見出し画像

診療看護師(NP)と特定行為研修を修了した看護師(いわゆる特定看護師)の違いはなんですか?


診療看護師を「診療看護師(NP)」、特定看護師を「特定行為に係る看護師の研修制度を修了した看護師」として以下記載します。
臨床で診療看護師(NP)と特定看護師がいる場所で働くと違いが見えてくるかもしれませんが、まだまだそういう場所は多くがないのが現状なのでしょう。

診療看護師(NP)と特定看護師の違いは個人的にお伝えできることは色々あれど、主観的なものが含まれるため、今回は客観的な情報から考えてみます。

診療看護師(NP)については、日本NP教育大学院協議会で以下のように定められています。
「日本NP教育大学院協議会が認めるNP教育課程を修了し、本協議会が実施するNP資格認定試験に合格した者で、患者のQOL向上のために医師や多職種と連携・協働し、倫理的かつ科学的根拠に基づき一定レベルの診療を行うことができる看護師」をいいます。
(診療看護師(NP)とは https://www.jonpf.jp/)
「日本NP教育大学院協議会は、診療看護師(NP)、「医師や他の医療従事者と連携・協同し、対象とする個々の患者の診療上および療養生活上のニーズを包括的に的確に評価し、倫理的かつ科学的な根拠に基づき、必要とされる絶対的医行為を除く診療を自律して、効果的、効率的、タイムリーに提供し、患者および患者家族のQOLの向上に係る看護師」の育成を推進している。」
「診療看護師(NP)の役割は、保健師助産師看護師法に定められた看護師の業務(療養上の世話、診療の補助行為)を自律的に遂行し、患者の「症状マネジメント」を効果的、効率的、タイムリーに実施することである。」
(「診療看護師(NP)」について(説明) https://www.jonpf.jp/wp-content/uploads/SpcDocumentsDetail_4748_file.docx)

また、「日本NP教育大学院協議会が認めるNP教育課程」とは大学院教育課程である。

これらから診療看護師(NP)について以下のことが分かります。
・日本NP教育大学院協議会が認める大学院で行われているNP教育課程を修了し、本協議会が実施するNP資格認定試験に合格した者
・患者のQOL向上のために医師や多職種と連携・協働し、倫理的かつ科学的根拠に基づき一定レベルの診療を行うことができる看護師
・個々の患者の診療上および療養生活上のニーズを包括的に的確に評価し、倫理的かつ科学的な根拠に基づき、必要とされる絶対的医行為を除く診療を自律して、効果的、効率的、タイムリーに提供し、患者および患者家族のQOLの向上に係る看護師
・診療看護師(NP)の役割は、保健師助産師看護師法に定められた看護師の業務(療養上の世話、診療の補助行為)を自律的に遂行し、患者の「症状マネジメント」を効果的、効率的、タイムリーに実施すること

特定看護師については、厚生労働省HPである「特定行為に係る看護師の研修制度」を参照します。
「2025年に向けて、さらなる在宅医療等の推進を図っていくためには、個別に熟練した看護師のみでは足りず、医師又は歯科医師の判断を待たずに、手順書により、一定の診療の補助(例えば脱水時の点滴(脱水の程度の判断と輸液による補正)など)を行う看護師を養成し、確保していく必要があります。
このため、その行為を特定し、手順書によりそれを実施する場合の研修制度を創設し、その内容を標準化することにより、今後の在宅医療等を支えていく看護師を計画的に養成していくことが、本制度創設の目的です。」
「現行と同様、医師又は歯科医師の指示の下に、手順書によらないで看護師が特定行為を行うことに制限は生じません。本制度を導入した場合でも、患者の病状や看護師の能力を勘案し、医師又は歯科医師が直接対応するか、どのような指示により看護師に診療の補助を行わせるかの判断は医師又は歯科医師が行うことに変わりはありません。」
(特定行為に係る看護師の研修制度の概要 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070423.html)
また、「特定行為に係る看護師の研修制度に関するQ&A」には以下の記載があります。
Q.特定行為研修を修了すると資格を取得できるのでしょうか。
A.資格は取得できません。特定行為研修を修了した看護師には、指定研修機関から、特定行為研修修了証が交付されます。
(特定行為に係る看護師の研修制度に関するQ&A https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000565100.pdf)

これらから特定看護師は以下のことが分かります。
・特定行為研修の目的は今後の在宅医療等を支えていく看護師を計画的に養成していくことから、特定看護師は在宅医療等に対応できる看護師と考えられる。
・特定行為研修は、診療の補助の一部分である特定行為を、手順書を用いて実施する場合の研修制度である。
・手順書によらないで看護師が特定行為を行うことに制限は生じないため、特定行為研修の修了の有無に関わらず特定行為を実施することに制限は生じない。
・特定看護師は資格ではなく、特定行為研修修了証が交付される。

以上より、診療看護師(NP)と特定看護師の相違点は…
・「日本NP教育大学院協議会が認める大学院で行われているNP教育課程を修了し、本協議会が実施するNP資格認定試験に合格した者」か、「今後の在宅医療等を支えていく看護師を計画的に養成していく研修を修了したもの」か
→端的にすると、大学院教育か、国の研修か。
・「患者のQOL向上のために医師や多職種と連携・協働し、倫理的かつ科学的根拠に基づき一定レベルの診療を行うことができる看護師」か、「医師又は歯科医師の判断を待たずに、手順書により、一定の診療の補助(例えば脱水時の点滴(脱水の程度の判断と輸液による補正)など)を行う看護師」か。
・「個々の患者の診療上および療養生活上のニーズを包括的に的確に評価し、倫理的かつ科学的な根拠に基づき、必要とされる絶対的医行為を除く診療を自律して、効果的、効率的、タイムリーに提供し、患者および患者家族のQOLの向上に係る看護師」か、「今後の在宅医療等を支えていく看護師」か。

加えて、修得する内容や実際の活動を比較してみると相違点が分かっていくかと思いますが、長くなるので今回は割愛します。
もしも関心がある方や冒頭の診療看護師(NP)に関する主観的な話にご興味がありましたら、以下にいらしゃっていただけますと幸いです。
オープンチャット「むげと診療看護師(NP)志望、NP学生、NPの勉強、受験対策ルーム」
https://line.me/ti/g2/Q-Rk6A0vH75opVorar-FagVK_mLIBZq-aCV0ow?utm_source=invitation&utm_medium=link_copy&utm_campaign=default

最近、お試しで作ってみたので、誰かの参考になれば幸いです。

ネットには色々な情報がありますが、まずは公的なもの、公式のものから見ていくと、少しずつ明確になっていくかと思います。

少しでも参考になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?