『ソング・トゥ・ソング』 - DJ電熱線のビリビリビリ映画
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2021年1本目は、2017年に製作されたテレンス・マリック監督の映画、『ソング・トゥ・ソング』をご紹介します。
(C)2017 Buckeye Pictures, LLC
音楽の街、オースティン。フリーターのフェイは大物プロデューサーのクックと密かに付き合い、売れないソングライターのBVは、そんなフェイに思いを寄せていた。その一方で、恋愛をゲームのように楽しむクックは夢を諦めたウェイトレスのロンダを誘惑する。さまざまな思いが交錯する中、4人に思いもよらない運命が待ち受けていた。フェイ役をマーラ、BV役をゴズリング、クック役をファスベンダー、ロンダ役をポートマンがそれぞれ演じるほか、リッキー・リー、イギー・ポップ、パティ・スミス、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなどミュージシャンたちも出演。撮影は「ゼロ・グラビティ」などで3度のアカデミー賞を受賞したエマニュエル・ルベツキ。(映画.comより)
映画館で『ソング・トゥ・ソング』の予告編をみながら、「『聖杯たちの騎士』みたいだな…」と思っていたところ同監督の作品だということが判明し、そういえば『聖杯たちの騎士』公開の翌年には『ボヤージュ・オブ・タイム』が公開されて、中谷美紀のなんとも圧倒されるナレーションと共に宇宙の誕生を鑑賞した日のことを思い出しました。
正直、テレンス・マリック監督の作品でなければ映画館に足を運ぶ可能性が限りなく0パーセントに近かった『ボヤージュ・オブ・タイム』…。しかし実際にみてみると前述のとおり、ナレーションが素晴らしく、(ちなみにIMAX版ではブラッド・ピット、35㎜全長版ではケイト・ブランシェットがその役を務めている)そして圧倒的な映像の迫力等々、これはこれでなんだかすごい映画体験をした気がする、と思いながら帰路へ。
そして今回の『ソング・トゥ・ソング』。やはり『聖杯たちの騎士』を思い起こすようなカットの数々、叙情的な内容。
(C)2017 Buckeye Pictures, LLC
デジタル時代の映像美といった感じで、水面や空や路地裏などどれ一つをとってもカチっとしていて、余計なものや無駄に感じるものが一切ない…ほぼモノローグで構成されているという点も良かったし、時折人がもみくちゃになっている音楽フェス会場やそのバックステージのシーンが挿入されていて、「こんな日常は帰ってくるのだろうか…」と得も言われぬ気もちに。
『聖杯たちの騎士』系の作品でありながら、なぜか『ボヤージュ・オブ・タイム』のことが何度も頭をよぎったのは、人間視点の人間ドラマというよりも、さらに大きな場所から撮られたもののように感じたからかもしれません。ふとした自然の動きさえも何かを語っているようでした。もし、『ボヤージュ・オブ・タイム』を観ていなかったら、こういった受け取り方はしていなかったかもしれないので、やはりできる限り、本数観ていきたいものだなとおもう次第です(と言いつつ前作の『名もなき生涯』は見逃している)。
タイトルとポスターが何やらミュージカル映画のような雰囲気ですが、内容的にはむしろその逆(?)なので、新年にまず美しいものを目に入れたい!という人はぜひ映画館へ足を運んでみてください。