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【日記】山陽小野田市立山口東京理科大学!?東京???

喫茶店で作業をしていると、隣に座っていた高校生が受験勉強をしていた。この時期の受験生は、1月に共通テストを終え、個別の大学の試験に備えているのだろう、隣の高校生も赤本を開いて勉強していた。

これは褒められたことではないが、どこの大学の赤本なのかが気になってちらちらと見ていたら、偶然一瞬だけ表紙を見ることができた。しかしそこには私の想定以上に多くの漢字が並んでいて、山口東京理科大学と書いてあるのはなんとか読み取ることができた。


ん?山口東京理科大学!?山口と東京は並列して置いていいものなのか?山口は本州の西の端で、東京はその反対側、距離でいうと800km以上離れている。
そりゃあ世の中には千葉にあるのに東京の名を冠している施設が何ヶ所かあるけど、それは千葉だからなんだかんだ許されているだけで、茨城の空港が東京の名を使おうとしたときにはそれなりの反発があって確かポシャったはずだ。
同じ関東圏の茨城が怒られるのに、山口が東京を使えるのはどういう原理だと興味を抱き、またチラッと見えた時には長い大学名の一部しか確認できなかったので、それらの真実を確かめるために手元にあるスマホで「山口東京理科大学」と調べてみた。


すると出てきたのが「山陽小野田市立山口東京理科大学」という大学だった。

長い。
熟語が7つほど並ぶこの文字列には、高校の日本史で出てきた蘇我倉山田石川麻呂という飛鳥時代の豪族のことを思い出させる。
ちなみに、高校の時この蘇我倉山田石川麻呂という人名を知った時には、異常に印象的で覚えやすいこの名前は生涯忘れることがないだろうと思っていたが、実際には、名前の中に名字が何個も入っているような歴史上の人物がいた事は覚えていても、名前は全く思い出せなかった。Google検索とChatGPTを駆使しても彼の名前を出すことができず、偶然「蘇我倉」の部分を思い出せたことでなんとかことなきを得た。


話を大学名に戻す。この長い大学名は「山陽小野田市」という自治体の公立の「山口東京理科大学」と分けることが出来る。

後半部分の「山口東京理科大学」だが、調べてみると、実際に東京に存在する「東京理科大学」とちゃんと関係があるらしい。

元々は私立大学である「東京理科大学」が山口県小野田市に短期大学を開校したのが始まりで、それが後に4年制大学となり、少子化の煽りを受けて経営難となった結果、山陽小野田市に移管する形で公立大学となったようだ。東京理科大学の手を離れて公立となった現在も両校の姉妹校関係は続いている。

つまり「山口東京理科大学」は山口理科大学に東京がインサートされているんじゃなくて、東京理科大学に山口がくっついているのだ。

ちなみに、この大学の略称は「山口理大」「山理科」等で、英語名は「Sanyo-Onoda City University」らしい。「東京」はどこ行ったんだよ。


なお自治体名の方の「山陽小野田市」は、平成の大合併で山陽町と小野田市が合併した自治体で、合併前の町の名前をそのままくっつけたものとなっている。漢字五文字の市の名前はここが全国で唯一らしく、それが「山陽小野田市立山口東京理科大学」の名前の長さに寄与している。


というわけで、偶然見かけた長い大学名の謎を見事解き明かすことができました。お疲れ様でした。

余談ですが、この大学の入試情報を覗いたところ、工学部の定員300名のうち一般選抜からが125名で、残り175名は学校推薦などで選抜するんだそうです。半分以上が推薦入試というわけです。私は最近の大学入試には全く詳しくないのですが、これはこの学校独特の傾向なのでしょうか?それとも他の学校もこんな感じなのでしょうか?
一般選抜の志願状況も見ましたが、倍率が結構高そうだったので、隣に座っていた受験生には頑張ってほしいものです。


ではまた明日。

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