見出し画像

同担拒否の夢女子やってたけど疲れちゃった話


みなさん、こんにちは。

「同担拒否」って知っていますか?
好きですか?嫌いですか?

私は大好きです、同担拒否の人。

そんなわけで(どんなわけで?)今からここに書く記事は同担拒否嫌いや夢女子嫌いには目に毒だと思うので、できれば目にいれないでいただけますと幸いです

御覧になった後なにも文句を受け付けないので、ご了承くださいね…


ではいざ出陣(どこに?)。





ラブストーリーは突然に

そうです。あれはX0年前のころ…
時は戦国じゃなかった平成のころ、私は大恋愛をしていました

キャラクターに

だってしょうがないじゃん、好きになったのが「キャラクター」だっただけ
画面の向こう側にいただけ。なんか文句ありますか?
今思うとアイドルなのに平気で恋愛バレする奴ら全員に爪の垢を煎じて飲ませたいところですが、このキャラクターA(以下A)は「なにものにも代えがたい存在」だったので一途に推して彼氏も作らないでいました。

そのぐらい本当に純粋に好きでした、最初は。

ただ、このAを推す…推すという表現すらも軽い好きになるのにほかのキャラを好きになりたくないな、と思ってほかのキャラを推すのをやめて彼だけに絞りました。

ある意味「本気」と言ってもいいでしょう。


君はアイドルか?

夢女子をやるにあたって(やるにあたって…?)、以下のことをしていました。

・彼氏作らない
 →キャラクターに失礼だから
・同性の推しを複数作らない、その人だけにする
 →キャラクターに失礼だから
・推しはもちろん作品に出ているキャラクターは敬意を払って基本さん付け
 →キャラクターに失礼だから
・隣に立っても恥ずかしくないぐらい身だしなみに気をつける
 →キャラクターに失礼だから

あ、ちなみにこれやってなんの意味があるのかっていうとなーんの意味もないですね。
いらん規律を自分で勝手に作って自分で首を絞めてるだけです。

でも当時はそれがいいと思ってた。
真面目に恋愛禁止守ってるアイドルが存在するとすればすげえよ…

ただ、唯一この中で理由はともかく「身だしなみに気をつける」だけは社会で生きてる。
隣に立ってようが立ってなかろうが清潔感に気をつけるのだけは、ヲタクとしても社会人としても大事ですね。


残酷なSNS時代

このころのグッズは祭壇がまだ駆け出し始めたころだったのですが、
Aは作品の中では1番人気だったので私が「1BOXでいいや」と思っても
2:1交換がざらだったため2BOXは当たり前で、1BOXでは交換できる要素がほとんどありませんでした。
Twitterでの交換もAを求めている人が多く、何度もリプ欄で見た同じアイコンの人がAを求めているのを見て気が滅入り、思わずブロック
それでも2BOXと決め、このときはまだ自分のペースで集めていました。


かの有名なイベントで考えが一変

寒空の下、私はこの作品のために夜中の3時から並んでいました。
このイベントは、他作品がたくさん絡むことと、当時はあまり制度がしっかりしていなかったので当たり前に長蛇の列でした。
そしてその長蛇の列に見るからにAを推している人がチラホラ見えました。
購入した後にこの人たちと戦うことになるのか、とますます同担拒否は加速しました
自分が欲しいと思った個数分購入後、交換スペースで交換しようと思ったのですがなかなか決まらず。
事後通販で制限分まで購入して交換していました。
このときから自分で思う個数よりも上の個数で購入するようになりました
理由は負けたくなかったし、A=私というのを定着させたい、と思うようになりました。

イベントで睨まれる

作品の人気も勢い余って個でイベントをやりだしたんですよね。
初日に缶バッジをたくさん買って、例のごとくTwitterで交換を出し、交換が成立したので指定された時間に場所・撮影可能なAのタペストリーが近くにある場所に行きましたが。

私と交換成立した人(以下X)が、お相手の方(以下Y)と話していたので、
待っている雰囲気、めちゃくちゃ見つめるとかはせずになんとなく遠くから「まだかな~」と思いつつフラフラしていました。
とにかく圧はかけなかったと思います。

が、すんごい視線を感じる。
話し込んでいる方を見ると、Yさんに睨まれている…

よく見るとYさん、Aを推している人でした。

とはいえ私も変なところがポジティブなので「ああ、意識されてるぐらいになってきたのか」と解釈し、でもお取引あるのにどこか行くのも違うのでやっぱり待ちました。

たぶんYはAのタペストリーの前だったのもあって私に意地悪をしたかったのでしょうね。
そんなことしてもAに嫌われるだけだよ、と思いながら待ちに待って、Yは私を睨みながら去り、やっと交換することができました。

※交換相手の方Xには後で謝罪されました



祭壇が流行り出す

当時の祭壇というのはまだ駆け出しのころで、スタジオで撮影するとかもなく、綺麗に並べる感じも少し違う様子でした。
そんな私もAの誕生日の前日、Aのグッズを自宅でたくさん並べてケーキと一緒に撮影しました。
このときの作品とAの人気は絶頂期で、私よりもグッズを集めている人がいてとても悔しかったことを覚えています。
このときから2:1でもいいから片っ端から声をかけてAのグッズを交換したり、高値で買い取っていました。
当時の感覚としては保護に近かったかもしれません。


優越感とは裏腹に

春になり、物販イベントが開催されました。
この頃から交換する人がだいたい固まってきたように思います。
私はラバスト100個、缶バッジのバッグ2つほど持って甲冑のようにガチャガチャ言わせて歩いていました。
交換するときも、「Aさんもあなたのところに行った方が幸せだと思うから」「Aといえば〇〇(私)だと思って!交換お願いできますか?」と自分の思惑通りである「A=私」になってきたな、と優越感に浸っている一方で、心の奥底で「こんなことしていていいんだろうか?」という感情が沸き上がっていました。
XさんとはAとよくペアにされがちなBのこともあって、なんとなく仲良くさせてもらっていましたが、普通の社会人ですらも疑問に思うほどの富豪で、たくさんグッズを購入していました。
Xから交換に出されるAもすべて確保したくて私もなんとかグッズを大量に購入していました。
(のちにXさんとこのときのことをよく話すのですが、おそらくお互い辛かったのだと思います。)


掲示板でたたかれ出す

このころからなんとなく掲示板で叩かれはじめました。
今思うとなんて狭い世界で生きてるんだろう、という気持ちしかないのですが「掲示板で叩かれるということはA=私として定着してきたということだ」と喜び、「私のことが気になるからわざわざ見て私のことを広めている、なんてありがたいんだろう」とすら思うようになりました


2度目の祭壇

2度目の祭壇はおかげさまでグッズを大量に並べ、オーダーメイドのケーキもご依頼しました。
RTもいいねももらって承認欲求モンスターになったのはいうまでもありません。
ただ、ケーキをオーダーしたことは楽しかったですね。良い思い出です。


ファンが減っていく

1年も経過すると、ほとんどの人が次の作品に走っており、熱狂的なファンは減っていきました。
かの有名なイベントも少しだけ交換が楽になっていきました。
これから過ごしやすいか?と思いきや次の物販イベントで私の何かがブツリと切れます。
というのも、残ったのは私含め熱狂的なファンだけだったからです。


限界は突然に

春のイベントで缶バッジを100個、200個と買っていました。
もちろん余すことなくAを交換したかったからです。
交換する人はほぼ固定されていたのですが周囲の100個、200個という数に合わせてAを確保するのに必死でした
しかしそれも限界を迎えます。
「こんなに集めてなんの意味があるの?」
「なんのために集めているの?」

誰よりもAのグッズを多く持ちたい。
でもそれを見せる場面はどこなのか?

物販で見せる痛バ、生誕祭の祭壇。

それだけのために集めてなんの意味があるのか?

そもそも、なんで好きになったのか?




界隈でトラブル

この物販のころ、ちょうど就活を迎えていました。
よく交換してくれる方々の中でXともう一人Zという人物がいました。
いつもご飯にいったりして、グッズ以外でも仲が良いと思っていたのですが、Xを中心にグッズをめぐってZやほかの人の些細な喧嘩が続きました。
話を聞くとどちらが悪いというよりも、気持ちのすれ違いが多いものでした。
そんな私もある日、Zと喧嘩をしてしまいます。
というのも、Zは同い年にも関わらず『就活』という文字すらなく、清潔感が感じられず、いつも同じ服だったため、思わずなにかの拍子にそれを発言してしまったのです(就活を心配してのLINEだった気がする…)。
Zも夢女子だったのですが、「ありのままを愛してくれるC(Zが推している仮称)が好きだから私はこれでいい」とまるで魔法が解けるのを嫌がるような文章を送ってきました。
たぶんこのころの私はそんなZと自分を自己投影して見ていたから嫌悪感を抱いたのかもしれません。
そこからZとの関係は切れましたが、次第に「私はこのままでいいのか?」という問いを自分に問い続けます。



「このままではいけない」


たくさん集めた缶バッジを眺め、「これは果たして何の意味があるのか?」「このままでいいのか?」と問い詰めました。
これは私も言われて当時イラッとした言葉。
「推しが養ってくれるのか」。これにつきます。

もちろん心は救ってくれるでしょう、ある限度までは。

でも御覧の通り、私の推し方ってなにも幸せじゃない。

ただ意固地になって集めてSNSや会場の目線気にしてるだけ。
あの頃の「好き」の気持ちはどこへやら。

そうして私は持っていた夢女子アカウントをひっそりと消し、
中古ショップやフリマアプリで売り込みました。
作品の人気自体、その頃は下がっていたことと、
何よりも痛バにつけていたこともあって高値では売れませんでしたが、
とにかく売り込んで夢女子の自分と決別しました。

やめるときってあっけないんですよね。
集めるときはあんなに大変なのに。


周年記念

夢女子の自分とは決別した私ですが、それでも久々にゲームをやって「ああ、やっぱり好きだなAのこと」と改めて再認識。
あの頃のグッズはもうないけれど「Aのことはちゃんと好きだったのか」と安心できました。
ちょうどそのゲームをやっているころに周年記念の物販イベントをやる告知があり、あの頃のようにフラッと出戻りそうになりましたが、結局これもビジネスなんだ、と落ち着けました
というのも、私もいっぱしの社会人になり、知り合いに似たようなグッズのことを取り扱っている人が近くにいるのですが、ビジネスの目線で語ってくるんですよね

あの頃は文字通り馬鹿みたいに集めていたけれど、私は自分の承認欲求と引き換えにいいように手のひらでコロコロされてただけ。それだけです。



おわりに

私はグッズに踊らされる人生を少し送りましたが、
最近は自分の身を顧みないような仕事をしてグッズを大量購入している人が増えていると聞きます。

もう一度言いますよ、
グッズはあなたを救ってくれないし、
推しはあなたを助けてくれない
です。

本当にどうにかできて、信じられるのは自分だけですよ。

グッズで愛なんて測れない、本当に大事なのは結局巡り巡って『気持ち』です。

それは絶対忘れないでいただきたい。


いいなと思ったら応援しよう!