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【日記】高校現代文の教科書をパラパラとめくる

    今日も無職は図書館に居ました。しばしポリネシアン求職活動(自己PR文を1行書いて満足してTwitterやnoteを開く)に時間を使った後で、そろそろ今日の日記でも書くかと内容を考え始めました。

    で、経緯は省くんですが、高校国語の教科書を見返したくなりました。自分が学生の頃に読んだ評論が読みたかったのです。図書館には小中高校の教科書が大体置いてあり読むことができます。
    まあ結局探してた評論は無かったんですけど、ただ教科書をパラパラめくってると、興味深いものがあったので、そのことで今日の日記を書くことにしました。

青が消える 村上春樹

    国語の教科書に村上春樹の短編小説が載ってて驚きました。村上春樹といえば、最近Twitterの方で少し話題になっていましたが、僕は村上春樹を少し読みます。
    村上春樹のすごいところは文章が読みやすいところだと僕は思います。小説の内容が分かりやすいとは言っていません。
    話の全体像は見えないのに設定だけでワクワクさせられている時でも、よく分からん概念的な話の時も、80年代の気取ったいけ好かない若者の話をしていて気持ち悪いと思っている時も、どんな時でも文章がスラスラと頭の中に入ってきます。
    小説を読んでいると、内容が面白くてどんどん文章が読める時や、逆に内容が合わなくて全くページが進まないことはありますが、村上春樹の小説は内容は合わないのに、または、内容がよく分かっていないのにページだけはどんどん進むのです。目が滑っているのではありません。文字はきちんと読めているのです。きっとこういうのが日本語が上手い、文章が上手いってことなんだと思います。

    この教科書に載っていた短編は1992年に書かれたものらしいです。1999年の大晦日を舞台に時代と共に消えてゆく物を嘆く内容で、懐古主義的ではあるけどそこまで気持ち悪くはないです。ただ、文章は読みやすいけれど、内容は読み取りにくいので、これを授業でやる高校生は大変だなぁと思います。

    ちなみに、村上春樹の作品は文章が読みやすいので、多くの人におすすめできると思っています。ただ、小説だと内容が合う合わないがあるので、そこが心配な人はエッセイ集から入るのがいいと思います。エッセイを読んでいると、彼は単なる文が読みやすい気の良いおじさんです。

なぜ私たちは労働するのか 内田樹

    こちらは評論。
「最近の若者がすぐに仕事を辞めるのは、受験とバイトのせい。
    受験という自分の努力がストレートに成果として自分に返ってくる受験と違って、仕事は他の人のミス等で思うように成果が上がらないのが普通。
    バイトという自分の職域がかっちり決まっている働き方と違って、仕事は自他の職域のグレーな部分をカバーし合わなければならない。
    それなのに受験とバイトに慣れきっている近頃の若者は、他人のために働くという視点が欠けているからはすぐ仕事を辞めるし、やりがいやクリエイティブという謳い文句に惹かれがちだ。」

    というのが、僕が読み取ったこの評論の内容です。

    僕が思ったのは、この文章を高校生に読ませて何がしたいのだろうかということです。2008年に書かれた物らしいですが、2008年の20代と2024年の16歳とでは親と子ほどの年代差があります。そんな昔の説教くさい評論をこれは君たちのことだと言われて読まされても高校生は困るのではないでしょうか。
   
    例えば筆者の主張通り受験とバイトが若者の労働観に悪影響を与えていると仮定して考えてみます。
    高校生の大学+短大の志願率は1975年の時点で50%を超えています。(2019年は61%で大きな差はない) この時点で若者が受験に影響を受けているとすれば、この時の若者は1957年生まれ、現在は67歳、高校生からすればおじいちゃんの世代です。
    アルバイトの方も1970年代には、ファストフードやコンビニ、スーパーの広がりと共に一般的になったようです。なので、受験とさほど変わらない時代から若者に影響を与えていたといえます。
    つまり、受験とバイトが若者の労働観に悪影響を与えているとするならば、それは近頃の話ではなく、現在年金を貰っていない幅広い年代の人に当てはまることになります。(ざっくりいうと)

    なので僕が思ったのは、この評論は誰にでも当てはまる一般的な特徴を使って、若者に対していちゃもんをつけているようにしか見えないということです。

    そういえば思い出したのが、僕が高校生の時、読書感想文の課題図書一覧に『ケータイを持ったサル』という本がありました。そのキャッチーさに惹かれて読み始めたはいいものの、その本で筆者は、携帯電話を持った若者に対しての的外れな批判をずっとしていて、我慢できずに半分も読まないうちに他の本に変えました。この評論からも同じようなニオイがします。

    自分はこういう年長者が年少者にいちゃもんをつける文章が嫌いで、逆に坂口安吾の『堕落論』のような年少者が年長者にいちゃもんをつける文章は好きです。


    というわけで、今の高校の教科書を読んだら、言いたいことがつらつら浮かんだので、全部ぶちまけました。

    話は全然違いますが、さっきVtuberのKsonとVshojoJPの社長の対談の配信を見てて、社長が自社のタレントや現在のVtuberについて色々語っていたのが良かったです。社長が熱く展望を語るのではなく、社長の視点から淡々と語るVtuber界って感じで聴いてて楽しかったです。

ではまた明日。

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