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【ブルベ記】BRM914博多600km九州横断⑦ ~福岡県突入→ゴール~


やっとの貯金1時間

福岡県糸島市の道路看板を見て、「帰ってきたぞー」と声が。
そして「ガンガンいこうぜ」とハイペースで飛ばし、566.9km地点のファミリーマート二丈福吉店で休憩。
時間は21時32分、グロスは15.4km/hで貯金は+1:05。

ゴールまで40kmを残して残り時間は3時間半。
博多に入ってからは信号峠が待ってはいるが、それでもグロス12km/hで走ればゴールができる。
自分もだけど一緒に走る3人にも少し安堵の表情が見えた。

最後のスパートに備えて2-Runタブレットを服用しようとしたら、さっき探していたエナジージェルが出てきた。
なんだ、あったのかよ。
カフェイン入りをバッチリ決めて再スタート。

そういえば、少し前からボトルのBCAAを受け付けなくなってきた。
なんか飲む気になれないし、味にも飽きてきた。
長い距離と時間になると味変も必要だなと思う。


信号峠は認定への通過儀礼です

スタートして早々、アクションカムのバッテリー切れに気づく。
アクションカムをDHバー下にあるKCNCブルベマウントに吊しているのだが、録画ランプがバーに隠れていて全然気づかなかった。
信号待ちを利用してモバイルバッテリーを繋げて録画再開。
(後で確認したら口之津港を出るときに録画してたのが最後で、そこからここまでの記録が何もなかった)

だんだんと市街地へ近づく。
それとともに信号峠もお出ましだ。
いままでブルベは東京、神奈川発着のものを走っていたので最初と最後の信号峠はいつものこと。
残り距離が減れば減るほど、同じ距離を走る時間が体感で長く感じてしまう。
さっきの10kmよりいまの5km、その5kmよりいまの2kmが長い。

いわば信号峠は認定のための通過儀礼だ。
これをいかに慌てることなくイラつくことなく、安全に走行できるかも試されているのだ。

時間に余裕があるので、20kmを残してコンビニにイン。
585.9km地点のセブンイレブン福岡周船寺一丁目店。
時間は22時40分、グロスは15.5km/hで貯金は+1:13。
何気なしに手に取ったマルちゃんのワンタンのスープが最高にうまい。
今回の補給食MVPを決めろと言われたらこれしかないってくらいおいしい。
なんか体の力が抜けてすごく生き返った気分。


あたたかいワンタンを食べながらアイスコーヒーを飲む、マッチポンプ


残り20kmを2時間ちょっと。
大きなトラブルがなければ余裕を持って間に合う。
しかしここからはゴールまでずっと信号峠の可能性もある。
ここからはゴールまで先頭を引いて走った。


ついに…… ゴール

信号峠は福岡市に入るとかなり険しいものになっていた。
急いでもしょうがないので赤信号が見えたら減速、なるべくゼロ発進にならないようタイミングを見計らう。
それにしても進んだら赤信号、進んだら赤信号の連続。
なかなか減らない残り距離にやきもきするのは、地域は変わっても変わらないらしい。
西新の交差点手前から博多の繁華街の街並みとなり、さらに信号の間隔が短くなる。
途中一つ小高い丘を上らされたときにはコース設計者の悪意しか感じなかった。

そして日付が変わり9月16日0時05分、ゴールのファミリーマート福岡玉川町店に到着。
間に合った、やっと着いた。
店内でソフトクリームとプロテインを購入し最後のレシートを取得し時計を止める。
グロスは15.4km/h、55分残しでのゴール。


距離にある617kmの数字が走破の証


走行ログ


ここまで一緒に走ったKTHさんサイトウさんすーさんと喜びを分かち合い、しばらく休んでからゴール受付へ。
みさか不動産の壁に自転車を立て掛けロックをし、2階へ上がる。
中では運営スタッフに加え、すでにゴールしたランドヌール、ランドヌーズ、そしてあいにくDNFにはなったがそれでもなお顔を出した根っからのブルベ好きが待っていた。

ゴールの手続きをしてもまだどこか600kmを走破した実感がなかったが、メダルを受け取ると「ほんとに走りきったんだなあ」とじんわり湧いてきた。
ドリンクとお茶菓子をいただきながら感想戦へ。
いままでのブルベはゴール受付が、スタッフ不在の郵送か、手続きして「はい、さようなら」だったのでどこかゴールしてもあっけなさを感じたけど、このように集まって話をしたり聞いたりするのはとても楽しい。

会場はさながらプチ懇親会。
最後の信号峠に文句垂れてる人に対し「東京だと信号峠とか当たり前ですよね?」とスタッフに聞かれ「ええ、そうですね( ー`дー´)キリッ」。
「初めての600で完走しましたー」と言ったら隣に座っていた女性も「私もでーす(^^)/」と。
そして一緒に走ったサイトウさんも初めての600で完走。
こうして初挑戦の人がここに集ったのも何かのご縁だろう。


ゴールド地のメダル、やっと手に入れた


そして、途中のコンビニですれ違った防人さんもしばらくしてゴール。
最終走者だったらしく、みんなに拍手で迎えられていた。
この雰囲気もなんか温かくていいな。

2日目の午前中ですでに半数がDNFしたこのブルベ、ゴールできたのは12名。
申し込み42名、出走33名なので出走人数で見た完走率は36%。
申込数で見たら28%で、コースプロフィールからでは想像ができないくらいのサバイバルなブルベとなった。
スタッフさんに話を聞くとやはり初日の向かい風と暑さで、100kmしないうちに決断した方が多かったとのこと。
無理して進むと駅から遠くなるため撤退できるところでしてしまおうという判断だったようだ。


前半200kmの風の向きに強さ、どちらもひどい


ここまで本当につらかったけど、同時にみんなもつらかったんだ…。
つらいのは自分だけじゃなかった、そうわかると、この完走した12名に入れたことが誇らしく、嬉しかった。
そしてブルベの難易度はコースプロフィールもだけど、天候で大きく変わるのだと改めて実感した。

クローズの1時を回りしばらくしたところでゴール受付は解散。
おのおの日常へまた帰って行く。
最後に防人さんにお願いして過積載自転車を持たせてもらったら、力一杯持ち上げても後輪が地面から離れなくて吹いたw


ホテルへの撤収戦

1.8km離れたホテルに向かうべくまた自転車にまたがるも、お尻が痛くてまともに腰を下ろせない。
アドレナリンが切れたらしい。
逆に見ればゴールするまでこの痛みから守ってくれていた。

いつも思う ほんとすごいな アドレナリン

のろのろ運転でホテルに到着して輪行袋に自転車を入れる。
疲れからか身体に力が入らず、頭はぼーっとしていつもどうやって入れてたかすら思い出せないほどで、いつもの三倍以上の時間がかかった。
こんな時に限ってタイヤを止めるゴムバンドは切れるし…。

チェックインして部屋に入り、シャワーを浴びてすぐに寝た。
時間にして2時過ぎ。
洗濯は明日の自分に任せたっ。


目が覚めて……


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