大人だけじゃない!コロナで運動不足‥ 気になる子どもの“足の形”は大丈夫?《実践編》
こんにちは。今回も子どものリハビリが専門の小児専門作業療法士の中田早苗と沖野優子よりお届けします。前編で「足の形成」について解説させていただきましたが、後編は、自粛生活中におうちでできる”足の発達を助ける遊び”をいくつかご紹介したいと思います!
外で走り回って大型遊具で遊ぶのが一番ですが、外出自粛や長引く梅雨などでなかなかお出かけしづらいことも多いこの頃。家の中でも、基本的には、「全身を使う」ことを意識してみましょう。ゲームやおままごとのように、座ったままする遊びではなく、体全体を動かしているかがポイントです。
・ジャンプする
・ぶらさがる
・よじのぼる
・しゃがむ
・くぐる
・しがみつく
・手で支える
・押す
・ふんばる
・バランスを取る
などです。お子さんの年齢にもよりますが、家の中でもこれらの要素を取り入れることができる遊びがオススメ。外出自粛時にトランポリンやジャングルジムなどを購入した…というご家庭もいらっしゃるかと思いますが、お金をかけずにできる方法もあります!
親子で楽しむ「雑巾がけ」のススメ
ということで、今回の記事では、誰でもすぐにでき、家はピカピカ、子どもも楽しく、親御さんも運動になる、「雑巾がけ」をご提案します。
親御さんが1人で雑巾がけした方が、早く終わるのはもちろんですが、お手伝いと遊びを一緒にしてしまうことで遊びながら楽しく床もピカピカに!
そして何より、お子さんの身体能力アップに、大人もエクササイズにと一石◯鳥です。
まずは、親御さんから。雑巾がけの姿勢を取れますか?普段ワイパーなどを使っている方だと、久しぶりにやってみると「結構辛い!」と感じるかもしれませんね。
まず親御さんが楽しく取り組んでいる姿を見せて、子どもさんが興味を持ったり、真似したくなるようにしてあげてください。
それでは、親子で裸足になって、レッツスタート!
★雑巾がけの姿勢を取る
「カエルのようにしゃがんで、しっかり姿勢をキープできるかな?」
この時、かかとを床に付けれているかがポイント!
★雑巾を押して前に進む
「ぴょんぴょんと雑巾をしっかりと押して前に進めるかな?」
前や横にバランスを崩して倒れないようにバランスを取る、雑巾から手が離れないようにキープできる、足で床をしっかり蹴れているか?がポイント!ぴょんぴょんが上手なら、1歩1歩蹴って進む方法も提案してみましょう。
★片足雑巾
「こんな拭き方もあるよー!片足で雑巾をスイスイ。」
お行儀悪いかもですが、おうちの中ならオッケー!
★両足雑巾
雑巾に両足を乗せて、すり足で進んだり、腰をフリフリ捻ったりして進みます。(乾いた雑巾でやるのがオススメです)
「雑巾と一緒に前に進めるかな?」
★スプレーしながら楽しく
どこを拭くか分かりにくい年齢のお子さんなら、洗剤をシュッシュとかけたところを拭いてもらいましょう。
今度はシュッシュを真似たがるので「3回シュッシュしてね」と数字の要素を取り入れたりしてみるのもいいですね。
上記の動きをすることで、脚力、体幹の筋肉、腕の支え、足首や足底の力も使い、バランス能力も鍛えられます!
4〜5歳以上のお子さんであれば、より拭きにくい場所にチャレンジしたり(より難しい体の使い方になる)、隅々拭けたか確認したり(空間認識)、何分で拭けたか時間をチェックしたり(時間の概念)、レベルを上げて楽しむこともできますよ!
雑巾掛けは「お手伝いをさせよう」と力まなくて構いません。
子どもは「真似したがる」「競争したがる」「より難しいことをチャレンジしたがる」のが本能的にあります。
「ママはできなーい!」と言えば「私はできるよ!」となったり、
「○○ちゃんはまだできないよね?」と聞けば「できるよ!」言ったり、
「絶対手伝わないでね!」と言えば、こっそり手に雑巾を持っているかも。お子さんの性格にもよりますが、ぜひ試してみてくださいね。
足の使い方をチェックしてみましょう
実は、雑巾がけがうまくできるかできないかで、脚力やバランス力のチェックもできるんです。足首が固いだけでもしゃがみ座りがしんどくなりますし、柔らかくても筋力がないとその姿勢を保てません。
足の裏や足の指を使って、左右前後とバランスを取ったり、踏ん張ったりできていますか?また、土踏まずはしっかりできているでしょうか。
歩き始めてから2年ほど経っても、ぺたぺた歩いている、足底がぺったんこであれば、足の裏の土踏まずの形成に少し意識を向けてあげてみましょう。裸足で活動することが少ない、足をしっかり使うことが少ない、靴が合っていないと、足の発達がうまくいかないことがあります。
自粛がなくなったら、屋内外の色んな刺激の中で足の裏を使いましょう。裸足で歩く、よじのぼる、足の指でしがみつく、などの経験をたくさんさせてあげてください。
靴は、かかと部分がしっかりしていて、ソールは柔らかく、マジックテープなどでしっかり足の甲を固定できるものを選びましょう。
靴選びの際は、お子さんの将来の為にも、オシャレさより機能性を選んであげてくださいね!
\私が記事を書きました/
中田早苗:小児専門作業療法士。作業療法士の国家資格を取得後、肢体不自由児を中心とした、リハビリ病院に勤務。現在は二児の母として「ママになっても人生を楽しみきる」をテーマに幅広く活動。
沖野優子:小児専門作業療法士。身体、発達に遅れを持つ子どもたち、発育が心配な子どもたち、そのご家族のサポートにあたる。肢体不自由児施設で長年勤務し、現在も、クリニック、訪問リハビリなど、多くの現場で、様々な子どもたちのセラピーを行う。