APEでもわかるTRON入門書 - USDDでAPY30%を手に入れるまで
この記事はある程度DeFiを触っている人を対象とした記事です。
どうもLutwidseと申します。5月からTronのUSDDに参入していたのですが、参入障壁が高いと感じたので備忘録ついでに書き起こしてみました。
誤字脱字等ありましたらご指摘いただけると幸いです。
Tronについて
Terraを触っていた人なら分かると思うのですが、独自実装のチェーンというものはガス代も独自です。特にTronのガス代の仕組みは特殊で、理解していないと2倍近くのガス代が掛かってしまうので学んでおきましょう。
お得にする方法も書いているので最後まで読んでください。
TRXとUSDTをTronチェーンに保有しているという前提で話を進めます。Tronは黎明期ということもあり、ブリッジの流動性はスカスカなので絶対にCEXから送金しましょう。現在価格($0.08)で300TRXもあれば問題ないです。
ガス代の仕組み
Tronのガス代にはBandwidthとEnergyという2つの概念があります。どちらもトランザクションを通すには必要なのですが、利用用途は明確に分かれています。詳細は下記の通りです。
Bandwidth
ウォレットには元から1500補充されている
全てのトランザクションに必要
Energy
ウォレットには元から補充されていない
コントラクトを叩くトランザクションに必要
共通点
補充する方法がある
使用量は期限内に再補充される
ではどうやってEnergyを補充すればいいのかという話になりますが、方法としては保有するTRXをトランザクション発行時にバーンする、またはウォレットからTRXをロックする必要があります。ロックの期日は3日間であり、返済されるまではウォレットにEnergyが補充されることになります。もちろん返済後は再びロックすることが可能です。
① Obtainをクリック
② Obtainの項目をTRON Power and Energyに変更
③ AmountにロックしたいTRXの量を入力してStakeで確定
この画像では50TRXを約1200 Energyに交換しています。
TronではとにかくEnergyが必要です。コントラクトを叩くたびに平気で10万から30万Energy飛んでいきます。
1日分のトランザクションを通すのに必要なEnergyは50万から150万ですが、ロックから得られるEnergyは微々たるものです。50万Energyを補充するには$1500に値するTRXをロックすることになります。
困りましたね、とても困りました。
とは言ってもガス代を$35から1/2に節約できる方法があるなら使うべきでしょう。「一銭を笑う者は一銭に泣く」ということわざがあります。
激ヤバ格安Energy販売店
実はTronのEnergyは他人にLendすることができます。ということで、当時Energyに飢えていた僕はTronでエナるために、最高にエナいピーポーになるためレンディングプロトコル探しの旅に出ました。自分が探した範囲で一番コスパが良かったのはTron Energyです。借入は3日間固定ですが、後述する立ち回り的にはそれで十分だと思います。
① ショッピングカートをクリック
② 欲しいEnergyの量を入力してNextをクリック
③ 注文内容を確認したらPlace Orderをクリック
はい、そうしたらEnergyは確保できたのでUSDDを預入するとこまでいきましょう。
JustLendでUSDD預入APY30% ~グルグルレバレッジもあるよ~
ここで皆さんに残念なお知らせですが、USDDはAPY30%を謳っているものの固定金利型ではなく変動金利型です。しかしながらUSTの崩壊に習ったUSDDは差別化を図り、APY15%~30%と高い年利を提供しているのもまた事実です。
当初の告知では、USDDはTRXと1:1で発行されるUSTのようなアルゴリズム型ステーブルコインでした。しかし現在のUSDDは、その裏付けを公式のリザーブから賄うことで最低でも130%の担保率を実現しているので、実質的にはDAIのような過剰担保型となっています。そのため、急激な資金流入にも耐えつつ高い利回りを実現していると考えることができます。
公式の発表している担保率が不正確であるという指摘もあるのですが、誰しも確証を持ち公言することはできないので、暗号通貨界隈に片足を突っ込むのであれば自分で一次情報を確認したほうがいいです。もしくは僕や他の有識者(めだかさんなど)のツイートを追ってください。
また、僕は典型的なクソツイ量産機ですが、たまにプロトコルから一時退却するタイミングやデペグのシナリオなどを呟いています。参考程度にTerraが崩壊する前のツイートです。
前置きは長くなりましたがいよいよ預入の時間です。まずTronでは主にSUNとSunSwapが使われています。前者はステーブルコインのスワップに特化した取引所であり、スリッページが少ないので今回はこちらを使います。
① USDTをUSDDにスワップ
② JustLendでUSDDのSupplyをクリック
③ MaxをクリックしてSupply
はい、USDDのAPYを確保することができました。リワードであるUSDDとJSTは4週間毎に自動的にウォレットに入ってくるため、複利をする場合は50万Energyほどを借入して再度Supplyするといいでしょう。
レバレッジ
ここからはレバレッジの説明です。USDDの画像をクリックすると詳細情報が書かれています。
ここで重要になってくるのはCollateral Factorです。つまり、担保として預入しているUSDDが85%までデペグ、または借入しているUSDJが75%までオーバーペグすると清算対象になります。公式によると清算は最大で50%+8%です。当たり前の話ですが、レバレッジにはリスクが伴います。理解した上で使ってください。
① My SupplyのCollateralをクリック
② USDJのBorrowをクリック - SAFE MAXをクリックしてBorrow
③ 借入したUSDJをSUNで交換します。
USDJ -> USDT -> USDD
④ 再びSupply
リスクやAPY、利益はAccount Statusに表示されています。100%になると清算です。JustLendのSupply APYとBorrow APYは変動型のため、リアルタイムで利息が発生しています。最終的な計算式は下記となります。
レバレッジをnと仮定。
n = 100/(100-Risk Value)
APY = (n*Net APY*100)%
担保/借入の清算価格まで = ±(Collateral Factor% * Risk Value% / n)
例としてUSDD担保USDJ借入で計算すると
n = 100/(100-47.71) = 1.91
APY = 1.91*15% = 28.65%
担保の清算価格まで = 85% * 47.71% / 1.91 = (-0.212)
借入の清算価格まで = 75% * 47.71% / 1.91 = +0.187
USDJのオラクル価格は$0.99~$1.01と変動していることが多いですが、SUNのスワップには影響せず、Total Borrowやリスクの参照に使われているだけなので下側の表示から正確に計算できます。
おまけ - リスクアラート
誰も作っていなかったので作りました。設定方法は自分で調べるか、この記事にいいねでもして聞きに来てください。
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