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月経痛やPMSがない人の食事とは!? 〜Luvtelli保健室の結果から〜

こんにちは!ラブテリ研究チームの奈良岡です。
今回は、月経関連の症状と食事について。毎月月経がくる度に、不調を感じている方も多いのではないでしょうか?

2014年から行なっているラブテリの調査から、約80%の女性が月経痛を感じており、約95%の女性が月経前症候群(Premenstrual Syndrome; PMS)に悩まされていることが分かりました!!
女性はかなりの高確率で“月経にまつわるあれこれ”に悩まされているということですね。
では逆に、月経痛やPMSを全く感じない女性は、どんな食事をしているのでしょうか。

そもそも月経痛が起こるメカニズムとは?

月経痛の痛みの元は「プロスタグランジン」という物質です。月経痛だけでなく、頭痛や腹痛など痛みを感じる時はこの物質が作用しています。このプロスタグランジンですが、月経時には、子宮を収縮させて経血を排出させる作用があります。これが月経時には痛みの元となってしまいます。

PMSが起こるのはなぜ?

PMSの原因は多岐に渡るので一概には言えませんが、ホルモンバランスの変化でハッピーホルモンと言われる「セロトニン」が減ってしまうことが原因とされています。これに加えて、睡眠不足やストレス、栄養不足など、様々な要因が重なって、憂鬱、不安になる、イライラなどの精神的な症状や、頭が痛い、胸が張る、眠いなどの身体的な症状が引き起こされます。

月経痛やPMSがない人は和食の傾向!?

これまでの調査から、
♦️月経周期が正常(25-38日)
♦️月経日数が正常(3-7日)
♦️月経痛が全くないor気にならない
♦️PMS(月経前に感じる不快な症状)がない
この4つの条件に当てはまる人の食事を分析してみたところ、下の表のようになりました。

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いかがでしょうか?月経痛やPMSがない人は、豆腐や焼き魚、きのこ類など、和食を食べる機会が多いことが推察されますね。
魚にはビタミンA・Dやマグネシウム、きのこには食物繊維やビタミンD 、大根・かぶや果物には、ビタミンCや食物繊維が豊富に含まれています。また、コーヒーやお茶に含まれるカフェインには、血管を収縮させる作用があり、子宮がうまく収縮できなくなることで痛みを感じやすくなることがあります。
さらに、月経痛やPMSがない人は、カロリーがしっかり摂れていて、足の筋肉量の指標である脚点も高いことが分かりました。

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月経痛が重くなるにつれて、足の筋肉が少なくなるのは興味深いですね。以前に紹介した記事でも、足の筋肉が多い人は和食を食べている傾向があることが分かっています。

筋肉を落とさない食事 〜Luvtelli保健室の結果から〜
https://note.com/luvtelli2020/n/nb6a1f433f050

エネルギーが不足していると、体は筋肉を分解してエネルギーを生み出す仕組みになっているので、カロリーをしっかり摂ることが筋肉維持には必須なのです。また、カロリーが摂れているということは、食事量が多いということでもあり、それだけビタミンやミネラルの摂取量も増えるので、結果的に月経痛の軽減にもつながるということになります。

和食で月経関連症状が改善するのはなぜ?

人の体にとってタンパク質やビタミン・ミネラルは、体調を整えるために重要で、不足すると様々な症状が出てくるとも言われています。

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和食には、これらの栄養素を補える食品が大いため、結果的に和食を多く食べている人は月経痛や知らずなのでしょう。
 
食事内容が月経症状を改善するかについてはまだこれから研究が必要ですが、月経痛時に薬が手放せない方や、月経前にどうしてもイライラしたり他人にあたってしまうなど、PMSに悩んでいる方は「魚、きのこ、豆」をご自身の食事に取り入れるように心がけてみると、辛い症状が緩和するかもしれません。
秋はさんま、松茸、さつま芋、栗など、特に和食がおいしい季節です。飲食店などの秋の味覚フェアも大いに活用して、まずはできることから始めてみてくださいね。

\私が記事を書きました/
奈良岡佑南 博士(医学):大学にて細胞を使った基礎研究から女性アスリートのコンディショニング研究まで、スポーツ・栄養・健康を軸に研究してます。

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