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質問:診療看護師(NP)を知りません。最初から看護師の資格で、診療看護師(NP)と同じことをできる制度にした方が良いのでは?
診療看護師(NP)は日本NP教育大学院協議会によると、養成開始は2008年で、2020年4月1日時点での養成数は487人です
看護協会のHP上で確認できる看護師の就業者数は平成29年度(2018年)は1,660,071人です
そのうち、専門看護師は2018年12月時点で2,279人、認定看護師は2019年7月時点で20,960人です
数字で見ても明らかなように診療看護師(NP)の数は少ないので、ご存知無い人の方が多数派だと思います
ご自分で調べるか、職場に目指している人もしくは診療看護師(NP)が活動していないと、知らない方が自然かと私は思います
養成開始してまだ10年と考えるか、養成開始10年も経ったと考えるか…
診療看護師(NP)は、前提として日本NP教育大学院協議会という民間団体が認定している資格です
大枠で考えると、例えば日本看護協会という民間団体が認定している認定看護師や専門看護師と同じです
認定看護師も専門看護師も診療看護師(NP)も、法律的には全て同じ看護師で、能力の優劣も身分の上下も規定されていません
なので、診療看護師(NP)に出来ることは法律的には全ての看護師で実施可能です
ただ、ここでポイントになるのが「実施可能」だからと言って「実施できる能力がある
」とは限らないことです
例えば、気管挿管は医師の指示で実施可能な診療の補助行為です
では実施可能だからといって、指示された看護師は行うでしょうか?
実施可能だが、手技が分からない、解剖生理が分からないから注意点が分からない
実施する以上、そこには責任が生じる訳で、その責任を負えないなら実施しないもしくは誰かに代わる、先輩と一緒に実施するでしょう
これが、診療看護師(NP)が実施していることを看護師が行わない理由だと私は思います
今までの専門学校や看護学部の教育では足りず必要な能力を得られないから、特定行為研修や大学院教育が必要になるのでしょう
また、特定行為研修と大学院教育では教育の目的が異なるので、得られる能力も異なるから、現場で実践していることが場所によって異なるのでしょう
ゆくゆくは、全ての看護師が実施できるようになるでしょうが、現状では教育や能力の観点から実施していることが異なるのだと思います
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