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アサシンクリード・シャドウズに見る歴史問題について

外人の手によって日本の歴史が書き換えられている??

私はこの歴史問題を有名ゲームシリーズ最新作であるアサシンクリード・シャドウズの炎上で知りました
本作の主人公の一人は黒人の弥助
黒人で弥助と言えば近年に知られるようになった信長の配下を思い浮かべる人もいるでしょう、その弥助です

戦国時代の日本に弥助と言う黒人がいた!というのは恐らく事実で
現代の日本でもまだまだ珍しい黒人がなんと戦国時代にもいたんですよ!という驚きと共に話題にされるものですが
その事実をもって、それで商売をしようとか、政治的な主張に利用しようとか、その為には事実を歪めることも厭わないとか、そんな人達がいますよ~っていうのが最初に見聞きした内容です

日本の戦国時代を舞台に、黒人の弥助が侍となってチャンバラするファンタジーでしょう?それ以上でもそれ以下でもないんじゃないの?
と思っていたのですが
んん?と思って浅堀りしてみると
このアサクリシャドウズでの弥助は「最強の侍」「日本の頂点に立った黒人」として登場していて、これは歴史の事実専門家の協力を得て当時の日本を忠実に再現、なんて触れ込みと合わせて、黒人の自尊心を擽っていたのです

信長がイエズス会の宣教師から買い取り、本能寺の変が起こるまでの1年とすこしの間手元に置いていた黒人の弥助がいつのまにやら、侍として数々の戦場で武勲を積み重ねた伝説の黒人となっていて、この様な弥助の扱い方は、アサクリシャドウズ発表のずっと前から、怪しげな著書などで一部界隈に歴史的な事実として広められていたのです
それも、その著者さんが、それがあたかも査読(厳しい審査のようなもの)のある学術論文に乗っ取った説であると嘯いて、弥助に関してwikiの編集を行うなどの裏工作と合わせてせっせと広めていたものでした

私がこれを知った年2024年夏の時点で、海外のコミュニティの一部においてはこれを歴史的事実として認識してる人が多々いらっしゃる様子でした
その所為か「黒人侍は全国で6000人は居た」と主張していたり「日本の諺に、勇敢な侍となるには少しでも黒人の血が必要だ、とある」なんて吹聴する人達の姿がチラホラと···。いや、流石に聞いたことすらないから!

彼らの主張が歴史的な事実であれば、黒人の歴史において、スペインやポルトガルが外洋航海技術を発達させて、黒人を奴隷としてアフリカ大陸から連れ出す前から、黒人達が自ら世界中に漕ぎ出してコミュニティを広めていないと何か変な感じもしますし
そこは置いておくとしても
ン千人の黒人が侍となり家を持ち、武功を重ねていったなら
日本の歴史資料には弥助だけでなく様々な黒人の名前が出てこないと変だし
黒人大名がいてもおかしくないとか(そのうち秀吉は実は黒人だったとか言い出しそうではあります。似たような事言ってる人はいるかも)
現代日本では黒人の混血が大勢いる感じじゃないと辻褄が合わないとか
色々とおかしな、現実とは異なる部分がわんさと出てくるのです

彼らが叫ぶ歴史と、現在社会との連続性が奇麗に絶たれている現状を引き合いに出して、残念だけど貴方たちが教えられた歴史を事実とするのは難しいんですよと伝えても「日本人によって黒人侍は歴史から抹消された」などの陰謀論で対処する様式が出来上がっているようでした
要するに、何を言われても俺らの中にある事実は変えないぞ!っていう強固な何かが出来てしまっている状況です
知らない間に国外で、こんな雑な日本の歴史の塗り替えが、粛々と進められていたなんて······

そんなの一部の人達でしょ~とは思うけど
自分の国の歴史なんて全然知らなかったり
世界地図上で日本は勿論自分の国がどこなのかもわからない人達が当たり前にいる世の中なので、私たちの常識では計り知れないものがあります
多分ギャグとかネタとかで言ってない······

もっと悪いことに、それらに託けて
専門家を自称して書籍などを出版する人達(なんと日本人含む)が
日本では黒人を配下に持つことが大名の間でステータスになりました。イエズス会の宣教師たちは黒人奴隷に反対だったけど、大名が黒人を欲しがったのでアフリカから連れてきてました」なんて感じに白人社会の闇を日本に擦り付けてたり
「別にいいジャン歴史的事実なんて!黒人に気持ち良くなってもらって日本に親しみ持ってもらえるなら、弥助をヒーローにしちゃいましょうよ。それで誰が困るの?歴史なんて今生きてる人の都合で書き換わるもんですよ。そんなことも知らないの?」なんてテンションで大暴れしちゃってたりと、かなりカオスな状況でした

日本を舞台に黒人を主人公としたゲームが作られただけでしょ、なんて一言では済まされない今回のアサクリ問題、まさかこれほど根が深いものだとは思いませんでした

アサクリシャドウズを制作したUBIには歴史を改変しようとの悪意はなく
これらの流れに乗っかって、彼らにとってどうでもいいアジアの、日本人の歴史や文化を踏み荒らして黒人の弥助を上げることで、私たちはポリティカルコレクトネスに根差した、先進的で公平な視点をもっている素晴らしい企業ですよとアピールしたいのだと思うのですが
結果的に、彼らがアピールしたがってる理想とは真逆の、非常に差別的でデリカシーを欠いたお下劣組織である実態が知れたのは因果応報といったところです

このゲームを制作したUBIはフランスの企業です
アサクリシャドウズが問題視された時期に丁度パリオリンピックが開かれていて、ポリコレ色の強い開会式や、審判を巡る人種差別的な疑惑もあり、フランスという国のもつ病が一度に見えてしまった感じもしました


日本人は歴史好きも多く、自国の歴史を大事にしている民族です
最近、アメリカ合衆国の時代劇ドラマシリーズであるSHOGUN 将軍のエミー賞18冠受賞が話題になりました
主演の真田広之さんが制作に深くかかわって、なんちゃってジャパン要素を極力排除し、日本人ですら面白く見るかどうかわからない所作を丹念に盛り込んだ骨太な作りで世に出した本作が海外で称賛されたことは、まさしく日本の歴史というものがそれだけ重要な文化であり、大切にするべきものである事を、改めて皆に示してくれたと思います

このSHOGUNに関しても「なんで黒人侍を出さないんだ!差別だ!」と騒ぐ人達がいるらしいのですが、彼らも弥助ビジネスの被害者なのでしょうか
誰かが始めてしまった弥助ビジネスがこの先どうなっていくのか、一人の日本人として注意して見守っていこうと思っています


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