大人だけじゃない!コロナで運動不足‥ 気になる子どもの“足の形”は大丈夫?
こんにちは。今回は子どものリハビリが専門の小児専門作業療法士の中田早苗と沖野優子より、普段はあまり注目しないけれど、とっても重要な子供の足の形についてお届けします。
梅雨明けと、夏の日差しが待ち遠しくなるこの季節。いつもならどこに出かけようかとワクワクする時期ですが、コロナの影響で例年のように計画とはいかないですね。第二波でまた自粛の可能性も‥となるとまだまだ心配は尽きません。お子さんをお持ちのご家族は、またあの引きこもり生活が!?と思うとゲンナリされるのではないでしょうか。
引きこもりでのストレスはもちろんですが、体力低下も心配なところ。3〜8歳は土踏まずの形成期でもあるため、家庭でできる運動にも目を向けてあげてください。そこで、小児専門作業療法士の視点から体の発達を促すポイントとともに家の中でできる活動について前編後編に分けてお伝えしたいと思います。
コロナじゃなくても心配な子どもたちの体力
文部科学省の発表によると、昭和60年(1985年)以降の、子どもの体力低下が続いており、運動する子としない子の二極化も指摘されています。肥満傾向の子どもが増え、昔は成人の病気だった生活習慣病の子どもも増加しています。体力の低下は運動、健康、精神面など「生きる力」に悪影響を及ぼすとされ、社会全体としても無視できない問題になっています。
作業療法士として現場でも、「よく転ぶ」「歩き方がおかしい(ヒョコヒョコしている、つま先で歩く等)」「座るバランスも悪い気がする」等の相談も多く受けます。体の使い方がぎこちない、体の使い方を試行錯誤できない子どもさんが増えていたり、体が固すぎたり、柔らかすぎたり、土踏まずの発達が乏しい子も多く見受けられます。
発達状況は足の形で確認!
そこで、親御さんに気にかけていただきたいのがお子さんの“足の形”です。まず、外反扁平足(がいはんへんぺいそく)について。立っている状態で土踏まずがはっきりせず、かかとを後ろから見たときに外に向いている状態のことをいいます(下記イラスト参照)。お子さんの靴が内側だけ減っている場合には要注意です。
次に、5本の指の付け根を結ぶアーチの形が崩れ、甲がべたっと広がった状態になる開帳足や、指に体重が乗らずに指が浮いた状態となる浮き指にも要注意!(下記イラスト参照)。重心が不安定になり、足裏にタコができたり、巻き爪に繋がったりします。
お子さんの足をご覧になっていかがでしょうか。もし気になることがあれば、小児科の先生、子どもに対応してくれる整形外科や接骨院の先生に相談してみて下さいね。
コロナじゃなくても心配な現代っ子の体力に運動能力。コロナで自粛となると益々心配に。学力は後でも補えますが、体の発達が著しい幼少期には、できるだけ日々体を使って遊べることが理想といえます。
後編では家庭でできる具体的な遊びについてご紹介します!
画像出典:知っておきたい"子供の足と靴"のこと. 2020年1月28日 シューマート
\私が記事を書きました/
中田早苗:小児専門作業療法士。作業療法士の国家資格を取得後、肢体不自由児を中心とした、リハビリ病院に勤務。現在は二児の母として「ママになっても人生を楽しみきる」をテーマに幅広く活動。
沖野優子:小児専門作業療法士。身体、発達に遅れを持つ子どもたち、発育が心配な子どもたち、そのご家族のサポートにあたる。肢体不自由児施設で長年勤務し、現在も、クリニック、訪問リハビリなど、多くの現場で、様々な子どもたちのセラピーを行う。