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Endorfin.『COLOURS』語り【.04感想:後半戦】

それでは後半戦です。
少女たちの呼び方等は前半に引き続き、
〈曲の感想→歌詞を読んでみて〉の順番です。



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04. 蛍火の雪:宿願

感謝っ…!!圧倒的感謝っ……!!
(M3行の夜行バス内で6時間再生し続けてた人間)

『蛍火の雪』はそれはもう好きな曲でして、XFD発表前から("雪"だし来るでしょ~!?)と皮算用しまくるほどには期待していた曲。
それがまさかの「「「「「MV付き」」」」」でM3前日にアップロードされるなんてねぇ………ハァーーーーー……………(合掌)
ほんとうにありがとうございました。

…………語りますね。


淡雪

ではMVを見ていきま嗚呼~~~~--==~------~~--=~--~-~~~!!!!灯籠が綺麗で妖精ちゃんが愛い~~=~~-ー--~~~~~……!!!!

いやもう本当に最高と言いますか幻想的と言いますか……
このシーンなんてね……いやホントにもう……

絵のタッチと構図がバッチリなんですよ。
ひとつ目に妖精ちゃんという存在を表すための"神秘性"。吹雪かずとも真っ白な雪原の真ん中に佇む白髪の少女と、それを照らして明滅する灯籠なんていう幻想的な光景がその神秘性を掻き立ててくれる。しかも服装は半袖のワンピースに恐らく裸足。妖精ちゃんだからこそ納得して見れますが、これも現実離れしている光景の大きな一因。上下に伸びる光の筋も妖精ちゃんの存在を際立たせている。

次は妖精ちゃんの持つ"愛らしさ"。彼女はずっと3人の少女の傍らで支えるように居たわけです、見えずとも声が届かずとも、ずっとずーっと。そんな愛しいほどの健気さをたたえてるのが、妖精ちゃんの笑顔なんです。この特有の温かみを持った表情…見た目通りの年齢なら普通はできないような優しさがあるんです。あ~……この表情ホント好きでしてぇー……!

最後に"儚さ"です。これも妖精ちゃんの笑顔が儚さを際立たせてくれています。ですがそれ以上に立ち姿にグッとくるものがあるんですよ。妖精ちゃんは「後ろ手に腕を組み、ただ立って」います。この立ち方と笑顔、フラフィで挙げた妖精ちゃんの"葛藤"を抑え付けながらも自分はここに留まり、あくまでも見守る立場に徹する姿勢なんです。どこまで健気なんだこの子

こういった要素全てを感じ、妖精ちゃんを【淡雪】と表現したくなる。

そんな妖精ちゃんが灯籠に照らされて「橙色」に照らされているのがまた、このMVの良いところなんですよ。

「"淡雪"は蛍火のように」

妖精ちゃんには『フラフィ』の歌詞にあったように
「忘れないでいてほしい」と「忘れて歩んでほしい」という二色の願いを持っていて。この"灯籠に照らされて橙に染まる"表現が、「忘れてほしくない」という白色の願いから、「未来に歩んでほしい」という黄色の願いに想いが決まるみたいで妖精ちゃんの心境の解像度が跳ね上がったんですよねー!
イラストも演出も最高のMVです。

P.S. 失礼は承知ですが、なにかのタイミングでこのイラストの壁紙とか配布されたら嬉しいなぁという願いがあったり(ry


声援

来ましたね…来ましたよ、和のEndorfin.──和ンドルフィン
雷花を聴いてからというものdeltaさんの作る和風の曲に魅入られており、MVが出るまでもリズムゲー経由で何度も聴いていたこの曲。雷花より力強い意思が感じられ、今にも駆け出したくなる気持ちになります。
曲の始まりは神楽鈴のような鈴の音と、静かに響く独特な弦のリズムから。唯一無二と言えるほどのイントロで、妖精ちゃんの訪れと冬の夜の静けさを表しているみたい。最近はランダム再生でこの音が聞こえると脳内でガッツポーズしてます。
メインメロディに入ると響いてくるのは鍵盤の音とコーラス。冷たさを持つ音と伸びのある声って「高さ」と「奥行」を表してるようで、真っ白で何もない広い雪原がイメージで湧いてくるんですよね。
Aメロでは吹雪く中で真っ暗な雪原を歩いてる寒さと静けさ、Bメロでは立ち止まって空を見上げている不安感と孤独感があるも、だんだんと浮かび上がる熱もある。
そしてサビ前に響く澄んだ鈴の音と心強い弦の音が2回。ここです、MVでも音ハメで波紋が広がるシーン。このサビの入りが蛍火の聴きどころなんですよ。この緩急によってサビに入ってからの疾走感が何倍にも増してるポイント。
そうして走り出すサビはピアノの音を基礎に、この曲で鳴る全ての音が重なって温もりがあり、小さく鳴っている木を打っているような細かな音が気持ちよくて、ずっと聴いていたくなる軽快さ。
Cメロでは一度ゆっくりになるも「確かに今 心の奥に触れた」のところで再び決意が強まり、流れるピアノとまた走り出すラスサビ。
アウトロの閉じ方まで綺麗でこの曲が好き。

そんな雪原に浮かぶ灯籠みたいな落ち着いたなくるさんの歌も蛍火の雪の良いところで、雪や妖精ちゃんといったを基準にしたこの曲にピッタリの声色だとしみじみ思う。
コーラス、サビ終わりの伸びのあるロングはもちろん
「見える未来も 見えない未来も」や「弱音にさよならをして」の掠めるような淡く伸びる声が蛍火で聴き込んでいるところ。特に好きなのがラスサビの「追風に掻き消えた」から「叶え遠い空へ届くまで」ここの一帯。蛍火で最も妖精ちゃんの声みたいに聴こえて、単純な歌というわけじゃないまるで妖精ちゃんからの"声援"みたいに感じられる部分なんですよね。
ラスサビにある「追風に掻き消えた」で音が上がるとこが好きで、ラストスパートで目的の場所まで走り抜けてる気分になれるので、頼もしさのようなものも感じられるんですよね。
迷いを振り切った妖精ちゃんらしい、柔らかくも芯のある白く澄みきった歌です。


追風

蛍火はねぇ~……歌詞もイイですよ~……!!
COLOURSシリーズにおいて唯一とも言えるがド真ん中で取り上げられている曲、そして何と言っても和風の曲。歌詞にも「蛍火」を筆頭に”和”な言葉で出来上がっていて趣深い。でも和風の厳かな空気感があまり出過ぎることもなく、もっとフワッとした優しさと温かさが溢れてる言葉選びなのが素敵なんですよね。
それに蛍火は『フラフィ』に引き続いて"妖精ちゃんの心象風景"を表してるような歌詞であり、なによりただひたすらに前を向き続けてる歌。COLOURSシリーズで一番力強い歌と言っても過言ではない。

1番メロ部分

最初に注目したいのが「冬空の先~言い聞かせて」のところ。
冬(空)の先にあるのは
そこで待っている、見える未来は卒業(別れ)
それを「わかってる」と自分に言い聞かせている声も白色、雪や吹雪にかき消えているように、後ろ髪を引かれる心残りが見えてきます。
しかし記憶や思い出が前に進む力に変わってる、サビ前の歌詞がすっごい好きでしてね。『フラフィ』で出てきた「呪い」「光」(フラフィの「優しさ」)に昇華してるのがグッとくるところ。"呪い"への意味の持たせ方が毎度の事上手すぎるよEndorfin.
あと「光」っていうのが【COLOURSの3人(光の三原色)との思い出が重なって光になる】みたいに読み取れるのが良いんですよね、ここの歌詞。

サビ

でサビに入るわけですが……神です。
使い古された安直すぎる感想ですが神です、最高……
もう一行目から妖精ちゃんにピッタリですよね。「淡雪」が白色であり、雪を染める「柔らかな灯り」が黄色なんですよ!つまりここで妖精ちゃんが色を取り戻してるんです!
もちろん重要なのは色を取り戻したところなんですけどね、もう一個めちゃくちゃ読み返しまくったところがあって。それが「追風」(歌詞の項目名にしたのもこれが理由です)

この"追い風"ってCOLOURSで1度出て来てるんですよ。

離れ離れの四つ葉たちは 風に吹かれ
長い長い時のどこかでいつかまた巡り逢うよ
届いて
静かな日陰に咲いたクローバー
日常の中に 隠れた小さな幸せ探して今日も
また一歩進めばいい
どこまででも続いてゆくような
全て包んでゆくような 季節がまた巡れば
追い風を運ぶよ 君のもとに

『サニーサイド・クローバー』ラスサビ

はい、COLOURSを語るうえで何度も擦ります。
『サニーサイド・クローバー』です。読み(聴き)返してほしいのが最後の2行。
01は"春の新学期について"の物語で、04は"冬から春、そして卒業"についての物語です。春という季節がまた巡って追風が吹いているわけですね。
加えて言うなら「四つ葉たちは同じ風に吹かれている」という歌詞もあります。これについては後程また回収しますが、妖精ちゃんも追風に吹かれている四つ葉のうちの一人であるということが示されている歌詞で、なんだか嬉しかったポイント。
あと足跡が入ってるのも情緒技術ポイント高得点です。、

そうしてCメロとラスサビもあるわけですが……イイですよねぇ~~~……!!!
ここに関しては意味合いについて云々を語るわけではなく、ただ柔らかい和風の歌詞と、振り向くことのない一途さを感じられるお気に入りパートな訳ですよ。
「天咲く」「淡い化粧」あたりは趣深い~!って思えるし「春を待つ光を纏って」のラスサビ入りはMVになって聴いて鳥肌立ったところ。ここでついに妖精ちゃんが完全に色を取り戻してると思うとね……
でも忘れちゃいけないのはやっぱり「友待つ君の 紡ぐ願いよ」っていう歌詞。うまく言えないけど一番"妖精"してる……!


そんなわけで04でも特に好きな曲である『蛍火の雪』
この曲は妖精ちゃんが色を取り戻す曲であり、物語が最終局面に向かう大事な曲だと思いました。
もうなんというか……MV合わせて、ただただ…………。


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05. スローアライズ:可能性の世界

XFDで来た時にまさかすぎて軽く(?)狂喜乱舞した一曲
いやぁ…まあまあ前の過去曲だったので本当…嬉しすぎたな……

これが「頭のネジが飛んだオタク」です

そんな『スローアライズ』ですが、Full化のインパクトだけでなく、COLOURS.04のストーリーの広め方もとんでもない一曲だったことを、先にお伝えしておきます。2番サビを初めて聴いた時なんて1000トントラックに500㎞/sで追突されたような衝撃でした。(世界壊れる)


通じ合った心

あ~~~~!!!deltaさんの音~~~~~~!!!!!

(何をもってして"deltaさんの音"と呼ぶのはいささか曖昧ではありますが)
やっぱり導入から響くギターの音が『スローアライズ』という世界を一瞬で創り上げるからスゴイのよね。
そして安定のキーボード鍵盤の音。なくるさんの声と重なってメインメロディが鳴るからか、この鍵盤の音には過去一で心揺さぶられる感覚がある。単純な哀愁でもなし…サッパリとしてて綺麗なのに、あんまりにも名残惜しさに心が引っ掻き回される気分になってしまう…
「Spica」「Four Leaves」「彗星のパラソル」系統のEndorfin.ソングの中でも圧倒的に、トップクラスに好きなメロディ
曲の展開も王道パターン、だからこそCメロ+落ちサビの破壊力がとてつもない。いやぁ、あのストリングスはズルいでしょ…

曲だけ聴いても既にこんな状況ですが…ええ、ここまではまだ曲(インスト)だけの感想です。
なくるさんのボーカルがねぇ…好きな歌い方してるんですよねぇ…!!Aメロのウィスパーも、サビ入りの声の上がり方も、伸びのあるサビも、少しずつ擦れてるような高音も、もう端から端まで好きな歌い方。
その中でも一番聴いていたいのは2番サビ
「今なら」で1番よりワントーン上がってるところから感情が昂ってきて、「知ら↑ない」でまた上がる。そこからの「行かないで」がほぼ消え入りそうなくらいなのも歌詞がリンクしてる。でもその後に続くCメロの「離れ過ぎた僕らは」のちょっと力こもってる歌い方になる。
この2番サビ中心の怒涛の展開、ここのパートだけ何回もループしてるくらい聴いてる。もっと2番続けと思うし、この短い瞬間だから2番サビがあまりに綺麗だとも思うし…もどかしい感情が湧いてくる最高のEndorfin.パート。

その2番サビを越えた後。スローアライズは曲とボーカルは概ね同じ音階・リズムを辿りながら鳴ってるんですけど、Cメロの「その瞳の見つめる先に」のあたりだけ、ストリングスのリズムがちょっと崩れてるように聴こえるところがあるんですよ。
だからなのか、そのちょっとできた余白の後に来るなくるさんのボーカルとの再重複部分が、すれ違ってるのにすごい綺麗に聴こえる気がする。しかも歌詞の"すれ違い方"にも少し触れて聴こえるんで…こう…胸がキュッとする…ので…す、が……ぁァァァ~……!
こんな綺麗なのに尾を引く曲を04の5曲目なんかに入れちゃダメなんですよEndorfin.さん……


"もう一つの可能性"

『スローアライズ』には語りたい事が多すぎる

まずこの曲が元はリズムゲーム「maimai」に書き下ろされた曲だということ。
前々からCOLOURSを想定していたのか、スローアライズがCOLOURSの地盤だったのか…は分からないにしろ、COLOURSに落とし込むことで出来上がる物語の完成度が高すぎる。

スローアライズを"大まかに"まとめると「妖精ちゃんの最後の時」を綴った歌。
妖精ちゃんが泣きながら/苦しんで消えていくとかでもないが、COLOURSの3人にお別れを伝えられたわけでもない。というか恐らく3人は妖精ちゃんを最初から知らないまま過ごしてきたと思われる。
でも別れの時(卒業間近)であり、妖精ちゃんはそっと消えていなくなる…そんな妖精ちゃんらしい…歌。

この曲をCOLOURSのストーリーとして語る中で、特に上げておきたい歌詞が
・「遥か傍で笑った 君は知らない」
・「十秒後の僕が伝えた言葉を」

・「もう一つの可能性辿った世界」
の3つ。

1つ目の「遥か傍」という矛盾している歌詞は、目に見えないけど近くにいる妖精ちゃんとCOLOURSの3人の関係性のこと。これは妖精ちゃん視点なので、3人は笑っているけどきっと遠くを向いているような場面。
その後に続く2つ目の「僕が伝えた言葉」が……これたぶん
「一人じゃないよ、いつだって隣にいる」
という『アンチグレーズ』の歌詞だと思うんですよね。
COLOURS全体(スローアライズまで)で「」がついている歌詞が以下の部分なんですが

「一人じゃないよ、いつだって隣にいる」(アンチグレーズ)
「進め」「とまれ」(シュガーレス・レイン)
「移ろう季節は厭わしい」「川の流れは醜い」(Untitled Sky)
「この日々が続いてほしい」(水彩のカナリア)
「わかってる」(蛍火の雪)

(シュガーレス・レインとUntitled Skyは少し除いて)
それ以外は全て妖精ちゃんの言葉だと思うんです。中には3人が話してるような歌詞があっても、そのどこにも「」は付いてないんですよ。恐らくは妖精ちゃん視点(見守ってきた)の物語がCOLOURSというものだから。
なら締めくくりで消える前に残す言葉があるならきっと、アンチグレーズのあの言葉なんじゃないかなと…

最後に3つ目──『もう一つの世界』が何を指すのかというと、恐らくは『水彩のカナリア』の光景そのもののこと。

ここに写っているこそ光景が、妖精ちゃんの最初の願いが叶った"分岐した可能性のある世界線"という見方。
曲順的には1曲目に入ってるものの、蛍火の時点で妖精ちゃんはまだ白色。
なのでもしカナリアの光景が有り得たのなら、蛍火とスローアライズの間にあったのかもしれない。
スローアライズ2番の「手放した過去も 叶わない未来も」がカナリアに当たる。
でも最初に言ったように、3人が妖精ちゃんのことを知らないままとするなら
水彩のカナリアの「「この日々が続いてほしい」そう願ってしまう
フラフィのCメロ「揺れる二色の願い
とあるように、妖精ちゃんが忘れてほしくないと望んで作った一つの可能性世界であるという考えが一番濃厚。
まあこの場合、妖精ちゃんに一定の期間をループさせたり進行を止めたり、世界規模で改変現象を起こせるほどの力がある前提なんですが…
ただカナリアの歌詞内に出てくる「日々の喧騒はぐれた」「一瞬のピースを 宝箱に閉じ込めたら」あたりの歌詞が、()に書いた仮定の話と繋がりそうな気がする……

水彩のカナリアでなくとも、「もう一つの可能性辿った世界」は妖精ちゃんの忘れないでほしいという願いが勝り、何らかの形でCOLOURSの3人とずっと一緒に居続けている世界なのかな…と。

なんて気になるところ書けば書くほど
妖精ちゃんが飲み込んだ「行かないで」という言葉と「痛いけど」という歌詞の重みが重すぎてさぁ…


実は04のXFDが来る前に『水彩のカナリア』MVがリリースされた時点で私は「勝ったなガハハ(大団円)」なんて思ってたんですよ。
でもスローアライズが入って来たら、まあ話が変わるというか…妖精ちゃんが3人とは一緒に行かず、このまま留まる未来が見えてたわけなんです。(なにせ1番とラスサビは既にあった曲なので)
そして予想通り妖精ちゃんは…
ですが、これが当然の帰結であり、これでこそ前に進めるのだなとも…

結局、"妖精"という存在がどういったものだったのか、明確に表現されることはありませんでしたが、個人的な考えとしては
【学生時代そのもの】という結論に至りました。

【前編】でも書いたように『COLOURS』は、何もおかしなことのない学生生活そのものを描いたストーリーです。
妖精ちゃんもその一部──というよりも、学生生活を擬人化したような存在だったのでしょう。
だからこそ、春に訪れる卒業と同時に彼女はお別れすることになりますし、ここでとどまり続けることになります。色を取り戻してもなお、3人と共に前に進むのは叶わない未来なのですから。
これまでの健気さも、不干渉/干渉できなかったのも、きっと妖精という者の存在意義だったのか。その役割に向き合ったからこそ色を取り戻せ、3人を送り出せたのかと…

01~03までにあった『それを見守る不思議な妖精が織りなす物語』のフレーズが、04になって全てを見てきたことを物語ってくれるような、そんな妖精ちゃんの歌なんですよね…スローアライズ。

その物語もついにサヨナラの時なんですよね…



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06. COLOURS

卒業式

『a fairy with you』から始まったこの物語を締めくくる音は、とても似ているけど全く違う雰囲気を帯びた対局のメロディ。永遠の別れではないけど、次の始まりのために終わりは必要で、確かに「ここでこのお話は終わり」となだめてくれるような、優しいけど厳しい曲……

あ"ーー!!!!終わるな"ーーーーー…!!!!!…!

もう最初は1回聴くのがやっとで聴くまでに覚悟が要ったんですよCOLOURS
3人が卒業証書もらいに登壇するのを眺めてる情景がありありと浮かんでくるし、送辞とかの式典プログラムとか花のアーチとか卒業生と保護者と在校生で賑わうグランドとか、そういう光景を見守ってる気分になってしまう…
でも妖精ちゃんもきっと変わらず見守ってるから自分たちも一緒に見届けないとなんですよね…

イントロとサビで繰り返されるリズムが良いですよね…なんなんでしょうあのオルゴールを鳴らしてるような…通知表の話で盛り上がってるのを横で聞いてるみたいな、みんなが行事の思い出を振り返ってるみたいな、全然知らない人の卒業制作を眺めてるみたいな…春であったかいのに、手持無沙汰になる様な感覚。
そういう光景を思い出すのにこれ以上ないほど最適なんですよ、この1番のメロディって。でも2番になって吹奏楽のような音が増えて卒業式が始まったように思えて、Cメロで送り出されて行って…すごいよ、もうなんか…ね…

卒業前とかの校内の何気ない場所がやけに目について、ゆっくり見回ってる時間があって、騒がしいはずなのに記憶の中だとすっごい静かなんですよね。ちょうど1番の歌い方みたいに。
それで卒業式が始まると練習の時は「長い~」とか無駄口叩いてたのに、本番はあっという間に過ぎて早足で終わってるんです。理屈では分かるのになんでか不思議なあの卒業式当日の空気
(あのラスサビのテンポ上がるのズル過ぎるって……!)
Endorfin.2人の音があってこそ、この何気ない終わりを壮大でかけがえのないものに表現できてるんだと思えました。
他に例えようがないんですが、学生生活──COLOURSの終わりとしてこれ以上ないほどに完璧です。


見送りの言葉

ひとつひとつを詳しく読むよりも、この歌詞全部がCOLOURSの思い出になってる歌詞。冗長に読み解くよりも、ただただ言葉を受け止めたい歌。

一番好きなのはXFDでも流れた2番サビ
巡った先の春で緑青赤黄の4色が揃ってるのが良いですよねぇ…歌い方がとても聴き心地良いのもあってずっと聴いてたいあそこ。
その後の「四葉」も最後の最後まで聴けたのが嬉しい。
Cメロにある「虹色のエンドロール」は『花残り、蕾ひとつ』の「七色纏う」を思い出す。

歌詞の中に「さよなら」が出てくるけど、これが3回出て来てるのも、妖精ちゃんが3人を見送ってるみたいで好きな箇所。完全に卒業するまではきっと隣に居るし、学校の門を過ぎてからも遠くからずっと手振っててほしい…

どこ切り取っても素敵だし、04の"Yelling"を詰め込んだ新たな門出を見送る歌です。
始まった物語が終わり、また終わりに向かって始まる。そんな締めくくりに感謝をしたくなる。



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ついに聴き終えてしまった……


聴き終えても空虚さはなく、COLOURSのこれまでの思い出が詰まってますし、みんな思い思いの道に進んでいったのを喜ばしく思う。
でも終わったからこそエンディング『COLOURS』にあった「二度と咲かぬこの日々」という歌詞が、聴き終えてからより心に突き刺さってくる。
幸福感とある種の達成感と喪失感、COLOURSを通して学生生活を追体験してきたような、そんな感覚が未だに残ってます。

COLOURSは一旦、終わりを迎えました。
これから先で彼女たち4人が再び揃うことはないかもしれません。
それでも彼女たちの思い出が詰まったこの4枚がある限り、何度でも思い返せる。
COLOURSは本当に素敵なアルバムでした。



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改めて、Endorfin. 2ndシーズン『COLOURS』お疲れ様でした!
この2.5年間で歌い上げられた物語は、これまで聴いたどの作品よりも思い出深いシリーズとなりました。
たった4アルバム、されど24曲という作品で何度も好きな曲が上書きされたりもしました。
なにより歌だけでなく、MVやストーリー、登場するキャラクター含めてかなり入れ込んだ作品だったと思います。当分ここまで引きずるシリーズもないことでしょう…

(…でもEndorfin.ならすぐ次の作品でとんでもないのぶつけてくるか…)
という期待を抱き、これからも応援しております!

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