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『ワイルドライフ』 -DJ電熱線のビリビリビリ映画
こんにちは、DJ電熱線です。
『リトル・ミス・サンシャイン』や『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』などで知られる俳優、ポール・ダノによる初監督作品『ワイルドライフ』。
原作はピュリッツァー賞作家リチャード・フォードの同名小説『Wildlife』で、今回ダノはパートナーのゾーイ・カザンと共同で脚本・製作も手がけているそうです。
1960年代、モンタナ州の田舎町で暮らす少年ジョーは、仲の良い両親ジェリーとジャネットのもとで慎ましくも幸せな毎日を送っていた。ところがある日、ジェリーがゴルフ場の仕事を解雇され、山火事を食い止める危険な出稼ぎ仕事へと旅立ってしまう。残されたジャネットとジョーもそれぞれ仕事を見つけるが、生活が安定するはずもなく、優しかったジャネットは不安と孤独にさいなまれるようになっていく。(https://eiga.com/movie/90949/)
この映画をもっと若いときに観ていたらジェリー、或いはジャネットのこういうところが悪いとか、こうすべきだったという風に"正論"でぶった切ることができたのかもしれませんが、DJ電熱線もそれなりに年齢を重ねたことにより彼らのすれ違いや辻褄の合わなさ、大人気ない行動の背景にあるプライドや焦り、将来への不安などを想像して「分かる気がする…というかもう胸いっぱい…」と終始渋い顔に。
しかし、より感情移入できたのは(当然ながら?)主人公ジョーの視点。子どものころ、両親が喧嘩するとこんな風に不安だったなあとか、大人の決定をただ見守ることしか出来なかった日々のことを久々に思い出しました。どうしてうまくいかないんだろう、うまくやっていけばいいのに、信じ合えば良いのに、という単純な答えというのは、大人だからこそ辿りつけなくなってしまうのかもしれないですね。
ポール・ダノ、俳優としてはとても好きなのですが、監督としてはどうなんだろう?と、実は不安もありつつ観たのですが、たいへん良い映画でした。疑ってごめんなさい…。
劇中に派手な泣かせどころのある作品ではないのですが、むしろ物語が終わった瞬間に感極まってしまったのは、バッドエンドでもなくハッピーエンドでもない、「今が最良のとき」という終わり方だったからかもしれません。非常に好みです。
ポール・ダノ監督、次の作品にもかなり期待です!
映画『ワイルドライフ』7月5日(金)YEBISU GARDEN CINEMA、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー