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【ブルベ記】BRM914博多600km九州横断⑤ ~仮眠明け→口之津港~


再スタート、鬼池港へのTTがはじまる

コースから離れた交差点の角にはコンビニがあったので、そこで朝の補給の買い出し。

さて、ここで重大なトラブルが発生した。
書いてるとこう、ほんとトラブル続きだな。
今回は身体でも自転車でもなく、財布の中身だ。
財布は小さい革財布を使っているのだが、昨日の高温と雨とで中が多湿になり、お札がグショグショになってしまった。
1万円札に至ってはポツポツと黒いカビのような点すらも見える。
これはさすがに支払いに使うにはばかられる。
ダメ元でSuicaにチャージしようとそのお札を支払機に入れたら見事にジャムってしまいさらに青ざめた。
店員さんに機械を開けて取りだしてもらうが、ほんと申し訳なさでいっぱいに。
ATMで下ろそうにも銀行のカードは前日にホテルに置いてきた荷物の中だったorz。

このコンビニに着いた時点で時間は6時25分で23分の借金。
そしてこの後、島原に渡るフェリーが待っている。
ここからフェリーに乗る鬼池港までは90kmほど。
乗るフェリーを11時45分発と定め走り出す。
これに乗れば対岸の口之津港に12時15分に着き、数十分の借金にはなるが追い風予報もあり、挽回できるだろうと判断。
フェリーは出発10分前まで受付なので、実際のリミットは11時35分。
90kmを5時間10分、グロス17.4km/s
途中休憩を取ることも考えるとここはちょっとがんばるところだ。

熊本市街から有明海へ出て一路天草へ。
九州の東側、大分の海を離れて西側の熊本の海へ。
途中、海岸から沖に道と電線が伸びる長田部海床路をの脇を通ったが、潮が満ちており、ただ電柱が海面から生えているだけだった。


奥に長田部海床路


JR三角線はディーゼル車輌


美しい海、その向こうには雲仙の山と青い空、そんな気持ちいい快走路を多少のアップダウンを交えながら進む。
幸い信号が少なく、追い風でもありスピードが乗っていく。
さらに、この道は対向一車線で幅も少し狭い上に交通量が多く、大型車もバンバン通るが、そのおかげで車の走行風にも乗りグロスがかなり上がった。
これなら想定していたフェリーの1本前の11時00分発に乗れそうじゃないか、そんなことが頭をよぎる。


雲仙を摂る


途中358.9km地点のローソン上天草大矢野町店で休憩。
時間は8時12分、グロスは15.4km/hで貯金は33分に。
さらに進んだ先の自販機でも一度小休憩を入れる。
この日も気温が高く、水分がどんどんなくなっていった。


予想外の信号峠

その後も多少のパンチのある上りがありつつも快走路が続き、いよいよ鬼池港のある下島へ。
時間は11:00の便の目標でも残り1時間以上あり、これは勝ち確っ、と喜んでいた我々の前に見えたのは


信号峠。


まさかのここで信号峠。
下島に入ってすぐに天草市役所があるのだが、そこを中心に街が栄えていて信号の密度もすごいことになっている。
それこそ「ここ、島だよね?」と疑いたくなるくらいに。
マックが目に入ったときはマジでびっくりしたw。
しかも交通量が多く、信号待ちの列も長い。
焦っても仕方ないので必死に気持ちを落ち着けながら少しずつ進む。

信号峠を抜けるとパンチーなアップダウンがいくつも現れる。
上りだとKTHさんに比べてペースが明らかに遅いのだが、上りで遅れた分は下りで追いつきを繰り返し、10時35分鬼池港到着。 


天草四郎像が島原を見つめる


蓋を開けてみれば最初の想定よりめっちゃ早く着いてしまった。
朝のセブンイレブンからだとグロスは22km/hオーバー。
途中コンビニ休憩やきれいな景色を撮るのに何度か止まっていたのにもかかわらず……だ。
おかげで涼しい待合室で休憩を取ることもできた。
もうほんとKTHさんの引きがすばらしかった。

サイクルラックに止めようとするとXでフォローしてる防人さんがいらしてちょっとおしゃべり。
目の前にあったバイクは車検でライトがたくさんついてたあのバイクだった。


生存率50%

時間ができたので久しぶりにXをチェックすると、主催のスタッフの投稿で出走した人数の半分がすでにDNFしてるという状況を知る。
知らないところでサバイバルなブルベになっていたらしい。


出港5分前から乗船開始。
交通整理のおじさんに「今日は何かイベントでもあるの?」と聞かれ、内容を話すとあきれ顔 ┐( ゚д゚ )┌。
予定通りフェリーは11時に出港、30分の船の旅だ。
この便に乗っていたランドヌールは5人。
船内では自販機で水分を追加したりアミノ酸飲んだり、おしゃべりしたりうつらうつらしたり。
眠気はそんなにないものの、目をつぶれるときはつぶっておきたい。

しかしフェリーがあるブルベはそれだけで難易度が上がる。
ひとつはフェリー乗船の距離は走行距離には含まれないこと。
しかし乗っている時間は走行時間に含まれているため、ブルベの時計は止まらない。
ひとつは出航のタイミングが合わず待ち時間があればそこでも貯金を食い潰すことになること。
この二つ、いわば「強制休憩」である。
時間は進む、フェリーも進むが、走行距離は止まっているのだ。
実際、鬼池港到着時点で1時間21分あった貯金は、口之津港についた時点で20分しか残っていなかった。


ランチはあたたかい沖縄そば

口之津港到着。

海と空の青、雲と桟橋と船体の白


貯金20分ではあるが、ターミナル内におそば屋があったのでここでお昼ご飯。
店内にはなんと素敵、座敷席が。
迷わずそこへ陣取り、靴を脱いで脚を伸ばす。

頼んだのは沖縄そばといなり寿司。
沖縄そばのあっさりしたスープが大好きで普段でもよく食べてる。
暑い中あたたかいスープだけどほどよい塩分が染みておいしい。
乗っているラフテーがどうしても脂が多いので消化が心配だが、おいしく食べられてるので問題ないだろう。
内臓に負担をかけないように少しずつよく噛んで食べる。


沖縄そばにいなりずし


口之津港出発は12時30分。
ここから残り198km、残り時間は12時間半。
借金状態ではあるが、太陽が出ている間は抑え気味にして涼しくなってからチャージをかけることにした。


長崎へ


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