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ロードバイクのフィッティングはどれほど効果があるか


R2キャノンボール往復比較

国道2号キャノンボール(通称R2キャノボ)大阪<->北九州 双方向達成、すごい充実感!

●上り:門司 > 大阪 (2021年9月19日)
 距離 529.92 km
 獲得標高 2,376 m
 移動時間 21:24:07
 経過時間 23:33:05
 平均スピード 24.8 km/時

https://www.strava.com/activities/5990102649

● 下り:大阪 > 門司 (2024年5月3日)
 距離 528.70 km
 獲得標高 2,480 m   <※100m 余計に上っている、コースミス!
 移動時間 20:48:50
 経過時間 23:19:23
 平均スピード 25.4 km/時

https://www.strava.com/activities/11333719377

上りと下りでは、自転車、装備、服装、気温、天候など、ほとんどの条件が同じ。ただ1つ、決定的な違いは「フィッティングを受けて体に合ったポジションを出した」ことです。つまり、この数値が掛け値なしのフィッティング効果です。
※ フィッティングの報告はネット上にも幾つか見かけますが、効果がはっきり数字に表れている例は少ないと思い、このノートにまとめました。

フィッティングの効果

  • 平均スピード 24.8 km → 25.4 km  (2.4%上昇)

  • 移動時間差 00:35:17  <ここで見ると約30分差

  • 経過時間差 00:13:42  <たった13分、されど13分!

  • 推定平均パワー 94 W → 103 W  (9.6%上昇)

  • エナジーアウトプット 7,242 kJ → 7,706 kJ  (6.4%上昇)

この数字を見て、「すごい違いだ!」と思う人と、「たったこれだけ?」と思う人と、「そんなの偶然誤差の範囲だろう」と思う人もいるかもしれません。私自身の体感からすると、これは「すごい違い」です。30分あれば、3回コンビニ休憩できるよね。実際には、走行で35分のゆとりができたので、20分休憩を増やしたということです。これって、すごい違いではないですか。

フィッティングは AKTIVIKEというところで受けました。  
>> https://activike.com/

  • ネットの評判が良い。キャノンボーラーや日本縦断達成者も受けている。

  • 理学療法士のにっしーさんが、医者のように体の状態を診てくれる。

  • 直接行ける範囲内にある。

どうせやるならしっかり見てもらおうということで、トータルフィッティングを受けました。

受ける以前

私の乗っている自転車は「Cervelo P2 2013」というTTバイク、2013年から、もう10年も乗っています。とてもいいバイクです。そしてフィッティングを受ける前に、既にR2キャノボ上りを達成しています。
「だったら、何でいまさらフィッティングなんかするの?」と突っ込まれるかもしれません。それでもフィッティングを受けた理由は、少しでも楽に走りたかったからです。
R2キャノボ上り、達成したとはいえ、やはりきつかった。あと一歩間違えば、達成できなかった状況にありました。なので、下りにチャレンジするときは、少しでも楽にできることがあれば、やっておきたかったのです。
実は私自身、ひょっとするとフィッティング意味無いかも、と思っていました。現状にすごく不満がある訳でもなし、見てもらったあげく「どこも変える必要無いですね」で終わりかもしれない、と。ところが、そんな心配は無用でした。

フィッティング

私がお願いした注文は、ざっと次の通り、

  • R2キャノボ下りをもっと楽に走りたい。

  • 上りで1番痛かったのは手だった。走った後1週間は痛かった。何とかならないか。

  • あと、腰痛も気になる。何とかならないか。

  • 年に2~3回、トライアスロン(オリンピックディスタンス)に参加しているのだが、太ももをいじめているとしか思えない。後のランをまともに走れるように楽がしたい。

総じて「楽したい」ですね・・・つらいの、嫌じゃないですか。

こういうザックリした注文を聞いてもらいつつ、ローラー台に乗っては調整、乗っては調整を繰り返した結果、こうなりました。

Before
After

上がフィッティング前、下が後の姿。変わったところは・・・

  • 以前は下を向いていたハンドルが高く、上向きになった。

  • 特にエアロバーが水平から上向きに変わった。

  • サドルの高さを少し下げて、後ろに持って行った。

  • サドルが前下がりだったのが、水平になった。

  • クリートの位置も調整した。

要するに、全部変えた。自分だけでやってたら、絶対こんな変更しなかった。10年間慣れ親しんできたポジションを変えたのだから、さぞ大きく変わったのかと思いきや、不思議なことにほとんど違和感が無い。確かに注文通り、以前より楽に走れるようになったかな~、という感じでした。ところが、ここから乗るにつれて感想が変わっていきます。

フィッテイング後

実はフィッティングはその場で終わりではなく、その後が大事なのです。

  • 自転車に合わせて、アドバイスに従って乗り方を変えてみること。

  • 1ヶ月くらい様子を見ること。

フィッティングというと自転車の形ばかりに目が行きがちですが、もっと大事なのは“人間の形”の方なのです。正しい乗り方をしなければ、どんなに自転車の方をいじっても効果は現れない、ということです。

では、正しい乗り方とは何なのかというと、私の場合「体幹で走る」ということらしい・・・実はいろいろアドバイスをもらったのですが、私自身、未だに「体幹で走る」とは何なのかがよく分かっていません。それでも自分なりに試してみたところ、どうやら「膝や足先に頼らず、腹に意識を集中することでパワーが長持ちする」みたいです。これ(腹)を意識しつつ、1ヶ月くらい新しいポジションで乗ってみます。
その間(その後も)平行して「体幹体操」をすると効果が上がります。「ACTIVIKE 体幹」で検索すると、にっしーさんの記事がいろいろ出てくるので、大体その通りにやってみます。この体幹体操、動画で見ると簡単そうですが、実際やってみるとけっこうきついです。それでもがんばって1ヶ月くらい続けると、目に見えてフィッティングの効果が出てきます。私の場合は3週間目くらいで「おっ、これは」という感じになってきて、R2キャノボ下りに挑むころには「1.5倍くらい速くなった!」と思っていたことを白状しましょう。実際はそこまで速くはならなかったのですが、それでも冒頭に上げたように、数字の上で 5% くらいアップしました!

もう1つ、スピードよりもっと大きなメリットがありました。それは腕が楽になったことです。腕が楽になったことで、とっさの場合に回避できるゆとりができました。これが安全につながります。それまで私は、TTバイクというものは「操作性を犠牲にしてスピードに振り向ける危険な乗り物」というイメージを持っていました。ところがポジションを見直した後では、極端な腕への加重が減ったので、普通のロードバイク並に小回りが効くようになったのです。

R2キャノボの上りでは、国道2号の路肩を両手でエアロバーを握って走るのは恐くて、ほとんどを「片手をエアロバー、もう一方の手はブレーキレバー」という片側スタイルで走破しました。一方、下りのときには恐怖感が無かったので、両手でエアロバーを握って走ることができました。実際、30分の差はここで生じたのだろうと思っています。

国道2号はすごい!

何がすごいって、主要国道なのにTTバイクで走れるほど道路が清潔だということがすごい!

TTバイクという自転車は、きれいな舗装道路を走るように作られています。荒れた路面は苦手です。ドロやほこり、その他の汚れも苦手です。もっと苦手なのは、路肩に落ちているゴミやペットボトル、空き缶だったりします。そうした異物に直撃したら、ひとたまりもありません。実際に私が往復して驚いたのは、そうしたゴミがほとんど見当たらなかったこと。そして、上りでも下りでも、走破後の自転車がほとんど汚れていなかったことです。
国道2号すごい。よほど沿道住民のマナーが良いとしか思えない。この場を借りてお礼を言います、ありがとう。

フィッティングの勧め

ということで、私にとってフィッティングは良いことずくめでした。
ちょっと持ち上げ過ぎだと思われるかもしれませんが、結果が出ればヨイショしたくなるのが人情というものです。

  • キャノンボールにチャレンジする人には、フィッティングは必須。

  • 24時間のうちの30分に価値があると思う人は、受けた方が良い。

  • 10年慣れ親しんでいるからといって、改善点が無いわけでもない。

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