コンセプト」の苦しさや過激さ、狂気といったイメージを、これでもかというくらいに表現できているのだ。
ちなみに、筆者はかなり多くの女子グループの曲を聴いてきた自負があるが、KARAのスンヨンが少し近いくらいで、シヨンのような歌声を持った人はこのほかに見たことがない。
■正統派メタル系
①Good Night
DREAMCATCHERの前半期に多く見られる、分かりやすいこってりメタル色の曲。イントロでオルゴールから始まるところはアニソンぽい匂いを感じる。
②You and I
AメロBメロはグッと抑えて、サビで一気に爆発させるのがたまらない。
③Endless Night
2020年3月11日に日本で発売された日本語曲。逆輸入して韓国語版を是非とも出してほしいと思う。
Bメロのスネアの「ダカダカッダカ ダカダッダカダッ ダカダカッダカ ダカダッダカダッ」(←聞けばわかります笑)が本当にカッコよくて中毒性があり、ここだけ何度もリピートした。
■アニソン系
④Fly High
THE アニソンという感じだが、DREAMCATCHERの中ではかなり軽快で聞きやすい曲。
⑤Over the Sky
メタル色は残しつつ、悪夢から一時的に目覚めたような爽やかな仕上がりになっている。
■一味加えた最近の独自色
⑥Scream
2020年2月18日発売の最新アルバム「Dystopia : The Tree of Language」のタイトル曲です。DVBBS & Borgeousの「TSUNAMI」を連想させるような、EDM要素が入っています。
⑦PIRI
近年は、前半期に多かったアップテンポの正統派メタル系よりもしっかり頭を揺らせるくらいにテンポを少し落とした曲が増えた。「PIRI」はその上で口笛サウンドも加えてEDM風な雰囲気に仕上がっている。次回のカムバはどのようなテイストになるのか楽しみにしているファンも多いことだろう。
■(補足)MINX時代
多くの人がDREAMCATCHERを最初に知るので、彼女たちの前身がこれだったことを知ったら衝撃だろう。ダミは本当に同一人物なのだろうか。
でも別にこの路線でも全く違和感はなかったと思うからこそ、DREAMCATCHERへと舵を切ったのが、いかに神算鬼謀で価値の高いことであったかということがよく分かる。
DREAMCATCHERのメンバー紹介
①ジユ
本名:김민지 (キム・ミンジ)
生年月日:1994年5月17日
ポジション:リーダー、リードボーカル
担当悪夢:誰かに追われる夢
チーム最年長リーダー。誰もが認めるであろう正統派美人のジユは、DREAMCATCHERの顔としてセンターを担っている。実はTWICE ツウィに見える時もある。下の写真で少しでもお分かりただけるだろうか。
また、美しいのはビジュアルだけでなく歌声も然りだ。声量を張るタイプではないが、ベースの声が高いため、サビなどの高音域で出す声は一段と可愛く、泣きのパートのハマり具合は他のグループと比べても頭1つ抜けているといってもよい。
ちなみに元々サブボーカルだったが、実際担当するパートの割合が多いのもあったのか、公式サイトではリードボーカルと書かれていた。
②シヨン
本名:이시연 (イ・シヨン)
生年月日:1995年10月1日
ポジション:メインボーカル
担当悪夢:狭いスペースに閉じ込められる夢
K-POP界でもトップクラスの歌の才能を持つシヨン。ONE OK ROCKのファンだと公言している。
声質がアニメ風なためか、DREAMCATCHERの「悪夢コンセプト」にがっちりハマり、曲1つ1つの世界観を鮮明に表現している。
音源だけでも圧倒されるが、ステージを見るとシヨンの真のカリスマ性が分かるだろう。曲から分かる通り、ダンスも非常に激しいのだが、それでもシヨンの歌はブレることがない。また、パフォーマンス中は何かが憑依していて、狂気じみているとさえ感じることもある。もちろん、いい意味で。
つまりシヨンは歌唱力、というよりむしろ、歌を含めた総合的な表現力がずば抜けているのだ。
ステージパフォーマンスについての紹介は後述するので、まずは下の動画でシヨンの歌の才能を感じていただきたい。(映画「アラジン」で話題になった「Speechless」のカバー)
③スア
本名:김유현 (キム・ボラ)
生年月日:1994年8月10日
ポジション:メインダンサー、サブボーカル、リードラッパー
担当悪夢:体が動かせなくなる夢
大人の女性としての魅力溢れるスア。チームのセクシー担当であることも合点がいく。友達の家の、美人で優しいお母さんというイメージ。(筆者と同い年だが)
メインダンサーなので、ソロダンスパートなどを担当しつつ、曲のストロングポイントのパートを歌ったり、曲によってはラップをやることもある。それでこのビジュアルなのだから、非の打ち所のないオールマイティなアイドルといえる。
なお、初めての人はシヨンとの区別がつかないだろう。顔や体形だけでなく、歌声も少し似てるため、ステージ上での区別は極めて難しい。鼻先がツンとしていて眼光が鋭く、サイボーグ感があるのがシヨン、それに対して、目や表情が優しく、人間らしさを感じるのがスア、と覚える。
④ユヒョン
本名:김유현 (キム・ユヒョン)
生年月日:1997年1月7日
ポジション:リードボーカル
担当悪夢:見知らぬ場所をさまよう夢
細身でスラリとしたモデル体型のユヒョン。身長も168cmとチームで一番高い。
シヨンとともにサビパートを担っている。透き通ったような高音を出せるのが魅力で、生歌のステージでも、激しいダンスを踊りながらでも比較的安定感があり、ボーカルの実力は相当高い。
CAを目指していた過去があり、中国語や英語、ドイツ語を今でも勉強しているとのこと。既にワールドツアーは行っているが、今後はもっともっと活躍の場を世界的に広げられるはずなので、その能力が全面に発揮されてほしいと願うばかりだ。
⑤ダミ
本名:이유빈 (イ・ユビン)
生年月日:1997年3月7日
ポジション:メインラッパー、サブボーカル
担当悪夢:傷を負う夢
DREAMCATCHERのメインラッパー、ダミ。一般的なヘヴィメタルやハードロックでラップパートがあることは少ないが、ダミはほかのグループのラッパーを見ても比較的低い声であるため、DREAMCATCHERの曲調にしっかり合っており違和感がない。むしろ、リズムやメリハリができてより良くなっている。
DREAMCATCHERに転身してからは、ショートかつ低めの声でボーイッシュ路線に徹しているが、MINX時代を見るとギャップが激しすぎて開いた口が塞がらない。
上白石萌歌じゃないか。本当に同一人物であるのか信じ難いところである。
⑥ガヒョン
本名:이가현 (イ・ガヒョン)
生年月日:1999年2月3日
ポジション:サブボーカル
担当悪夢:高いところから落ちる夢
DREAMCATCHERのマンネ(末っ子)ガヒョン。マンネらしい持ち前の愛嬌でファンやスタッフから愛されている。フィギュアスケートのキム・ヨナに似ているといわれることもある。
DREAMCATCHERのステージでは、他のメンバーが血も涙もない冷徹な魔女に見えてしまうところ、ガヒョンだけはまだ人間らしさを感じられるため、砂漠のオアシスのような輝きを放っている。
高校時代は勉強と仕事を両立させており、得意科目は数学で、成績は優秀だったそう。文武両道の体現者とはガヒョンのことである。
⑦ハンドン
本名:韓東(한동, ハンドン)
生年月日:1996年3月26日
ポジション:サブボーカル
担当悪夢:誰かに見られている夢
DREAMCATCHER唯一の中国出身メンバー、ハンドン。中国では声楽を学んでおり、ミュージカル俳優になるため韓国に留学してきたところ、声楽の先生が事務所を紹介してくれた、とのこと。
声楽の経験もあることから、歌声は綺麗かつ、出すところはしっかり出しており、ボーカルとしての幅の広さを感じられる。
なお、2020年からは中国のオーディション番組に参加しており、「Scream」などが収録された1stフルアルバム「Dystopia:The Tree of Language」以降は、DREAMCATCHERでの活動を休止している。
ステージパフォーマンスについて
DREAMCATCHERは、どちらかというと個人ではなくチームになったときにその真の強さを発揮する。
なぜメタルロック系サウンドでの他のグループの追随がないかというと、ステージパフォーマンスが圧倒的に難しくなるからだ。そもそも、縦振りのメタル系音楽に振りをつけること自体が難しく、できたとしてもその音楽性ゆえ、激しいダンスになることが避けられないため、複数メンバーで揃えて1つの形にするのが本当に本当に難しいのだ。
DREAMCATCHERは、個々のダンス能力に加え、それを1つにまとめ上げるチーム力が備わっているからこそ初めて、このような激しい音楽コンセプトでやっていくことが可能なのである。
色々語るよりも、実際のパフォーマンスを見ていただければ一目瞭然かと思う。
・Scream
・Full Moon
お分かりいただけただろうか。こんなに激しく踊っているのに、みんなピッタリとそろっているのである。しかも生歌でこのクオリティーなのだから、正直恐ろしい。
さらに、メンバーの表情作りもしっかりしていて、洗練された「悪夢コンセプト」を築き上げている。特にシヨンの憑依性は顕著だ。
まとめるとこの3点だ。
1.メタル系音楽の激しさを体現できるダンス力
2.激しく踊りながらしっかり歌いきる歌の実力
3.悪夢コンセプトを表現する表情力や憑依性
ステージパフォーマンスの総合的な完成度が極めて高い、と冒頭で触れたのは、こういった要素があるからだ。これだけの完成度を実現するためには、非常識なレベルでの才能と努力の両方が必要だろう。
おわりに
ここまで読んで下さり、本当にありがとうございました。DREAMCATCHERは多方面での才能の塊であることから、どうしてもボリュームが多くなってしまいました。
最初に触れた3つの強みは少しでも感じていただけたでしょうか?
1.K-POPでは唯一無二の、メタルサウンドを中心とした楽曲
2.シヨンの圧倒的歌唱力
3.チームとしてのステージパフォーマンスの総合的な完成度の高さ
K-POPに限らずほかの領域でも、ここまで洗練されたグループはあまりいないでしょう。
やはりメタル系K-POPという非常に狭い領域からスタートしていることから、韓国の音楽番組のチャートでの1位はまだ獲得したことがないようですが、世界的に見れば巨大な潜在需要が必ずあるはずです。もっともっとファンを獲得して、いずれK-POP界を牽引する存在になってほしいなと思います。
もしこの記事でDREAMCATCHERに興味を持っていただけた方は、是非楽曲を手に取って、ライブで思いっきり頭を振っちゃってください!!!
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