JAM Project THE MOVIE 〜Get Over〜を観て
JAM Projectの映画を23日(火)、27日(土)、28日(日)を観てきた。
3回観て、改めて感想を書こうと思ったところ。あ、めっちゃネタバレあるので、読む人は自己責任です。
まず、始めから流れを追ってすごさを語りたい。
一番始め、インタビューから始まる。この映画の主役たちはどんな人なのか?わかるような一言二言の言葉。
からのSKILL。JAMを語る上で避けられないマスターピースのSKILL。2019年に行われたファンクラブのイベント(?だった気がする)の映像が流れ始める。やはり、20周年を向けてのアニバーサリーな映画なのかなぁと思いつつ、クライマックス感を味わう。
SKILLの2番から過去の映像が流れ始める。まっくんと福ちゃんが加入した震撼のライブ。そもそも、SKILLがまっくんと福ちゃんがJAMに入って初めてレコーディングした曲だというのが、すごく運命を感じる。
SKILLが終わり、タイトルの文字「GET OVER」燃えている演出、かっこよすぎか、映画終わるのかな?くらいの盛り上がり。
次は20周年に向けてのアルバム作成、レコーディング風景。梶浦さんの曲で、まっくんが「もっとアクセントを付けて歌ってください。」って言われた後、すぐにばちっと決めてくる感じ…うますぎて震えるよね。他のメンバーも、知ってたけどあり得へんくらい上手い。FLOWのところで、まっくんが「普段の私らはもっと上手いんやで〜」って言ってて笑ったけど、いやまじでCDよりライブの方が上手いから、ほんまにそれ!ってなった。
ポップガードにがんがんぶつかる福ちゃんとか、ダニーが関取って言われてるところとか、笑いどころが多くて、いつものJAMって感じ。
flagsの曲で福ちゃんがファルセット?出すところ、まじでえげつなくて、ダニーが笛みたいやなwって言ってて、改めてバケモンやな〜という認識。
そこから、福ちゃんが「上手くなったかなって思っても、他のメンバーがもっと上手くなってるから追いつけない。」と語る。
遠ちゃんは、そんな福ちゃんみたいな声に生まれたかったという。(映画中には語られていないが、兄さんは遠ちゃんみたいな声になりたかったな〜って言っていたので、メンバー同士そんなふうにお互いリスペクトの気持ちを持っているのが素敵だなと思う。)
flagsの曲のメッセージ性の強さ。歌詞が力強い。今の時代にぴったりだと思う。「その先へ進め。」で、無音。
アメリカのイベントへ向かうJAMメンバー。アメリカではアニメファンが増えているという現状をプロモーターやファンの目線から語られる。いつものJAM特集、という感じ。海外での人気の高さ、盛り上がり。打ち上げで、まっくんに獺祭取り上げられてるダニーw
個人それぞれの活動について、遠ちゃんから。故郷の宮城県石巻、震災の時の話。(エンドロールの一部に震災後の体育館の様子やライブの様子があって、特にマンガトリオの3人で歌ってるレスキューファイアーはいつ見ても泣ける。You Tubeのランティスチャンネルにあるので未見の方は是非。)クリスマスライブの時のスーツ着て、しっとり歌ってるえんちゃんかっこよすぎよなぁ……そりゃモテるわ。
福ちゃんはクモ膜下出血、1年、2年は痛かったという話、そりゃそうだわ…とも思うが、そんな素振りも見せずにステージに立つ福ちゃん、かっけぇ。今だからこそ、シャウトしたら首から上が痛かった。っていうことを言えるんだろうなぁ。ほんとに生きててくれて、後遺症も残らなかったことに感謝。
まっくん、お父さんが自殺…それは、想像できないくらい辛い思いをしたんだろうなぁ。(私も友人が事件に巻き込まれて死んでしまったこと、どうしようもできなかったのに悔やんでしまう気持ちがあるから、自殺なら、尚更だろう……。)ダニーにだけ打ち明けたかもしれない、という言葉にすごく、ダニーの人間性というか、(他のメンバーがどうという訳ではなく)懐の深さを感じるよね。
影山さんはアイドルから売れない時代、アニソンで引っ張りだこの時代へ。えんちゃんが言っていたこととも通じるけど、何か武器がないと戦えない、他の人がその立場を取っていってしまうというもの。アニソン界は特にそれを感じる。自分たちなりの色を出していかなければ、残れないというか。
ダニー、突発性難聴でミュージシャン人生を続けられるのかどうか、不安だったという。(私も突発性難聴になって、右耳がまじで聞こえなくなって不安になったから、ミュージシャンならもっともっと不安になっただろうなぁ……と思う。幸いだいぶ回復して聞こえるようになってきたからよかった、私も、ダニーも。)韓国でのライブ、もらい泣きしてしまう。(というか初回は映画が始まる前からずっと泣いていた。)
緊急ミーティング。緊迫感。JAMが続けられるのか?危機感。(ファンとしても集客の悪さは薄々感じていた、年々減っているような……。特に地方公演。)影山さんはポジティブだけど、まっくんの現実的な意見とは食い違っている。(今の時代は実力があるから売れる、ではなく、女子高生だから、とかそういった大体若さの付加価値がないと売れないイメージ。特に手軽さが求められているから、JAMの重厚感とか、凝った作風が受け入れられにくいのかもしれない……。)
20周年に向けてのリハ。閉塞感がある。
ここで緊急事態宣言。映画が巻き戻っていく。ライブは全て中止。まるで絶望的な状況。
しかし、配信ライブを行う。映画の始めの方でレコーディングしていた曲を、提供した人たちと一緒に歌う。希望の光。諦めずに打ち克つ。グラロデのきしょーさんが「ジャムプロがやってくれることで、みんなが、業界が元気づく。」という言葉が刺さる。
メンバーからの「このままでは終われない、ちゃんとライブをしないと。」という言葉。逆境に燃えるえんちゃんの「生きる。」って言葉。(えんちゃんが作ったI KIII−イキル-を思い出した。)
そしてエンドロール。これまでのこと。映画に写りきっていなかったたくさんの思い出が詰まっていた。
映画の構成がほんとに見事だと思う。これまでのJAMを見せつつ、各個人のそれぞれの人生の重みも感じつつ、今ぶち当たっている問題について。それをGET OVER、乗り越えるってこと。
私はGET OVERと聞いて、6枚目のアルバム「Get over the border」を思い出した。あの頃、確かに転換期、ターニングポイントだったのだと思う。その当時は国境を超えろ。No Borderだったけれど。そのとき、そのときで乗り越えるべき壁がある。
これからもJAM Projectの活動を応援し続けたい。